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「ウチもねっ。アオアオのこと⋯⋯大好きっ!」
とか言いつつムギちゃんが首に抱きついてくる。柔らかい感触といい匂い⋯⋯!
「んー⋯⋯すんっ、すんっ⋯⋯はぁ、アオアオのにおい⋯⋯ちゅきっ⋯⋯」
顔を首元に押し付け何やら匂いを嗅がれている。うっ、くすぐったい⋯⋯。大丈夫?汗臭くない?
「アタシも流のこと⋯⋯好きだよ」
とか言いつつハナちゃんは俺の指に自分の指を絡めつつ、さらに空いてる方の手で太ももをさすりさすり⋯⋯。
くっ、卑しい手つき⋯⋯!これはちょっと前屈みになってしまう⋯⋯!『呼んだかの?』落ち着けアッーちゃん!まだ早い!出番はもうちょっと先だから!
「ふふっ⋯⋯勿論、こっちの流も好きだよ」
制服の上から下半身を撫でるハナちゃん⋯⋯スケベかな?
「テンション上がって来ちゃったねぇ、アオアオぉー?」
「お、おう⋯⋯」
「ふぅーー⋯⋯」
「オッ⋯⋯!」
まるで挑発するようにムギちゃんが耳にアツイ吐息を吹きかけてくる。こ、これはちょっと⋯⋯ゾクゾクしちゃう⋯⋯。
「流の”ここ”ーーホントカッコイイよね。アタシら2人がかりでも余裕で相手してくれるし」
「ホントそれ。逆にウチらがヤラれちゃうしね」
「えっと⋯⋯それは、まあ。鍛えてるので⋯⋯」
「鍛えてんの?どんな風に?」
「そ、それは、あの⋯⋯いろいろ?」
流石に幼なじみ達とのアレやコレやを解説するのははばかられる。イメトレから実践まで幅広く鍛えてーー鍛えられております。
「ふーん」
「あっ、それならさぁ。アオアオにウチらも鍛えて貰いたいなっ!」
「ひょ⋯⋯?」
「それいいかも。鍛えてるーートレーニングしてんでしょ?そのトレーニングでなにしてんのかアタシらにも教えてよ」
「んんんっ⋯⋯。あ、あの、そのトレーニングは男子限定というか、なんといいますか⋯⋯」
「そうなの?ウチらには出来ないこと?」
「まあ⋯⋯そう、かな?」
「でもほら。アタシらでも出来ることあるかも知んないし。とりあえず何してるか教えて?」
「うっ⋯⋯」
そう言われますと⋯⋯。
うーむ⋯⋯なんか変な流れになってない?これ、だいじょうぶ?だいじょうぶなの?
「えっと⋯⋯腕立て、腹筋、背筋、スクワットに⋯⋯ベロ相撲とかデュエルとかライディングデュエルとか」
「んー⋯⋯それならウチらにも出来るくない?」
「他には?」
「あとは⋯⋯ーー」
⋯⋯⋯⋯。
⋯⋯⋯⋯。
⋯⋯⋯⋯。
「ーー⋯⋯とか?」
「確かにそれはウチらじゃ真似出来ない⋯⋯かも?」
「⋯⋯ヤろうと思えば出来んじゃない?」
「⋯⋯んんん?」
「例えばあれはこれでこれとこれはあるからあれがそれであーなってこうなってこうすれば同じような事が出来んじゃない」
「確かに!」
「え、ええっ⋯⋯」
なんやかんやとありつつムギちゃんハナちゃんと俺がしているようなトレーニング(意味深)的なものをヤル流れとなっていった。
俺は⋯⋯多分、大丈夫だとは思うが、他の人があのトレーニングをやって無事でいられるのか⋯⋯!
肉体的な面もともかく主に精神的な面を心配してしまうところである。
「んじゃ!アオアオはコーチだね!よろー!」
「流コーチね。うん。よろしく」
祝!アオくんコーチに就任しました!
これはビシビシ指導(意味深)していく感じで?
なんかオラちょっと楽しくなってきたぞ!
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