42
邪念ひとつ無い、澄み切った心。
波紋ひとつ無い静かな
ああ、世界は……世界はーーなんかアレ。とても……その、美しい……?的な。なんかそんな感じ。
心体共に洗練されて仕上がって来たと言えるだろう。
筋トレ等で身体も鍛えられてきた。本来のモノとはかけ離れ過ぎた いかがわしい
もう幼なじみの大きなおっぱいにムラムラしてトイレに駆け込んでいた俺は死んだ。
ムラムラするよりも早く
愚かで浅ましかった愚者は聡明で穏やかな賢者へと昇華したのだ。
我こそがーー大賢者”流”。
「アオー、筋トレすっからサポートしてくれや」
「ええよー」
相変わらずの何も考えていない馬鹿面で紅がやってきた。すまんな、紅……俺もう馬鹿卒業して賢者になったからさ、ただの馬鹿は紅ひとりになっちまったな……ごめんな?
でもそんなバカなオマエが俺は大好きだぜ!
俺が身体を鍛え始めて以来、ついでにとばかりに紅も一緒に身体を鍛えている。正直、現状でも紅は力にステータスを極振りしてるのにこれ以上そっち方面を伸ばさないで貰いたいけども、紅はバカだから言っても聞かない。やれやれ、バカを相手にするの疲れるぜー。ちょっとは賢さにステ振りしろよなー。
「んじゃ、スクワットからな」
「あいあい」
俺が筋トレをする時は必ずと言っていいほど親友達にサポートをしてもらいながらしている。スクワットする時に背中におっぱい押し付けられたり、腹筋すれば膝におっぱい乗せられたり、腕立てに至ってはだいしゅきホールドされたりと……よくよく考えるとサポートになってるかよく分からないサポートだったりするが、それは置いておく。
そんなんなので逆に紅が筋トレする時は俺が紅のサポートに回るワケだが……。
「アオ背中乗ってくれ」
「よいしょ」
「もっと強くしがみついてくれ」
「がしっ」
「もっとだアオ!」
「ガシィッッッ」
紅の背中に乗る。俺と紅の身長差はあまり無い。俺が若干高いだけなのでおんぶしてもあまりチグハグにはならない。
紅の要求通りに強めにしがみついた。もう締め上げている状況に近いものがあるが、どうやら紅はこれがいいらしい。
俺をおんぶしながら紅はゆっくりと膝を曲げて腰を降ろして、上げてを繰り返す。
「はぁ……はぁ……。おいアオ!締め付けが緩んでんぞ!もっとちゃんと締めろ!」
「はひっ……!」
「どうしたオラ!こんなんじゃオレは満足出来ねぇぞ!」
「オ”ッ……!」
「やれば出来るじゃねぇか!そうだ。その調子だ。その調子でオレが満足するまでちゃんと締めとけよ?いいな?」
締め付けが緩いと怒られてしまう。これもいつもの事だ。ずっと紅にしがみついて締め上げてるのは地味に疲れる。オマケに上下運動するから落ちないようにするのは大変だったりする。
「ふぅー………………。スクワットはこんなもんか」
「終わり?よいしょ」
「おいアオ。誰も離れていいって言ってねぇんだけど? 」
「えっ、でも終わったんじゃ?」
「それとこれとは話が別だっつーの」
「あっ、いや、その……なんか、ごめん?」
「まあ、いいわ。次、腕立てすっから」
「きゃっ……!」
言うが早いか俺は紅にその場に押し倒されてしまい、ガシリと腕を腕で掴まれて拘束ーーじゃなくて腕立てをする姿勢になる。
「んじゃ、腕立てしてくわ」
「ちょ、まっーーンッーーー!?!!」
紅が肘を曲げる。
顔と顔が近づく。
口と口が重なる。
するとどうなる?
こうなります。
「はむっ……!んじゅ、じゅるっ、ずぞっ、んじゅんじゅ、じゅるるるるるっ……!!!」
めちゃくちゃ吸われた。
紅が肘を伸ばす。
口と口が離れる。
顔と顔が離れる。
「いっかーい」
紅が『1回目』とカウントを口にする。
紅が肘を曲げ、顔が近づき、口が重なる。
「ぶち”ゅうううッッッーーー!!!」
容赦なく口が吸われる。
紅が肘を伸ばし、口が離れ、顔が離れ。
「にかーい」
カウント。
(以下ループ)
腕立て10回をワンセットとして10セットまで紅は腕立てした。
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