20
「大丈夫?おっぱい揉む?」
「揉むッッッ!!!」
「んっ、じゃ、次、アオちゃん」
「……んッ?」
(…………んっ??)
………………んっ???
えっ……なに?どういうこと?じゃ?次?俺?
………………は?
次は俺って何?どういこと?次に俺が何をするっていうの?俺がおっぱい揉むじゃないの?え?え?え?
「アオちゃん。ほら」
「ほら?」
「アオちゃんも言う」
「俺も?何を?」
「『大丈夫?おっぱい揉む?』って」
「それを……俺があァッ!?!!」
待って待って待って。
なんか思ってた流れと違うんだけどっ!?
俺も言うの!?『大丈夫?おっぱい揉む?』って男の俺が!?なんでどうしてそうなるの!?俺ちゃんにおっぱいちゃんとかついてないちゃんちゃんちゃん!
「俺……おっぱい無いけど……?」
「試してガッテン」
いやいやいやいや。
「アオちゃん元気になる。ならボクも元気なる。かも?」
いやいやいやいやいやいやいや。
「確かにッ……そいつはちょっと気になるな……!アオが元気になったんだからオレらもその言葉で元気になるかも知れねぇ!」
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや。
「アオくんのおっぱいを揉む……(ごくりっ)そ、そうだね!それはいい案だ!試してみる価値は充分にあるよ!ヨシ!アオくんも言ってみようか!」
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや。
「アオちゃん。プリーズ」
やいのやいの。
プリーズじゃないんだってばよ!そのセリフはあくまで女の子が男に言うから諸々が元気になってしまうセリフであってだね!男が女の子に言っても「何言ってんのオマエキッショ!」としかならねぇから!
誰得だよ!誰も得しないよ!得できるものが男性にはついてないですもの!男のおっぱい揉んで何が楽しいの!?そもそも揉めないでしょうがッ!?
……しかし。
我が親友3人は何やら目をキラキラさせて、期待に満ちた表情で俺の事を見つめている。
俺が「大丈夫?おっぱい揉む?」と言うのを今か今かと心待ちにしているように見える。そんな馬鹿な。そんなバカなッ!!!
こんなバカみたいなセリフ言いたくなど当然あるはずなくって。だけど場の空気が完全に言わなきゃイケないような空気感になってしまっている。なんでなんでなんでー?
ここでそのセリフを言わなかったらどうだ?完全にシラケてしまうだろうことは予想に難しくない。
するとどうでしょう。「んだよ。つまんねぇな。もうさっさと帰ろうぜー」なんて紅あたりが言い出して、そのまま帰宅の流れとなるだろう。
そして、なんやかんやおっぱい揉む話は有耶無耶となり合法的におっぱい揉む機会が失われてしまう可能性がある。
おっぱいが揉めなくなる。
おっぱいが揉めなくなる。
おっぱいがもめなくなる。
ヤーーーーーーダーーーーーー!!!!!
おっぱい揉みたいいいいい!!!
となると……ここは俺もノリを合わせて和気藹々な雰囲気にしつつ、後は流れで本当におっぱいを揉む方向に持っていくのがベストではなかろうか?
クソの役にもたたないチンケなプライドで恥ずかしいからと歩夢の試してガッテンをガッテンしないでガッテムにしていいのか?いいわけない。だっておっぱい揉みたいもん。
言うしか無いッ……!俺も「大丈夫?おっぱい揉む?」とッ……!
いやでもマジで抵抗あるな……まあ、いいや。
「はよ」
「わ、わかった」
「お?」
「ほお?」
「えっと……」
「うん。なに?」
「……だ、大丈夫……?おっぱい、揉む……?」
言った。
「「「………………」」」
そして沈黙が訪れた。
えっ…………何、その反応…………?
それどういう顔?表情から感情が読み取れない……どう表現したらいいか分からない謎の表情で俺を見つめる3人の親友達。
……し、シラケた……?
いやまあそうでしょうと言いたくなるところはあるよ?だって俺は男だし。おっぱい付いてないし。それなのに「大丈夫?おっぱい揉む?」なんて言われても反応に困るでしょうよ。やっぱほら「は?何言ってんのオマエ?」ってなったじゃん!だから言ったじゃん!言ってないけど!
「なるほ」
「……なるほど」
「なるほどなぁ……」
だから何が?何を再確認しているっていうの?分かってなかったの?こうなるって分かってなかったの?分かってなかったから言わせたんだよねー!クソッタレがッ!
「んじゃ。揉む」
「……ひょ?」
「揉ませて貰うか」
「ひょっ……!?」
「折角だから、お言葉に甘えて揉ませて貰おうかな」
「ひょおぉっ!?!!」
にじり……にじり……。
手をワキワキとさせて親友達は俺を取り囲んでにじり寄ってくる……。
コイツらの目ーー本気の目だッ……!
コイツらみんなで……俺のおっぱいをーー揉むつもりだッ!(???)
おっ、お、おおおお、おか、おかおかおか、犯されりゅううううううッッッ!?!!!??!
なんでどうしてこうなるんだよッ!畜生めッ!
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