青い食べ物達の策略

昼食の時間になり休憩室に入る。

私は朝一にポットで沸かしていたお湯をカップ麺に入れて一息ついた。

表記されている時間は3分だが少し伸びているくらいがちょうどいいので5分間待つ。

出来上がった麺をずるずると啜り、最後にはスープまで飲み干した。

いつも買うカレー味のカップ麺は当然いつも通りの味で、午前の仕事で気を張った私の心をよくほぐしてくれた。


食べ終わった後の残りの休憩時間はいつも寝て過ごしているが、なぜだか今日は目が冴えていて持っていたスマホでネットサーフィンを始めた。


明日は久しぶりの連休だ。

いつもなら1日の休みしかないため、家でのご飯はもっぱらインスタントやレトルトで済ませているがここ最近は流石にそれにも飽きがきており、久しぶりに手料理を作ろうと思い立った。


「作るとすればハンバーグか生姜焼きか…」

ひとりごとをを呟きながらスマホで料理のレシピをひたすら漁った。

どうせならガッツリとした肉料理が食べたいかな…

いや、ここ最近は栄養も充分に取れていないから野菜中心のメニューがいいか?

そんなことを考えながら検索しているとふと、あることが気になった。

古今東西色々な食べ物はあるが、青い食べ物というのはこの世に存在するのだろうか?


茄子などの紫色の野菜や多様な果物の鮮やかな色が頭に浮かんだが、お菓子などの着色料を使用したものを除くと自然由来の食べ物で青い野菜や果物というのは記憶にない。

昆虫や鳥の中には青いものは存在してはいるが、海外でもそういう色の生き物は食べものとしては認識されていないのだろうか。


そんなことを考えながら、青い生き物を画像検索で流し見していると、何故だかどうにも食べ物のことを考えるのが嫌になってきた自分がいるのに気づいてしまった。

それと同時に青い食べ物が何故あまり存在しないかなんとなくだが理解した。

おそらくだが、自然界の生き物達の大半も今の私と同じ考えを持つものが多くいるのだろう。きっとそれこそ青い食べ物達の策略の一つなのだろう。

そんなことを考えると、やはり人間も動物の一種なのだろうな…とただ思い耽りながら残りの時間を過ごした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る