3.後輩メイドの膝枕で歯磨き(強制)

//リラックスした感じで

「やー、ピザ、美味しかったですね」


「夜に食べるピザも好きですが、お昼のピザは背徳の味がします」


「それに何より、宅配というのが便利で最高です」


//不思議そうに

「……およ、先輩。ようやく意識がハッキリしてきましたか?」


「ほらー、みずきちゃんのかわいいお顔ですよー。あ、手ではねのけないでください。もう。いけずですね」


//少し不安そうに

「にしても先程まで生返事でしたし……というか、自分が何をどうしてたかわかってなかったみたいですし・寝起き、本当に弱いんですね」


//少しご機嫌に

「ですが、意識もはっきりしてきましたし、これも私のおかげですね。甲斐甲斐しく世話を焼く後輩に感謝してください」


(先輩、何をしたのか困惑して問う)


//悪気なく

「あー、何をしたのかって……何も変なことはしてないですよ。はい。ただ、お昼寝から起きてもまだぼんやりしている先輩の口に、出前でとったピザとコーラを詰め込んでいただけですし」


//はっとしたように

「あ、でもぼんやりしてる状態で、美味しいものを食べさせるのは確かに悪いですね……」


//しょんぼりと

「ごめんなさい、先輩」


「……」


//きびきびと

「はいっ、それでは謝ったことで、この話はいいですね? いいと顔に書いてあります」


「では、先輩がまともに会話できるようになったので、本題に入りましょう」


「そう、私を先輩の家に置いていただくことについてです」


(先輩、もう好きにしてくれと投げやりにいう)


「……え。好きにしていい? いえいえ、それは駄目でしょう。親しき仲にも礼儀あり、とも言いますし」


//わざとらしく、あらかじめ考えてきた言葉を述べるように

「こちらも間借りする以上、何か誠意を示さなければなりません」


「なので今日一日……もう半日過ぎてますが、なります、私、メイドに」


「本職のようにはできないですし、そうですね……いわばメイドごっこ、とでも言うべきでしょうか。私のメイドごっこで、部屋にいていいと先輩に証明してみせます」


//揶揄うように

「……そう露骨に面倒そうな顔をして見せないでくださいよ。ほんとは嬉しいくせに、うりうり」


「ちなみに先輩に拒否権はありません。どのみち疲れてるんですから、今日一日、私にもてなされてください。や、先輩の家ですけども」


「はいということで、早速その場に倒れてください」


「……何を不思議そうな顔をしているんですか? ほら、はやく。ご飯を食べた後は、歯磨きでしょう? 私、してあげますから。メイドですし」


「……メイドは主人の歯磨きをしない? 余所は余所、うちはうち、です。ほら、はーやーく」


//間を置かずに

「……や、よく見たらこのお部屋、クッションの一つもありませんね。もう、仕方ない先輩ですねぇ」


//SE 座る音

//声、下から

「ほら、膝枕、してあげますから」


//SE 膝をぽんぽんと叩く音


(先輩、促されるまま膝枕)


//SE 膝枕される音


「よし。では、これより先輩の歯磨きを開始します。しゅぱっ。歯ブラシ、準備おーけーです」


//SE 歯ブラシを取り出す音


「む、どこから歯ブラシを取り出したか、ですか? メイドのポケットには、なんでも入っているのです」


「……にしても、先輩、先輩と言ってしまっていますが、ご主人様とでもお呼びした方がよいのでしょうか。口調も、こう、丁寧に……おほん。ご主人様、お加減はいかがですかー?」


//独り言のように

「……何か使い方違う気がする。まあいっか」


//間を置かずに

「ほら、ご主人様。口、もうちょっと大きく開けてください」


//

「……よし、磨きやすい感じですね。ご協力ありがとうございます。では、早速」


//SE 歯磨きの音、ゆっくり(外側)開始


「しゃこしゃこ、しゃこしゃこ、と」


「意外と神経、使いますね。人にするの、初めてなので思ったより難しいです」


「……ですがこの頭脳明晰容姿端麗な後輩兼メイドの私、早くもコツを掴んできましたよ」


//SE 歯磨きの音、早めで小刻みに変化(外側)


//少し無言、歯磨き音のみ


「ふふ、上手いでしょう。そうでしょう。これがメイドパワーです」


//少し無言、歯磨き音のみ


「では、奥の方もしましょうか。まずは、右側から」


//SE 歯磨きの音(右奥)


「それにしても、普段あまりしっかりと磨いてませんね?」


「忙しいのは分かりますけど、ちゃんとしないとですよ。こういった歯と歯の間とか、歯ぐきの間とかも、しっかり磨かないと駄目なんですから」


「歯は新しく生え替わったりしないんですから、大事にしなきゃですよー。歯がボロボロのおじいちゃんになった先輩、私もいやですし」


//少し無言、歯磨き音のみ

//SE 歯磨きの音、一度停止


「……ふふ、ふふふ。先輩。泡吹いてるみたいでなんだかカニみたい」


「一度口、ゆすいでくださいな。はい、お水です」


//水を出す音


「では次に反対側、やっていきますからねー」


//SE 歯磨きの音(左奥)開始


//少し間を置いて

「上側も、やっぱり磨き残し。まあでも、一人で隅々までやるのも難しいですよね」


//わざとらしく

「いやあ、これはもう、他に見てあげる人がいないと駄目ですよね」


「では、最後に内側のほう、ざっとやっていきますね。流石に見えないので、ざっとで」


//SE 歯磨きの音(内側から)


「しゃこしゃこしゃこ、しゃこしゃこしゃこーっと」


//SE 歯磨きの音、終了


「よし、歯磨き完了。いい仕事しました。ほら、身体挙げて、口ゆすいできてください」


(先輩、口をゆすぐ)


「……してきましたね。じゃああーん、してくださいな。磨き残しがないか、チェックするので」


「ほら、あーん……うん、我ながら完璧です」


「先輩も、長い間じっとできて偉いですねー。よしよーし」


//SE 頭を撫でる音


(突っ込む気力もなく、無言で撫でられる先輩)


「ふー。それでは、この後は……あ、そうだ。久しぶりにゲームしましょうよ。スマッシュファイターズ。前にやったときは、私が負け越してた気がしますし」


//少し間を置いて

「……むむむ、メイドはご主人とゲームしない、といいたげな顔ですね」


「ですが私はアットホームで柔軟なメイドですので、堅苦しいことは言いっこなし、ですよ。それにせっかくのお休みですし、人生、楽しんだもの勝ちなんですよ、ご主人様」

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