第5話 これ……映画館デートじゃね?

 そして放課後……

「ねぇ! すーくん!! 今週の日曜日お暇?」


 帰りの準備をしている俺に風華が聞いてきた。


「ん? 日曜日……?」


 確か日曜日は、なにも予定は入ってなかったはずだ……


「あぁ、暇だが……ていうか特に予定は入ってないが……」


「やったー!! なら! 私と映画みよう!!」


 映画? 


「映画か? ……わかった……じゃあ行くか風華」


 俺は特に予定もなかったので風華の提案を了承した。


「やったー! じゃあ! すーくん! はい!!」


「……何してるんだ? お前……」


 すると風華は俺にスマホを差し出してきた。


「だから! OINEだよ!! 私たちまだ友達じゃなかったでしょ!!」


 あ……そういえば、まだ風華と連絡先交換してなかったな……


 ちなみにOINEとは、気軽にメッセージや、電話が出来る、とても便利なアプリである。


 俺は風華と連絡先を交換した。


「やったー! すーくんとお友達!!」


 そう風華ははしゃいでいた


「なぁ、そういえばよ……見に行く映画の内容って具体的にどうな感じなんだ?」


 俺は風華と見に行く映画の内容をなんとなく知りたくてそう聞いた。


「あ! それはね! 私の中学のお友達からね! この映画面白いよって勧められて!!」


 そう言って風華が見せてきてのは……「離れて近づく幼馴染」という映画のタイトルだった。

 そこには、お互い恥ずかしそうに左右いる向いている男女がいた。


 ……これは、幼馴染ものの映画か?


「とにかくすごい面白いらしいの!! だから行こう!! 一緒に!!」


「ああ……」


 とりあえず日曜日暇だし……行くか……

 てか、これ……映画館デートじゃね?

 


 ーーそして日曜日


「おはよう!! すーくん!!」

 

 風華は待ち合わせの駅の前にあるベンチに座って俺を待っていた。


「悪い……待たせたな……」


「ううん!! 全然待ってないよ!! それよりもこの近くの映画館でよかったの? すーくんのお家の近くにも映画館あったのに……」


「いや……この近くの映画館の方がわかりやすいかなって……だってほら、昔よく行ってただろ……俺とお前で……」


 それに……たとえ俺の近くの映画館にしたとしてあいつが無事にそこに辿り着けるか俺は心配だからな……


「すーくん!! それじゃあ! 行こうか!!」


「ああ……」


 こうして、俺と風華は、映画館に向けて歩き出す……歩いていると


「なぁ、あの女の子可愛くね!」


「うっわ! 美少女!! 横の男羨ましぃ」


 そんな声が聞こえてくる。

 やっぱりこいつは側から見れば可愛いのか?


「あ! すーくん!! 映画終わったらすーくんのお家行っていい?」


「うん……もちろん!!」


 風華が何年振りに俺の家に来るのか……お母さんとか結菜とか喜ぶんじゃないかな……


「でも、久しぶりだね! すーくんと映画なんて」


「あぁ! 昔はよくプリンマンとか、よく見に行ってたよな!!」


 ちなみにプリンマンとは子供に絶大な人気を誇る

物語である。

 そして、俺と風華がそう話をしていると……


「あ! 見えてきたよ!!」


 そんな事を思っていると風華がそう言った。

 風華の目線の先には映画館が入っているショッピングモールが見える。


 そして、俺たちは映画館に到着した。


「そういえば、すーくんはポップコーンとか買う?」


 風華は映画館に着くなり電光掲示板に書いてあるポップコーンめを引かれて俺にそう聞いてくる。


「じゃあ、キャラメル買おうかな」


 俺はいつも映画館でポップコーンを買う時はキャラメルポップコーンを買っている。


「じゃあ! 私スイートポテトにする!」


「スイートポテト? そんなのここにはない……あった!?」


 俺は看板に書いてある新発売スイートポテト味を発見した。


「ふふふ、すーくんもまだまだだね!!」


「……くっ! 負けた……!!」


 風華が嬉しそうにそう言ったので、俺も何となくそう言った。

 ……って、なにに負けたのかは、全くわからないのだ


 「さて、チケット買ったしそろそろ始まるから行こうかすーくん!!」


「ああ、そうだな」


 そうして俺と風華は、二人でシアターへと向かっていった。


 そして、俺たちは映画が終わりエンドロールへと移った。


 映画を見たところ……この作品は両思いの幼馴染のすれ違いをテーマにした作品のようだった。

 まぁ、何はともあれ最後二人が無事に結ばれてよかった……


「ぐず……ぐず……」


 エンドロールが終わりシアターの中の電気がつくと、俺は風華の方を見た。

 すると、風華は、泣いていた。


「よかったね……すーくん! 二人無事に結ばれて……」


 俺はそう涙をすすりつついう風華にポケットからハンカチを出して風華に差し出す。


「え?」


「これで……涙拭けよ……」


「ありがとう……すーくんは優しいね……」


 風華はハンカチで涙を拭き取り、俺と一緒にシアターを出た。


 映画館を出るとショッピングモールの出口に向かって歩き始めた。


「すーくんのお家楽しみ!!」


「ああ! きっと和奏も喜ぶと思うぞ!」


 風華がとても嬉しそうに俺に言ってくる。

 風華が俺の家に来るのは何年ぶりだろう……


 ーーこうして俺たちはゆっくりと俺の家に向かって向かった。

 

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