第7話:指輪

「わかりました。しかし、これからどうすればいいのか・・・。」

「大丈夫です。私がついています。」


といっても俺の方がこれからどうすればいいのかわからない。

どうするべきが考えているとある事を思い出した。


(そういえば夢を見たな。あれがこの体の記憶だとすると・・・蘇生魔法を手に入れないとまずいかもしれない。)


「私は気になる事があるので、祭壇の部屋を見てきます。これからの事はその後話しましょう。それまでここで待っていてください。」

「え・・・わかりました。」


俺は服を着て、部屋を出た。

外は部屋の中と違って薄暗い。

ただ、どういう原理かわからないがうっすらと壁全体が発光しているので、周りの様子を確認するには問題ない明るさだった。


「なんだこれは?扉だらけだ。」


周りのを見ると石壁に規則正しく木の扉が横にズラッと並んでいる。

まるでマンションのようだ。

ドアには文字が記載されており、倉庫、食糧庫、トイレなど生活に必要なものが一通り揃っていた。

中が気になったが、とにかく祭壇の部屋を探して突き進むと開けた場所についた。

真正面には扉があり「祭壇」と記載されていた。

左右には先へと続く通路があったが、まず祭壇の部屋を調べる事にした。


「アルガスが遺言で指輪を着けろといってた。蘇生魔法を使えるほどの魔導士が言った事なら意味があるに違いない。」


部屋に入って中の状態を確認すると、死んでいる2人が目に入った。

1人はアルガス、そしてもう1人は元々俺だった男アークスだった。


「本当に死んでいる。信じられないが、本当に体を入れ替えたんだな。」


俺はアークスの死体を横目にアルガスの死体を探り、手から指輪を拝借した。

何の装飾もない銀色の指輪だが、とりあえずアルガスと同じように左手の小指に着けてみる。

すると「ブゥーン」という音がして、俺の前にまるでPCのウィンドウのようなものが出てきた。


「なんだこれは?」


ウィンドウには「パスワードをお答えください」という文字が出ている。

まるでゲームのような展開に動揺したが、ふとある考えが浮かんだ。


「もしかして呪文詠唱というのはパスワードを答えていたのでは?」


もしそうなら、蘇生魔法を発動するための長い呪文詠唱がパスワードとなるのだが、あの時の呪文など覚えているはずがない。

どうするか考えていると、目の前のウィンドウが反応して別の文字が出てきた。


「申し訳ありませんでした。あなたは登録済です。パスワードは必要ありません。」


なぜだが知らないが登録済だったらしい。

使用人だったサイラス・・・つまり俺も自由につかえるよう登録していたのだろうか?

その後、ウィンドウが出ては消えを繰り返し最後に残ったウィンドウにはこう記載されていた。


【鑑定】

【魔法】


まるでゲームのコマンドだ。

とりあえずは、指で押してみるがすり抜けるだけで何も起こらない。

次は口に出してみる。

「鑑定」


すると目に見えてる祭壇の詳細が新たにウィンドウが出て表示された。


【祭壇:蘇生魔法に必要。】


「おお、鑑定した。これは凄い・・・って説明が少なすぎる。」


他に部屋の本棚などを視界に収めてみるが、反応がない。

死体も確認してみたが、何も反応しない。

どうも特殊なもの以外反応しないようだ。

「これは微妙か?では魔法はどうだろう?」


また口に出してみる。

「魔法」


するとウィンドウが増えて「炎の攻撃魔法」だけが表示された。

アルガスはこの指輪を着けて蘇生魔法を使っていたが・・・俺には使えないのだろうか?
















































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