生存確認領域

「ってかここどこ……?」


扉に入った俺たちの目の前には、四角の穴に区切られている場所があった。

落ちれば確実に死ぬであろう場所である。


「あ、説明忘れてた。

ここは【backroom】levelレベル0、【The Lobbyロビー】だよ。そしてここは最後の部屋。ほら。飛び降りて。」

「はっ!?飛び降りるって――は!?」


俺が話している途中に後ろから衝撃がくる。


「お前ッッッ!!なんでッ!!」


ロストに蹴られた。

やっぱこいつも敵じゃねぇか!!


「向こうの私の指示に従ってね。」


ちょっ待っ――――――――――。





「いだぁぁ!!」


足で着地したものの衝撃が体に伝わる。

ここは……?


まるで駐車場の様な空間が続いている。

壁、床、天井は恐らくコンクリートで作られており、至る所に水溜まりがある……。

あとは壁に落書きが多く書かれているぐらいか?

ああ、所々に鉄筋が露出している。


「ここも……化け物がいるのか……?」


ひとりで呟きながら進む。

水溜まりの上を避けて……。あ、そういえば靴。何故か履いている。

風呂場から落ちたから履いてないはずなんだけど……。ローファーか?


進んでいくうちにあるものを発見する。

あれは……部屋?


鉄の扉があり、その横には窓がある。

中の様子が分かるようになっており、中にはデスク、ロッカー、椅子が置いていた。


ロビー、だったか?さっきの部屋には何も無かったのに、こっちに落ちてから真っ直ぐ来ただけで部屋を見つけた。


扉の前へと着く。

鍵は―――――――空いている。


古い音を立てて扉が開く。

中に入ると窓から死角になっている位置にある人物が座っていた。


見覚えのある人物2だった。


「あ、お前らは……!」

「え!」

「あ。」


部屋の中に居たのは同じクラスの生徒、ユキノと、さっき俺を突き落とした張本人、ロストだった。


「君、やっと来たのか。」

「えっお前……?なんでここに……」

「あー、私は【backroom】のエンティティだ。各フロアに居る。記憶は共有されており、死ねば蘇る。まあ友好的だから安心してよ。」

「エンティティ……?」


ユキノが言う。


「ああ、エンティティ、そこの男、名前は……」

「あ……んー、ニコ」

「ニコが襲われたやつだな。様々な種類が存在している。」

「ふーん……って襲われたの!?」

「ま、まあな。ロストのおかげで生き延びたけど」

「そうだぞ。私がいなければ死んでたぞあの時。」

「間違ってないけどなんか腹立つ……。ってかユキノはどうやってここに?」

「私?私は家帰ろうとしたらコケた。んで気づいたらロビー?ってとこに居た。でまあロストに案内してもらってここまで来たよ。まだエンティティには会ってない」

「ふーん。……じゃあここの説明……、お願いできるか?ロスト」


外を見たロストが考えて言う。


「ん、了解。

ここはlevel1、【The Habitable Zoneハビタブルゾーン】、通称。」

「え!?じゃあここに入れば生きていける……?」

「まあ間違ってないね。時々部屋の中以外の電気が消える。

その時に外に出れば……、というエンティティに殺されるだろうね。」


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