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「これ。ヤリたい」
「どれどれ……ふむ。なるほどねぇ」
乱入してきた泊とお話中。
歩夢がスマホの画面を泊に見せている。みなまで言わずとも歩夢が泊に見せてるのはエロ漫画のワンシーンであろう。俺も散々見せられたヤツ。それを泊はしげしげと見詰める。
「アオちゃんと子作りセ〇クスヤリたい」
「その心は何かな?」
「快楽に溺れたさ」
「つまりこのえっちな漫画の登場人物のように気持ちよくなりたいーーと、言うわけだね?」
「その通り」
そこで泊は「ふぅ……」とひとつ息を吐いてから、やれやれと肩を竦めてから語り始めた。
「クロくん……これはね。あくまで漫画でありフィクションなんだ。だから、この漫画の登場人物の真似事をしたからといって、実際に同じように気持ちよくなれるとは限らないんだよ」
「なん、だと」
歩夢が「嘘だろ!?」と驚愕に目を見開いて後退る。
歩夢の気持ちが俺にも痛いほど分かった。俺も歩夢と同様に驚愕の事実に対して「嘘だろ!?」となって後退る。
「なんで?」
「まずはそうだね。個々人の体質の問題がある。人一倍快感を感じ安い体質の人とそうでは無い人が居るからね。同じことをして同じように気持ちよくなれる人となれない人が居るんだよ」
「なる、ほど?」
「あとは身体の相性の問題とか、アオくんのおち〇ぽのサイズの問題とか、アオくんのテクニックの問題とか、アオくんの体力の問題とか、アオくんが早漏なのか遅漏なのかの問題とか……他にもいろいろだね」
うーむ……。大体の問題点、俺……?
「アヘ顔ダブピになれるかアオちゃん次第?」
「概ねそうだね」
ダブピとはおそらくダブルピースの略である。
「アオちゃん。ヤレる?」
「えっと……。あの、その、それは……なんと言いますか……」
「どうなん?」
「ぐぬっ……。お、俺は……そのアレ。そうアレ……け、経験が、無いので、分かんないですぅ……」
妄想の中では百戦錬磨で、イマジナリー幼なじみ達を快楽漬けにし、俺ちゃんのデカチ〇ポ無しでは生きられない体にしてヤッてはいるけれども。
それをいざ実際にヤルとなったら上手く出来るかなんて分かるはずも無い。だって実戦経験は0ですもの。
「しゅん」
俺の一言に歩夢は肩を落とす。折角「子作りセ〇クスでアヘ顔ダブルピースできると思ったのに……!」といった感じだろうか。これは……失望されてしまった?なんと不甲斐ない。いやでもこれはしょうがなくない?
「そう落ち込むことは無いよクロくん」
「ハクちゃん……」
「こういうことは事前に準備して、しっかり練習を積んでから本番に挑めば大丈夫さ!ちゃんと子作りセ〇クスで(ピー)からのクソデカオホ声アヘ顔ダブルピースをキメることが出来るよ!」
「そうなん?」
「そうとも!」
「アヘって」
「いいとも!」
パロAVとかでありそー。アヘっていいとも!グラサンかけた強面のデカチン性年隊にゲストがアヘらされちゃうヤツ。そしてゲストはテレフォンして「明日アヘってくれるかな?」「いいとも!」なんて感じで新たな
その日はそれで一旦解散となった。
ーー後日……。
本日は泊さんのお部屋にいつものメンバーが集まる。俺紅泊歩夢の4人。
どっから持ってきたのかホワイトボードの前に陣取るのはお馴染みの泊先生。何故か伊達メガネに白衣を着ていて、オマケに伸縮自在の指し棒を手にしていた。保健室の先生って感じ。様になってるー。
「というわけで今回は「アオくんと子作りセ〇クスする為の準備と練習」という内容の授業をしていくよ!」
授業の内容ォ……!
どうしてこんなことになってしまったのか……。
「はい!ハク先生!」
「はいコウくん。なにかな?」
「子作りセ〇クスってなんだ?」
「まったくコウくんは……予習が足りてないねぇ」
「わりぃわりぃ」
「それではまずコウくんの為にも子作りセ〇クスとは何ぞや?について今一度おさらいしていこうか。事前に配っておいた教科書を見てもらえるかな?」
言われて手元を見ると1冊の教科書ーー否、ただのエロ漫画があった。
タイトル。
『男友達みたいな親友で幼なじみの4人組。俺以外全員メスなのはあんまり気にしてなかったのにみんなおっぱいの発育が良すぎて俺の理性が限界突破。イマジナリー幼なじみを創造して(ピー)してたのがみんなにバレて全員と子作りセ〇クスで妊娠するまで帰れまテンが始まって搾り取られてしまった』
なんだろうなぁ……すっごい頭悪いタイトルだなぁ。
いやまあエロ漫画って大体こういうもんだけどさぁ。
いやそれにしても、なんか凄く身に覚えがあるというか、よくここまでドンピシャの内容のエロ漫画があったよね、って感じ。
俺の手にしているエロ漫画と同じものがみんなの手元にも合った。
同じエロ漫画を4冊買う時の気持ちってどんなだろ?っていうか年齢制限とかどうしたんだろ……。いやまあ、そこら辺を気にしては行けない。細かいこと考えるな!感じろ!
「まずはこの予言ーーじゃなくて教科書を読んで子作りセ〇クスとはなんたるかを学んでいこうか!」
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