第57話 普通に嫉妬してしまいました 【♡♡有】
絋side……★
千華さんと一緒に日用品の買い出しから戻ってきた時、彼女である杏樹さんが襲われる光景を見て、ただ呆然としてしまった。
ボタンが外され前方がはだけた制服。そしてズラされて露わになった双丘を見て、何とも言えない感情が芽生えた。
(いくら同性とはいえ、超えてはいけない一線ってものがあるだろう⁉︎)
え、もしかして杏樹さんとシユウは、そういう関係だったのか? いや、杏樹さんに限ってそれはないだろう。うん、絶対にありえない。
「……ありえないっていうのは分かっているんだけど、それとこれは別問題なんだろうな」
「べ、別問題って何がですか?」
「そりゃー、嫉妬? 俺の
いや、この場合許せないと言うよりも羨ましいと言うべきなのだろうか?
このままでは歯止めが効かなくなりそうだったので、杏樹さんを連れて家を飛び出していたのだが、ノープランで制服の彼女を連れ出して、自分でも早まったなと悔やんだ。
「一体、どんな状況になったら、あんなことになるん?」
一方的にシユウが杏樹さんを襲っただろうとは思いつつ、抵抗しなかったのかとか、色々とモヤモヤが思考を支配していく。
「まさか女の人に襲われるなんて思っていなかったから、私もビックリしました。もしあのタイミングで絋さん達が戻ってきてくれなかったらどうなっていたか」
シユウに襲われている杏樹さんを想像して、不謹慎にもエロスイッチが入ってしまった。嫌なはずなのに、絶対に許せないはずなのに……! イヤイヤながらも乱れる彼女は艶やかに違いなかった。
俺は羽織っていたアウターを彼女に渡して、そのままタクシーを拾って乗り込んだ。
「絋さん……? どこに行くんですか?」
「——ラブホ」
「ラブ……⁉︎」
同じ空間に運転手がいることを思い出した彼女は、慌てて口元を隠して声を押さえていたが、行き先を伝えた時点で手遅れだ。
繋いでいた手に汗が滲む。俺も杏樹さんも黙り込んで、でもむず痒い気持ちを抑えきれずに指を絡めて、相手の反応を楽しんでいた。
「念の為に前を締めておいて。制服で入れる場所じゃないし」
「ふ、服を買いますか? そうしたら大丈夫かな?」
「——いや、よく考えたら高校生が行ったら補導される可能性が高いよな。やっぱり普通のホテルに行こうか? 杏樹さんも大事な時期だし」
大事な時期ならホテルに行くのは自重しろと言われそうだが、そこは大目に見てほしい。
それでも杏樹さんの顔は紅潮したままで、ずっと下唇を噛み締めていた。
そりゃそうだろう。場所が変わったところですることに変わりはないのだから。
「……この前みたいな高級ホテルじゃないけど、いい?」
「は、はい! 大丈夫です! その、私は……絋さんと一緒だったら、どこでも」
場所じゃない、誰と一緒に何をするかが大事だということだろうか?
可愛い、もう杏樹さんが可愛くて仕方ない。
「そんな可愛いことを言っても、俺以外の奴に抱かれたこと許してやんないから。今日は優しくできないと思うけど覚悟しててな?」
「え、私……絋さんにお仕置きされるんですか?」
お……⁉︎
まさかのパワーワードに俺の方が吹き出しそうになった。普通は思っていても口に出さないものなのに、この天然少女は油断ならない!
「ま、まぁ、そういうことになんのかな?」
俺のアホー! 大して性の経験や知識があるわけでもないくせに、なんてバカな約束をしてしまったんだ!
しかも杏樹さんも杏樹さんだ! 何でほんのり嬉しそうに口元を緩めたんだ? Mっ気があるのか? いや、確かにそんな素振りは何度か垣間見えていたのだが……!
こうして俺達は、気まずい空気のままビジネスホテルへと入っていった。
———……★
「一応、千華さんに泊ってくると伝えました。それとシユウさんは千華さんからお叱りを受けたそうなので、安心してくださいって」
「そうなんだ、ありがとう」
部屋に入ってからと言うものの、若干のインターバルを得てしまった俺達は、どうしようかと相手の出方を待つ一方だった。
身体はいつでもスタンバイOKなのに、歯痒い……。初めてでもないくせに、何を躊躇っているのだろうか、俺は。
「あのさ、確認だけど、シユウには何をされたん?」
「何って……?」
「さっき、押し倒されていた時。ただ服を脱がされただけ?」
先程のことを思い出してか、それとも俺に根掘り葉掘り聞かれたことが恥ずかしかったのか、彼女は顔を真っ赤にして俯きながら頷いていた。
「シユウさんが下着もつけずにラフな格好でウロウロしていたから、それを注意したら逆に胸を見たいって言われて。抱きつかれた反動で、押し倒されて」
「こんなふうに?」
そのまま距離を詰めたかと思ったら、手首を掴んで強引にベッドに押し倒した。
驚いて目開いた瞳が真っ直ぐに俺を見つめる。だが指を止めない、そのままボタンを外して、純白の下着を露わにした。
「手首を掴まえていたら、下着をズラせないですよ?」
「んじゃ、口でズラそうかな」
谷間に顔を埋めて、そのまま下着と肌の間に舌を添えて、ゆっくりと頂きへと顔を移していった。
柔肌の中央にある、ポツンと一つだけ硬くなった蕾を口に含んで舌で転がした。
「んンンッ!」
ビクビクと震える彼女の身体を抑えながら、どんどんと着衣を脱がせていった。
明らかに事実よりも過激なことをしているけれど、もうどうでもいいのだ。
杏樹さんは俺の彼女なんだって、皆に言ってまわりたい。絶対に誰にも渡したくない——……。
———……★
「……後半へ続く!」
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