第7話

 翌週土曜日。


 ライリーとコラボ配信を行う日だ。

 今回はオンラインで行うことにした。


 ライリーから英語を教えてもらうというテーマでやることになっている。


 この配信が軒並み好評で、お互いの視聴者に需要があったようだ。

 第二弾をやってほしいという意見が多く、その場で次の日程を発表し、配信を終えた。


 配信を止め、そのまま話す。


「ありがとうございました。

 とても勉強になりました。」


「こちらこそありがとう。

 かなり英語上手だね~。」


 あなたの配信を聞き取りたくて必死こいて勉強しましたから・・・!

 推しに褒められた興奮をギリギリのところで隠しながら、会話を続ける。


「ありがとうございます。」


「この前、如月先輩とコラボ配信してたね。

 見たよ。」


「見ていただけてたんですか!」


「オフだったよね?

 どこでやったの?

 事務所とか?」


「いえ、

 如月さんのご自宅です。」


「ええっ!?

 大丈夫なの!?」


 焦ったような口調に急変したので、こちらも驚く。

 大丈夫とはどういうことだろう。


「は、い?

 大丈夫ですよ。」


「そっか。」


 納得がいっていないような口ぶり。

 やっぱり、家にいくのは良くなかったかな。

 でも、如月さんとコラボできる機会を逃すわけにもいかなかったし・・・。


 そんなことを考えている場合じゃない。

 せっかく約束通りコラボしていただけるまでの仲になったんだ。

 次に繋げたい!


「あの、今度オフで遊んだりとかできないでしょうか・・・。

 如月さんとはオフでコラボしてるので会えてるんですど、ライリーさんとは会えないから・・・。」


 などと、言い訳をする。


「もちろん!

 なんでも付き合うよ!」


 ライリーの口調は、さっきとは打って変わって明るい感情がこもった。

 続けて、感情を口にする。

「なんか、仲良くなれて嬉しいな。」


「私の方が嬉しいですよ。」


 さすがに私の方が嬉しいと思う。


「いや多分俺の方が嬉しいよ。

 言っとくけど、結構冴ちゃん古参ファンだからね?」


「じゃあ言いますけど、私はライリーさんが好きすぎて動画配信始めました。

 あとさっきは言わなかったですけど、英語の勉強もライリーさんの配信を聞き取りたくてしてます。

 本人から教えてもらえるなんて、もはや意味が分からないです。」


「なっ・・・!」


 照れているのか、次の言葉が出ないようだ。


「ライリーさんに人生変えられました。」


 追撃で大好きであることを証明できて満足だ。

 つい満足げな表情をしてしまう。

 バーチャルキャラの表情に出てしまっているだろうか。


「俺きっかけだったんだ。

 お互いすごい好きなんだね。」


「まさか会えるなんて思ってなかったですけど、配信始めてよかったです。」


 終始、和やかな雰囲気で終わった。

 お互い等身大で配信している為、お互いのことを知り尽くしている感じだった。



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