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果たして。
みんな一緒に仲良く人生を終える為に必要な条件とはーー何か。
それはきっと。
全員がみんなで居ることを諦めないことだと思っている。
誰か一人でも諦める者が出てしまえば今のこの関係は破綻する。
そうならない為に、僕が望む幸せな未来の為に、手を尽くしていく。
何処ぞの顔も名前も知らない誰かが謳った倫理観など知らないね。
そもそも僕らの思考は世間一般的な価値基準とは既に大きく違っている。
現状は緩やかにだが着実に進行して行っている。
「ーーこのようにアオくんの1日に出来る平均の限界回数はーー回ぐらいだ。対して僕らは3人だから、これを3で割ると1人あたりーー回となるわけだが……ここでアオくんの様子を見てみよう」
「…………(ゲッソリ)」
「なんかアオ……すげぇヤツれてんな」
「絞りカス」
「そうだね。毎日限界まで絞り続けているとこの様になってしまうワケだ」
「あんな気持ちよさそうにしてんのにな。疲れんだな」
「精進が足りん」
「ある程度は鍛えていけばどうにかなるかもしれないが、とはいえ毎日毎日限界まで搾り取るとアオくんが倒れてしまう。だから日々の回数を抑えたり、休息期間を設けたりとケアしていかなれければならないね。今後は僕らで回数を調整、管理していこうと思う。異論はあるかな?」
「アオに倒れられんのはヤダからな。オレはイロン無しだぜ」
「やむなし」
「それでは決まりだね。さて次の話なんだが。アオくんが出来る回数の平均値を測定したワケだけど、これはあくまで胸、口、手などでした場合の回数だ。これがまた本番となるとまた話は違ってくるだろう。本番行為はこれらの行為と違って体力の消費が大きくなると想定されから、それはそれで測定していかないとイケないね」
「なるほど。んじゃヤルか本番!」
「子作りセ〇クス!」
「まあまあ。待ちたまえ待ちたまえ。今はまだあくまで本番に向けての練習の段階だ。そして、その練習をするにはある物を買わないといけない」
「なんか必要なんか?」
「コン〇ーム」
「そうだねコン〇ームだね。クロくん正解。本番の練習をするにはゴムが必要になってくるんだけど、アオくんの平均値からして約ーー個ぐらいのゴムを用意しておきたい。それでーー個のゴムを買うとなった時の金額がだいたいこのぐらいだ」
「んー……?ーーゲッ!結構いい値段すんのな……」
「お高い」
「皆で出し合って買えない金額では無いけど、痛い出費にはなるね。これがこれだけで済めば話は別だけど、あくまで消耗品だから継続的にお金を出し続けることになる。となると現状の僕らのお財布事情的にはかなり厳しいものがあるね」
「確かになぁ……。そのーーゴム?買う金でいろいろ買えるよなぁ」
「世の中、金」
「とりあえずお試しで買ってこようかと思ったけど……やめておいた」
「なにゆえ?」
「快楽は人を狂わせる。色欲に囚われたもの末路は悲惨さ。一度試しにと軽い気持ちで手を染めたら最期……僕らは揃って望まぬ未来に辿り着く」
「なるほど………………つまり?」
「つまり?」
「ふぅ……。2人ともよく分かっていないようだねぇ。ちょっと言い回しが気取り過ぎていたかな?まあ、簡単な話ーーみんながバラバラになってしまうことがあるかも知れない……って、話さ」
「ヤァー」
「それは嫌だな!」
「だろう?」
非常に単純で扱い易い。
が。
だからこそ、ふとしたきっかけであらぬ方向に爆走してしまう危険性も孕んでいる。
手網はしっかりと握り締めておかないといけない。
それは”僕自身”も含めて、ね。
正直な話。
一線を越えてしまった場合の予想が難しい。
現状ですでに”これ”だ。
歯止めが効かなくなってしまう可能性がかなり高いし、それ以外の可能性も無くもない。
結論は『まだ早い』
もし欲望に支配され、どうしようもなくなったとしても、その盤面を捲れるだけの手札は用意しておきたい。
今の僕にその手札は無い。
だからこそ、まだ早い。
(今なまだ我慢だねぇ……。最近、我慢出来なくなることが多いから、ここはしっかりと発散しておかないとイケないねぇ)
『呼んだ?』
(やぁ!僕のアオくん!よく来てくれたね!今晩”も”よろしく頼むぜ!)
『任せて!』
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