第47話「隠された弱点を探して」

戦いは依然として激しさを増していたが、漆黒の鎧の防御は崩れることなく、最強集団は次第に疲労を感じ始めていた。それでも彼らは諦めず、何とか勝機を見出そうとしていた。


「このまま力押しではダメだ…何か違う方法を考えないと…」

カヨが額に汗を浮かべながら言った。


「そうだな…力だけじゃ勝てない。敵の動きには何か規則性があるはずだ」

レオンが冷静に敵の動きを観察し始めた。


アイリスは風を操り続けながら、焦りの色を隠せなかった。

「どこかに弱点があるはず…それがわかれば…!」


リリアは矢を番えながら、敵の継ぎ目を再び狙った。

「継ぎ目が弱点じゃないなら、他にどこを狙えば…」


広瀬が敵の動きをじっと見つめながら、冷静に分析を始めた。

「みんな、待ってください…この敵、動きが少し遅くなる瞬間があるような気がします」


「遅くなる瞬間…?それが弱点ってことか?」

レオンが広瀬の言葉に反応し、さらに集中して敵の動きを見極めた。


「そうかもしれない。何かを守るようにして動いている…でも、その時だけ動きが鈍る」

広瀬が敵の動きを指差しながら説明する。


カヨもその言葉を聞き、剣を構え直した。

「その瞬間を狙って、全力で攻めるわよ!そこが弱点なら、一気に畳みかける!」


「了解、カヨさん!次のチャンスが来たら、私が先に動く!」

広瀬が盾を構え、敵に向かって前進した。


「私もサポートするわ!この風で動きを封じる!」

アイリスが風の力を強め、敵の動きをさらに鈍らせようとした。


リリアが狙いを定め、息を整えた。

「次の一撃で決める…この矢で!」


レオンも剣を握り直し、カヨと広瀬に続いて前線に立った。

「この瞬間に全てをかけるぞ!」


全員が息を合わせ、広瀬の見つけた敵の動きが鈍る瞬間を狙って攻撃の準備を整えた。そして、その瞬間が訪れた。


「今だ!」

カヨが叫び、全員が一斉に攻撃を仕掛けた。


リリアの矢が再び継ぎ目を狙い、アイリスの風が敵の動きを封じる。レオンとカヨが剣を振り下ろし、広瀬がその攻撃をサポートするために盾で敵の反撃を防いだ。


一瞬、漆黒の鎧が動きを止めたかに見えた。


「これで…!」

カヨが最後の力を振り絞って剣を振り下ろしたが、敵はその攻撃を受け止め、再び強烈な反撃を仕掛けてきた。


「まだ足りない…でも、もう少しだ!」

広瀬が歯を食いしばりながら、仲間たちを鼓舞した。


「次のチャンスが来たら…もう一度!」

カヨが剣を握り直し、全員に声をかけた。


戦いは再び激しさを増し、勝負の行方は依然として見えないままだった。だが、全員が確信していた。次の一撃で、必ず決着をつけることができると。

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