第58話 セカンド 【♡♡♡有】
もう既に杏樹さんとはエッチなことは経験済みだし、遠慮することは何もない。なのにどうして、こんなに緊迫した空気が漂うのだろう?
見つめ合うだけで、肌が触れるだけで心臓が飛び出そうになる。
「絋さん、あの……! 待って私、お風呂に入りたいです」
露わになった肌ではなく、顔を隠しながらお願いする様子に、むしろ興奮を覚えてしまった。
風呂は構わないけれど、この大きくなったモノを、どうしろと言うのだろう?
困惑の表情をした彼女の首筋に唇を当てて、強めに吸い付いた。ビクっと波打つ身体、そして甘い艶声が漏れる。
「んン、痛ィ……もしかして噛みました?」
「噛んでもいいん? 杏樹さんが他の人に裸を見せられないくらい、俺の痕を残したいんだけど」
この真っ白で綺麗な身体を、全部染めたい。もっと隅々まで知って、杏樹さんよりも杏樹さんの身体を知り尽くして、俺なしじゃ生きていけないくらいに快感を教え込みたい。
カチャカチャとベルトを外して、熱く硬くなったことを彼女に伝える。困惑の顔色が更に深まり、焦る反応を楽しみつつ、俺は煽る言葉を続けた。
「杏樹さんの気持ちよさを知っちゃったからさ、到底我慢できる状態じゃないんだよね」
「そんな言い方……ズルい、絋さん」
「杏樹さんはどうなん? 俺とこうしてることで……」
スカートでギリギリ隠れていた部分に指を這わせて、薄い布に沿って動かす。指を進めるたびに甘い声が吐息に混じって溢れ出した。
「んっ、んン……っ、だめ、それ以上は」
「唇を開いて? 舌、入れていい?」
唇を重ね、ゆっくりと舌を入れて、掻き回す。
杏樹さんの柔らかい感触を、じっくりと味わうように動かし続けた。熱くて蕩けそうだ。そんな二人の間に響くクチュクチュと淫美な音が、更に興奮を掻き立てる。熱った表情で艶やかな唇を開いて、俺の名前を溢した。
「絋さ……ンっ、待って、それ以上はおかしくなりそう……!」
「ここには俺と杏樹さんしかいないんだから、おかしくなってもいいよ? むしろそんな杏樹さんがみたい」
今度は激しめに動かして、より一層彼女の反応を愉しんだ。ギュッと抱きつく腕。爪が肌に食い込むが、それすらも快感に変わる。
「い、意地悪……っ、私ばかり、ダメェ、んン、ンッ!」
一度、リミッターを振り切ってしまうと、もう歯止めなんて無意味なんだって思い知らされる。気付けば俺は、貪るように彼女を求めて抱き締めていた。
———……★
「………やっばー。杏樹さん、起きてる?」
「あ……う、何とか」
文字通り、精魂尽きるまで求め合い、そして力尽きた。しばらくは動きたくない。動けない。
俺の腕を枕にして寝ていた杏樹さんは、穏やかな笑みを浮かべながら口を開いた。
「セックスって、シチュエーションやその時のコンディションで、かなり変わるんですね。この前とは全然違ってビックリしました」
「あー……ごめん。今日は俺の独りよがりになったかもしんない。腰、痛くねぇ?」
「お腹の奥がちょっと。痛いっていうか、違和感があるような」
——激しくし過ぎた。
いや、杏樹さんが可愛過ぎたのがいけないんだ。
とはいえ、疲れ果ててぐったりしている姿にもそそられる。あぁ、杏樹さんなら何でも可愛く見えるから困る。
「絋さん、このまま泊まっていくんですか? それとも家に帰ります?」
「あー、杏樹さんは明日学校だっけ? それなら帰った方がいいよな」
名残惜しい気持ちでいっぱいだが、やむえない。できることなら学業に支障をもたらせたくない。
だが、一緒にいたいと思っていたのは俺だけではなかったようで、うつ伏せに眠っていた彼女が身体を起こして覆い被さるように抱きついてきた。毛布の中で生肌が密着する。散々果てたにも関わらず、底なしの意欲を見せる我がムスコに呆れてしまう。
「学校にはちゃんと行くから、少しでも長く一緒にいたいです」
「い、いや、家に帰っても一緒にいれるし」
「二人きりじゃないから……。皆、シユウさんのペースに巻き込まれて、全然雰囲気が違うし」
杏樹さんの言い分も分からないでもなかった。俺達だけでなく崇や千華さんにも影響は及んでいるに違いない。そもそもあの二人はいつイチャイチャしているのだろうか? コツがあるのなら聞きたいくらいだ。
「私はもっと絋さんと甘い時間を過ごしたいです……。だめ?」
「ダメじゃないけどさ……」
すると毛布の中でモゾモゾと動いていた杏樹さんが、俺の頬を挟んで顔を近付けてきた。鼻の頭を擦り付けて、そのまま
「皆がいるところじゃ、こんなこと出来ないもん……」
上も下も際どい接触を図って、コイツ……!
「さっきまであんなにシたのに、まだ足りないん?」
「スるシないは別として、私はずっと絋さんに触れていたいです。絋さんは違うんですか?」
ズルいな、そんな聞き方。
俺の状態を分かった上で言っているとしたら、とんだ小悪魔だぞ、杏樹さん。
こんなに密着されたら触りたくなるし、気持ちよさそうによがらせたくなる。
指先を胸の隙間に埋めて、そのまま弄る。
クニュっという感触と共に彼女の顔が快楽で歪んだ。
「んっ、んン……っ!」
「そんな可愛いことを言われたら我慢できなくなるから。杏樹さんがヤメてって言っても止められなくなるけどいいん?」
彼女は真っ赤になった顔を軽く隠していたけれど、小さく腰を浮かせてそのまま沈めてきた。
クイクイと動かす腰に、俺の方が限界を超えそうだ。
「私の全部、隅から隅まで絋さんに染めて欲しいです」
そこまで言わせておいて無しとは言えず、結局俺達はお泊まりコースで戯れ合うこととなった。
———……★
「あぁ、これもうヤバいかもな……(苦笑)」
そろそろカクヨムの限界を感じていますw
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