82





「ウチもねっ。アオアオのこと⋯⋯大好きっ!」



とか言いつつムギちゃんが首に抱きついてくる。柔らかい感触といい匂い⋯⋯!



「んー⋯⋯すんっ、すんっ⋯⋯はぁ、アオアオのにおい⋯⋯ちゅきっ⋯⋯」



顔を首元に押し付け何やら匂いを嗅がれている。うっ、くすぐったい⋯⋯。大丈夫?汗臭くない?



「アタシも流のこと⋯⋯好きだよ」



とか言いつつハナちゃんは俺の指に自分の指を絡めつつ、さらに空いてる方の手で太ももをさすりさすり⋯⋯。


くっ、卑しい手つき⋯⋯!これはちょっと前屈みになってしまう⋯⋯!『呼んだかの?』落ち着けアッーちゃん!まだ早い!出番はもうちょっと先だから!



「ふふっ⋯⋯勿論、こっちの流も好きだよ」



制服の上から下半身を撫でるハナちゃん⋯⋯スケベかな?



「テンション上がって来ちゃったねぇ、アオアオぉー?」


「お、おう⋯⋯」


「ふぅーー⋯⋯」


「オッ⋯⋯!」



まるで挑発するようにムギちゃんが耳にアツイ吐息を吹きかけてくる。こ、これはちょっと⋯⋯ゾクゾクしちゃう⋯⋯。



「流の”ここ”ーーホントカッコイイよね。アタシら2人がかりでも余裕で相手してくれるし」


「ホントそれ。逆にウチらがヤラれちゃうしね」


「えっと⋯⋯それは、まあ。鍛えてるので⋯⋯」


「鍛えてんの?どんな風に?」


「そ、それは、あの⋯⋯いろいろ?」



流石に幼なじみ達とのアレやコレやを解説するのははばかられる。イメトレから実践まで幅広く鍛えてーー鍛えられております。



「ふーん」


「あっ、それならさぁ。アオアオにウチらも鍛えて貰いたいなっ!」


「ひょ⋯⋯?」


「それいいかも。鍛えてるーートレーニングしてんでしょ?そのトレーニングでなにしてんのかアタシらにも教えてよ」


「んんんっ⋯⋯。あ、あの、そのトレーニングは男子限定というか、なんといいますか⋯⋯」


「そうなの?ウチらには出来ないこと?」


「まあ⋯⋯そう、かな?」


「でもほら。アタシらでも出来ることあるかも知んないし。とりあえず何してるか教えて?」


「うっ⋯⋯」



そう言われますと⋯⋯。


うーむ⋯⋯なんか変な流れになってない?これ、だいじょうぶ?だいじょうぶなの?



「えっと⋯⋯腕立て、腹筋、背筋、スクワットに⋯⋯ベロ相撲とかデュエルとかライディングデュエルとか」


「んー⋯⋯それならウチらにも出来るくない?」


「他には?」


「あとは⋯⋯ーー」




⋯⋯⋯⋯。



⋯⋯⋯⋯。



⋯⋯⋯⋯。




「ーー⋯⋯とか?」


「確かにそれはウチらじゃ真似出来ない⋯⋯かも?」


「⋯⋯ヤろうと思えば出来んじゃない?」


「⋯⋯んんん?」


「例えばあれはこれでこれとこれはあるからあれがそれであーなってこうなってこうすれば同じような事が出来んじゃない」


「確かに!」


「え、ええっ⋯⋯」



なんやかんやとありつつムギちゃんハナちゃんと俺がしているようなトレーニング(意味深)的なものをヤル流れとなっていった。


俺は⋯⋯多分、大丈夫だとは思うが、他の人があのトレーニングをやって無事でいられるのか⋯⋯!


肉体的な面もともかく主に精神的な面を心配してしまうところである。



「んじゃ!アオアオはコーチだね!よろー!」


「流コーチね。うん。よろしく」



祝!アオくんコーチに就任しました!


これはビシビシ指導(意味深)していく感じで?


なんかオラちょっと楽しくなってきたぞ!



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る