人魚の夢
透き通った海の底に人魚がいました。
「あなたの夢はなに?」
「この窮屈な世界から抜け出してみたいわ。そのために陸へ行く準備をしてるのよ。」
「そう。」
***
ある日、山の奥で小屋を組み立てている人魚さんに会いました。
「なぜこんなところで小屋を組み立てているの?」
「……ここで生活するためよ。」
「窮屈な世界から抜け出すのが夢じゃなかったの?」
「私は広い世界に出れたわ。陸の楽しさも、海の温かさも分かった。でもね、みんなは片方の世界しか知らないの。それが凄く寂しかった。だから、ここで1人で暮らすの。」
「……あなたはそれでいいの?」
「……みんなと一緒に広い世界を歩いてみたかった。陸と海の架け橋になりたかった。でも、もう心が折れてしまったの。」
「……そう。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます