12
「おやおやぁ?アオくんは僕の部屋でガサゴソとナニをやっているのかなぁ?」
「ひょっ!?はッ、ははは、は、泊ッ!?」
「おっとおっとぉ?アオくんがその手にしている物は何かなぁ?」
「ち、違っ……!こ、これは違うんだッ!」
「ナニが違うのかなぁ?アオくんが今その手にしている物……ーーそれ、僕の下着だよね?」
「大変誠に申し訳ありませんでひたッ!出来心だってんですッ!ちょおっとなんかムラッとしちゃって!それでそのあのえっとぉ!違うんでひゅ!」
「まあまあ。落ち着きたまえよ、アオくん。別に僕はアオくんが僕のいぬまに部屋に勝手に侵入してタンスを漁って僕の下着を盗もうとしていたことを怒っている訳じゃあ、ないんだよ?」
「アッ……。アッ……。アッ……」
「なぁに、少しばかりアオくん問いたかっただけさ。その洗濯済みの僕の下着で良いのかい?ってね」
「へっ……?」
「どうせ使うのなら、その洗濯済みの味気ない下着なんかよりも……ーー」
スルスルスル……。
「こっちの……脱ぎたてホヤホヤの僕の下着の方が、いいんじゃないのかい?」
「オホォっ……!?」
「いやはや、アオくんが僕の下着をナニに使うのかなんて、全く持ってさっぱり見当もつかないんだが……。そのアオくんが今、現在、手にしている洗濯済みで洗濯洗剤の臭いしかせず、すっかり冷えきってしまっている味気無い僕の下着なんかよりも、僕が今日一日中身に付けていて僕の臭いが染み込んでしまっている、まだ脱ぎたてで、僕の体温で暖められ、僅かに温もりが残る、こっちの脱ぎたての新鮮な僕の下着の方がーーいいんじゃないかなぁ?」
「アッ……!アッ……!アッ……!」
「どうだい……アオくん?」
「そっ……!そそそそそそ、そっ、そっちのッ……!そっちのッ!泊のッ!脱ぎたてパンツの方がッ!イッ、イイですッ!そっちのパンツが欲しいデスぅッ!!!」
「くふふっ……。いいねぇ……とってもいいよ。やっぱりこっちの僕のアオくんの方が欲望に忠実だね」
「パンツッ!泊の脱ぎたてパンツ!早く下さい!お願いします!俺に泊のパンツくださいッ!」
「まったく、そんな必死になって……アオくんはそんなに僕の下着が欲しいんだね?」
「はい!お願いします!なんでもします!なんでもしますからパンツくださいっ!」
「おや?今、なんでもするって……」
「はい!泊の為ならなんでもする!なんでもするから!パンツ!パンツ!パンツ!」
「そうか。それならアオくんはこれから僕に絶対服従。僕の言うことは何でも聞く……いいね?」
「はい!」
「ふふっ……よろしい。それじゃ僕の脱ぎたてパンツ……あげるね?」
「ヒャッホゥッ!泊の脱ぎたてパンツゲットだぜ!捗るゥー!」
「あっ、折角だから、このパンツは……被せてあげるよ!」
「なん、だとッ……!?パンツ被っていいんですか!?」
「いいよ。その代わり……分かっているね?」
「はい!何でも言う事聞きます!泊の言うことなんでも聞きます!」
「いい返事だね。では僕の脱ぎたてパンツ……被せてあげようじゃないか。はいはい、頭をこっち向けて?そうそう」
「アアアッッッーーー!!!泊の脱ぎたてパンツがッ……!俺の顔面を包み込むッ……!ウヒョォッッッーーー!!!」
「こらこら。アオくん?そんなにヨダレを垂れ流してしまっては僕のパンツがびちゃびちゃになってしまうじゃないか」
「スゥーーーーーーーーーー……………………………………ハァーーーーーーーーー……………………………………ッッッ!!!」
「んっ……。僕のパンツの臭い……アオくんに嗅がれてしまってる……僕の臭いの染み込んだパンツの臭い……んんんっっっーーー!」
「……泊。これ……最高」
「そうかい?それはよかったね」
「しゅごい。泊のパンツしゅごい」
「さてアオくん。実はだね。今、僕、履いていたパンツを脱いで、アオくんに被せてしまったから……ーー」
「ゴクリッ……!」
「ーー履いてないんだ」
「…………ッッッ」
「凄いスースーしてるんだ。スースーしてて、心許なくって、ちょっと寂しいかなって思うんだ。だから……何かいつもみたいに僕のここ満たしてくれるモノが何かないかなって、思うんだけど……アオくん?何か僕のここに納まる丁度いいモノ無いかな?」
「ウッ……!ウッ……ーーウガァーーーッッッ!」
…………。
…………。
…………。
「はぁ……はぁ……。泊……泊ゥッ!」
「くふふっ……。まったくアオくんってば、ガッツキすぎだよぉ。毎日、毎日、こんな激しくされたら流石の僕もヘトヘトになってしまうよ。少しは休ませてくれないかい?」
「ウガァーーーッッッ!」
「んあっ……。ふふふっ……僕を休ませるつもりは全くないようだね?ホント、アオくんはしょうがないなぁ」
…………。
…………。
…………。
「ふぅ……。おっと……また下着をぐしょぐしょにしてしまった……これは替えないといけないね……。はぁ……我に返ると少し虚しくなるのいつものことだが……うーん……。そろそろリアルのアオくんも僕のアオくんみたいにならないものだろうか?いや、まだ早いかなぁ……。でも、アオくんも1人でナニをするのを覚えたようだから、妄想が現実となるのも時間の問題、かな?」
虎澤泊は下着を替えて再びベッドに戻る。
カーテンの隙間から月明かりが差し込んでいる。少しだけカーテンを捲って窓の外を見る。
隣の家は流の家。泊と流の家は隣同士で流の家を挟んだ向こうの家が紅の家、その更に隣が歩夢の家である。4人全員がご近所さんだ。
位置取り的に泊の部屋の丁度すぐ隣が流の部屋になっていて、流と泊は窓越しにいつでも顔を合わせることが出来た。
泊の視線の先には流の部屋の窓。不用心にもカーテンがかかっておらず部屋の中は丸見えで、泊はベッドでガサゴソしている流の姿を捉えた。
「まったく、アオくんは……。毎晩ナニをしているか、全部丸見えになってるのにまるで気がついてない。ホント……無用心だねぇ」
流はまさか自分が見られてるとも知らずに、本日も元気にせっせこ励んでいた。
「今日は誰を相手にシているんだい?」
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