第3話 純度百パーセントのいちごミルク
あぁ……美味かった……
これこそ純度百パーセントのいちごミルク!!
あぁ……牛乳とイチゴが織りなすハーモニー!
俺は見えるぞ、武道会でいちごと牛乳が踊っているのが……あぁこれぞいちごミルク!!
俺はイチゴミルクを一気飲みして、いちごミルクの余韻にひたる
「そういえば! お兄ちゃん! 彼女でも出来たの?」
「……!?」
俺は急に妹にそんなことを言われていちごミルクの余韻など全部吹っ飛んだ
「なんで!? 急にどうした? 和奏よ……」
「これを見たんだよ!!」
そう言って妹は「相手を見るだけで相手がなにを思っているのかわかっちゃう史上最強の本!! これであなたも今日から勇者よ!!」
などという意味のわからない本を見せてきた
「おい和奏よ……その本はなんだ?」
「え? お兄ちゃん知らないの?」
「そんな本は知らん……」
「それでね! この本の主人公がヒロインたちにやっている手順を試してみたんだけど……当たった?」
「当たるわけないだろ……」
てか、なんだ? ヒロインと主人公……?
この本は、物語があるのか?
それに……逆に当たってたら怖いわ……
「そうだよね……お兄ちゃんに彼女になんてできるはずないもんね……まぁ、この本ラノベなんだけど……」
おい……シンプルに傷つく……
あと、ラノベ? ラノベの技を現実世界で使っても通用しないだろ……どう考えても……
「まぁ、お兄ちゃんいざとなったらわたしがもらってあげるから安心してね!!」
そう言ってこいつは、ウインクをしてきた
しかも、こいつ思ってもみないことを……
「そういえばな和奏!! 今日風華が転校してきたぞ!」
そう妹に今日、
まぁ、覚えてなくても無理はない……あんとき妹は本当に小さかったからな……
「ああ! 風華姉ちゃんでしょ! 本当!! お兄ちゃんの学校に」
「おい! 和奏よ……お前風華の事……覚えているのか……」
「当たり前じゃん! 風華姉ちゃんには昔いろいろ遊んでもらっていたからね!!」
何故、妹はすぐに風華がわかって俺はわからなかった……ごめんな、風華……
「今度ここにお家に連れてきてよ!! 久しぶりに風華姉ちゃんと遊びたいし!!」
「ああ……風華も来たいって言ってたぞ!! さっき」
俺と妹は、そう談笑を続けていた。
すると妹が……
「あ、そうだ!! ワタシからと言うことあった!!」
「なんだ言うことって?」
「ワタシ栃川高校に入学することに決めたよ!」
……栃川高校!? 俺の通っている学校じゃないか!?
「和奏よ……お前が俺と一緒の高校を選んでくれてありがとう……お兄ちゃん超絶嬉しいー!」
「は? お兄ちゃんキモ! ワタシがあの学校選んだのは! お兄ちゃんのためじゃなくて! 家から近いから! 勘違いしないで!」
うっわ! ひど……
てか、俺一度も妹に俺のためにこの学校を! ありがとう!! なんて言ってないよな!!
「それでワタシがあの学校に受かるためにうちでは今度家庭教師を雇うことになりました!! パチパチパチパチ!!」
……家庭教師? えらい本格的だな
妹はそう言って椅子に座りながら手をパチパチさせる。
「それは……よかったな……頑張って」
「それで! その家庭教師がとっても美少女だったの!! この前顔合わせした時にね! ワタシびっくりしちゃった!!」
「それは……何というかよかったな……その家庭教師の人は名前なんて言うんだ?」
俺は率直に家庭教師の名前が気になって妹にそう聞いた。
「え? 聞いてなかった……まぁ、今度初めてうち来た時にわかるよ!!」
「そうか……」
美少女……家庭教師か……
「ねぇ、お兄ちゃんもしかして美少女家庭教師がうちに教えにくるからってもしかしてラブコメ展開期待してしないよね?」
「ははは、なにを言ってるんだ! 和奏よ! そんなわけないだろ!!」
なぜわかった……和奏よ……こいつは勘が鋭い……てか、さっきの例のラノベのやつが本当にきいちゃったやつか……って、そんなわけあるかー!
俺は妹と話終わると自分の部屋の中に入った。
でもまさか妹が俺の学校を受験すると言い出すとはな……
ーー次の日、学校の朝のショートホームルームにて
「あと三週間かそこらでお前らのとても大好きな!! 中間テストが待ってるからな……みんなちゃんと勉強しとけよ!!!」
「はーい」
そう先生が告げると生徒たちが一斉にはーい! と言った。
といっても今は四月下旬……
そう考えたら今告知しなくても良くなーいかな!
そうは、思いませんかね先生
「やばいぜ! まだ俺何も勉強してないぜ!」
ショートホームルームが終わると隣に来た武蔵こと俺の幼馴染が俺の机に倒れ込んでそう言う。
「ん? どうした? 昴! なんかとんでも無くすごい顔してるぞ!」
武蔵が俺の顔を見てそう指摘するのもわからなくもない……だって俺は重大な事実に気づいてしまったのだから……
俺が半年前から楽しみにしていた新作ゲームの発売日が中間テストおよそ一週間前なのである。
ちょっと〜〜!! 空気読んでくれませんかね
そう思いたくもなるが……
どうしよう……俺は今……テストをとるか……ゲームをとるか二つの選択肢の究極の問題にぶち当たっているのだ。
「なぁ、お前ならどうする? もしどちらかを絶対に選ばなきゃ行けない究極の選択肢が現れたら……お前はゲームかテストどっちを取る?」
そう横にいる武蔵に質問を投げかけた。
「それはなぁ、もちろん……テストだろ」
この裏切り者がーー!!
「ふ、そうか……俺とお前は分かり合えると思ってたのに……」
「お前さっきからなに言ってんだ?」
俺は武蔵に真面目な顔で心配された。
ーーそして、お昼休み
「ねぇ! すーくん一緒に学食行かない?」
そう風華が俺を誘ってきたので俺は快くOKして、風華と一緒に学食に向かった。
その際成り行きで武蔵も一緒に学食を食べることに……
「なに、食べる風華……これメニューね!」
俺はとりあえず学食について、空いている先に風華と武蔵、俺を入れて三人で座ってメニューを風華に差し出した。
「うーん、どうしよう……」
風華は、迷っている様子だった。
そこで武蔵がこの学食ナンバー一の切り札をメニューを紹介する切り札をきる。
「姫野さん! これこの学校で一番人気のメニューだよ!!」
それは一般的にはゲテモノとやゆされて当然の見た目をしている料理だった……
料理名は、「ホワイトスペシャルトルネード」
まず、料理名どうなってんだ! って話だが……それは、置いとき……
この料理は見た目とは裏腹にとても美味しいのだ……ただし、この料理にはなんの食材が入ってるのか何の調味料が使われているのか全く検討がつかない……この料理の作り方を知っているのは……学食の達人料理シェフの
おい……よもや教頭何者だよ……おい……
「なんかこの料理汚いね!!」
……おい! 風華さーん! 思ってもそんなこと言っちゃダメよ! シェフの正義さんと校長先生悲しむから!!
「あはは、そう言われても仕方ない見た目してるよな! この料理!!」
おいちょっと! 武蔵さんデッカな声でそんなこと言わないの……
そして、俺は、カレーライスを
武蔵は、学校一人気のゲテモノ料理「ホワイトスペシャルトルネード」
風華と武蔵同様「ホワイトスペシャルトルネード」を注文した。
俺たちが料理を受け取って席に戻るって、食べ始めようとすると……奥に高崎さんと平さんが見えた。
どうやら席を探しているらしい……今はちょうど学食ピークのゴールデンタイム人が続々とやって来て、いつのまにか席はございません状態になっていた。
「おーい! 穂乃果!! 真由美!! 席ないんだろ!! こっちこいよ!!」
すると、武蔵が高崎さんと平さんをこちら側の席へと呼び寄せる。
あれ? これって、もしかして俺……高崎さんと一緒の席でご飯食べることになるパターン?
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