第7話 選考結果

「ふぁ~、おはようございます~」


 次の日、そのまま出勤すると、


「どうした? 朝帰りか?」


 スタッフに、つっこまれる。


「うーん、内緒で」


 あんなことこんなことしてたなんて言えない。

 ましてや、絶対アイドルとなんて。


「まぁイイけど。例の件、松原ななこでいくってよ」


 朝イチで、残念な報告を聞く。


「えー。まぁ仕方ないか」


 変なウワサで、除外されちゃったのかも。


「プロデューサーさ~ん、おはようございます」


 グミちゃんに、会いに行く。


「あぁ、おはよう。例の件、他の人に決まってしまったみたいで」


 申し訳ないな。


「そうですか………それじゃあ、オンエアを二人きりで見ましょう」


 そう、グミちゃんが誘うので、


「あぁ、うん。そうだね」


 また、ホテルを予約する。


「今日の21時か」


 当日、タクシーでホテルに着き、


「プロデューサーさ~ん」


 カギを、フロントで受け取って、エレベーターに向かうと、グミちゃんがいる。


「おう、行こうか」


「は~い」


「へぇ~、これ戦隊ものだね」


 テレビをつけて、放送を見る。


「関節を、はずすなんて。ワタシもやれるかな」


 両腕を上げて、妙な動きをするグミちゃん。


「やめときなさい」


 普通の人間に、出来るわけない。


『私は、醜いこぶたよ! アアン、硬いのが入ってくる。クネクネ』


 真剣に、画面を見る。


「やっぱり、面白いね。出たかったわ」


 そう、グミちゃんが言う。


「そ………そうかしら」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

グミちゃん315ちゃい なばば☆ @bananabanana1E

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ