09
4人全員で久しぶりにお風呂に入った日の深夜。
「むくり」
皆が寝静まった頃に玄野歩夢は1人ーー目を覚ました。
「お便所」
催した歩夢はトイレに向かう。勝手知ったる幼なじみの家、その足取りに迷いは無くトイレに着いた歩夢は用を足して流の部屋へと戻る。
ぐっすり眠っている幼なじみ達。
虎澤泊はファラオみたいにシャキンと姿勢よく寝ている。その横の寝相の悪い須崎紅は何故か寝た時の体勢から上下逆さまになっており放り出された足が青田流の顔の上に乗っていた。そして顔面に紅の足を乗せた流は少し魘されながら腹を出して寝ていた。
「ぺいっ」
歩夢は流の顔面の上に乗っていた紅の足をぶん投げる。「ぐべっ」と変な音が鳴ったが紅が起きる気配は無い。かなり雑に扱っても1度寝た紅は朝までだいたい起きることは無い。
紅をどかして空いた流の隣のスペースに歩夢は横になる。
ひしっと流を抱き枕代わりに抱きしめる。紅のことも泊のことも大好きではあるが、こうして引っ付くならば1番はやはり流だと歩夢は思う。
歩夢は流に抱きついていると、ふと本日久しぶりに流と一緒にお風呂に入り、頭と体を洗ってもらったことを思い出す。
ついでに流の大きく成長していたブツのことを思い出す。
前回、流と一緒にお風呂に入ったのは小6の夏の日である。それ以来、気がつけばもう約3年も流とお風呂に一緒に入っていなかった。
あの頃の流のブツと今日見たブツは大きく異なり、それは見違える程に大きく成長し、そして形も変わっていた。
自分にはついていないそれの事を歩夢とても気になった。
「そいっ」
歩夢は流の短パンをパンツ諸共、容赦なくずり下げる。歩夢の眼前に流のブツが晒された。
「縮んどる?」
流のブツはーー先程、お風呂で見た時よりも縮んでいて明らかに小さくなっていた。
はて?と不思議がる歩夢。これは大きくなったり小さくなったりするのだろうか?などと歩夢は考える。
気になった歩夢はスマホを取り出してググッてみることにした。
いろいろ検索し、調べてみると、どうやら男性のそれは通常モードからいろいろするとバトルモードに変身するものなのだと歩夢は知ってしまう。
現在の縮んだ状態が通常モードで、お風呂で見た大きかったモノがバトルモードだったらしい。なるほど。
「おもろいッ……」
と歩夢は目を輝かせる。とっても興味津々だ。
誘惑に負けて歩夢は流のブツを弄り回した。ググッたところ通常モードからバトルモードに移行させるにはアイスのように舐めまわしたり大きなおっぱいで挟んだりするのが効果的らしい。早速、歩夢は試してみることにした。
………………。
………………。
………………。
「デカくなった……!」
いろいろ試しているとわりと直ぐに流のブツがお風呂の時に見た時と同様の大きさに巨大化した。
そこで歩夢はまたも思う。何故これにはバトルモードなんてものが実装されているのかと。バトルモード実装の真相とは何か。
歩夢はさらにググッた。ネットの海を駆けずり回ってえろえろ検索を重ねた。
そして……。
「”これ”は”ここ”……?」
…………。
…………。
…………。
歩夢は汚れてしまったモノを綺麗に片付けて、一切の痕跡を消してからこれでヨシと流の隣で眠りについた。スヤスヤと眠るその表情は何かスッキリとしていて満足気である。
実はーーいろいろと弄り回されていた流が目を覚まさなかった訳では無い。
ただ、完全に寝ぼけていた。
(……ん?イマジナリー歩夢?おいおい。どうしたんだこんな夜中に……あ、おい。ちょっ、ダメだって……!隣では紅も泊も寝てるのにこんなこと……!そんな声出したら2人とも起きちゃうーーお”ッ……!それッ、しゅごぉ”ーー……ッッ!!!)
これはいつものエロい妄想に侵食されたえっちな夢。
毎晩、夢に出てきてはあんなことやこんなことをしまくっていたイマジナリー幼なじみであるとしか流は思わなかった。
快感に溺れる一方で、これは明日は誰よりも早く起きて下着を洗いに行かなくてはならないだろう……あと換気もしておこう……など現実的なことも考える始末。
流は歩夢と存分に楽しみ、スッキリして、歩夢の大きな胸に顔を埋めて再びの眠りについた。
現実と妄想の境界線がボヤけていく。
そしてーーもう1人。
すぐ隣でガサゴソしていたのにも関わらずまったく起きる気配が無く爆睡していた紅とは違い。
最初の段階ーー歩夢が目を覚まし部屋を出ていく物音を立てた時点で目を覚ましていた者が居た。
虎澤泊である。
泊は一部始終、最初から最後まで寝たフリをしながら観察に徹していた。
「くふふっ……」
ニヤリッ……と暗がりの中で口角を大きく吊り上げて静かに嗤う。
「みんな仲良し。僕らの絆は生涯不滅。未来永劫みんな一緒……くふふっ、くふふふふっ……。おっと……イケないね……。ふむ。2人とも寝たようだし……ちょっとお花摘みにイってこようかな」
一切の物を音を立てずに泊は部屋から出ていった。
虎澤泊はバカでは無い。むしろ頭は良い方だ。
そんな彼女が何も知らない筈も無ければ、分からない筈も、理解していない筈もなかった。
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