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とある日。
「ねえ。アオアオー!」
「今日、放課後。時間ある?」
そんな感じに俺に声をかけて来たのはクラスメイトでお友達の百合ップルギャルズのムギちゃんハナちゃんである。
相も変わらず仲睦まじい様子のギャル2人。ハナちゃんの腕はムギちゃんの腰に回されていてガッチリロックされているし、ムギちゃんもムギちゃんでピッタリとハナちゃんに寄り添っていた。うむうむ。仲良きことは美しきかな。
「ウチとハナとアオアオの3人で遊ぼっ!ねっ、いいでしょ?」
「いいよー!」
ムギちゃんの提案を二つ返事で承認。
3人で遊ぶのか。何するのかな?カードゲームかな?だったら俺のアッーちゃんが火を吹くんだぜ!
『我の出番か?やってやるのじゃ!』
これは心の中のアッーちゃんもやる気満々である。なんだかんだでいつも元気。
「んじゃ、ホテル行こっか」
これはナニかぁ。いうてカードゲームだね。これはやっぱりアッーちゃんが火を吹きそう。
『我の出番かぁ。ちょっと我のこと酷使しすぎじゃなかろうか?たまには休ませて欲しいのじゃ』
ファイト!
『他人事みたいに言うておるが我は主自身じゃからな?』
それを言ったらお終いだぜぇ⋯⋯。
そんな感じでムギちゃんハナちゃんに誘われて放課後は3人で遊ぶこととなった。ホテルで。
おそらくないつも通りカードゲームをする流れとなることだろう。ホテルで。
(お察し)
そして放課後。3人でキャッキャッウフフと楽しく会話をしながら、ホテルへと向かう。
右腕はムギちゃんに左腕はハナちゃんにそれぞれ抱きしめられていて両サイドから挟まれている状況。ぐいぐいとやわこいものが擦りつけられている。
幼なじみ達程では無いものなので、この程度なんとも思いませんけどね!
「おい見ろよアレ。両手にギャルを侍らせてるクソ野郎が居るぜ」
「うお。ありゃマジモンのクソ野郎だな」
「なんだなんだぁ。これからギャルに搾り取られちゃいますってか?」
「カッー!羨まけしからん!」
「前世でどれだけの徳を積めばギャルハーレムが作れるんですかねぇ?」
「美少女ハーレムと一緒に世界でも救ったんじゃね?」
「前世でも勝ち組かよ⋯⋯やってらんねぇな!」
「はぁ⋯⋯俺も異世界転生して金髪ロングのデカチチ聖女様とドスケベ子作り魔王討伐旅行してぇー」
「オマエ聖女様派?俺はクール系銀髪姫騎士がいいわ」
「なにいってんの?ハーレムに決まってんだろ。お前の銀髪姫騎士も俺のハーレムメンバーだわ」
「んだテメェ。俺の銀髪姫騎士ちゃんに手を出したら許さねぇからな?」
「催眠魔法でNTRだぜ!」
「あん?そんなことしたら聖女様を裸に剥いてゴブリンの巣に放り込んでやるからな」
「オメェ⋯⋯それはライン越えたぞ」
「やんのかああん?」
「上等だボケカスこらぉ!」
モブ男子くんのヒソヒソ話がヒートアップしとる⋯⋯その話ちょっと混ざりたい。俺はあれかな、なんやかんやで嫁になる魔王ちゃんとか好きかな。
って、違う違う。
「アオアオとするの久しぶりだから超楽しみっ」
「そうだね。アタシらのことを好きに使っていいって言ったのに流あんま使ってくれないしね。だからまあ、こうして誘ったんだけどね」
そりゃまぁ⋯⋯。
事足りてるからというか、余裕がないというか⋯⋯。
「ウチらならアオアオがして欲しいこと全部してあげるよ?」
「そうそう」
魅力的な提案であることに間違いはないのだろう⋯⋯ないのだろうけども。
事足りすぎてるというか、余裕が無さすぎるというか⋯⋯ね?
「それとも⋯⋯もしかしてアオアオはウチらとするのイヤだったりする?」
「迷惑?もしそうなら無理に付き合ってくれなくてもいいけど⋯⋯」
とか言いつつ2人揃って暗い表情になってしまう。
それは⋯⋯ズルくない?
「迷惑なんかじゃないよ!俺、2人のことも大好きだから!(友達として)」
「アオアオ⋯⋯」
「流⋯⋯」
2人とも大事な友達であることに間違いは無いので、そんな暗い表情をさせて悲しい思いをさせるのは心苦しい。
俺はみんなには笑顔でいて貰いたいんだ!
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