06
「ーーんじゃ、改めて。これからもオレらの間で隠し事は無しだ。なんか悩んでる事とかあったらちゃんと話す!誰かの悩みはみんなの悩みだ。一人で抱え込まねぇでみんなで解決してく!特にアオ!確かにオレハククロは女でアオだけ男だっつー違いはあるかも知れねぇけど、んなことは些細な問題だろ?生まれた時から一緒に育ってきたオレたち幼なじみは親友で家族なんだからよ!」
『だからムラムラしたら遠慮なく言えよ?アオの大好きなオレのデカイおっぱいで、何時でも、何処でも、いくらでも抜いてやるからよ!』
コラッ!イマジナリー紅!出てくるんじゃないッ!
今、リアル紅がいいこと言ってるんでしょうが!鎮まれ!マジで!お願い!
「コウくんの言う通りだよ。僕らは何者にも決して引き裂くことの出来ない固い絆で結ばれているんだ。永久不滅の友情はこれから何があっても変わることは無い。この先もずっとみんなで苦楽を共にしていく。楽しいことがあればみんなで笑いあって、辛いことがあればみんなで一緒に乗り越える。だから何かあったら直ぐに僕らに相談するんだよアオくん!」
『ーーとは言ったけけど……また大きくしてしまったのかい?まったくアオくんは……しょうがないね。ほら、アオくんの大好きな僕の大きなおっぱい貸してあげるからアオくんの好きに使っていいよ?』
だからァ!出てくるんじゃないよイマジナリー泊!リアル泊が友情について熱く語ってくれてるところでしょ!引っ込め!バカッ!
「前みたいにこれからもみんなで一緒にお風呂入る。アオちゃんも。勿論一緒。みんな一緒にお風呂」
『アオちゃん。お風呂だから遠慮無し。アオちゃんの大好きなボクの大きなおっぱいにぶっかけ放題。出せ。全部出せ』
ありがとうございますイマジナリー歩夢さん!いつもお世話になっておりますけど今はちょっと出てこないで貰ってよろしいでしょうか!帰っておねがい!出てくんな!帰れ!
畜生めッ!ちょっと真面目な話してるのにまったく集中できねぇ!
俺含め皆、風呂上がり故ラフな格好をしている。色違いのお揃いTシャツ短パンだ。説明はいらないと思うが一応言っとくと俺が青、紅が赤、泊が白、歩夢が黒のそれぞれの色のTシャツ短パンである。
お泊まりお約束の格好ではあるものの皆様方のおっぱい様方の自己主張様が大変激強様。内から押し出されたTシャツがパンパンのピラミッド型クソデカテントとなってる。それが普通にえっちだし、ちょいヘソチラしてるのもえっちだし。
つーか、みんな下着つけてねぇし!恥じらいの欠片も無しか!そろそろ思春期目覚めろ!寝坊しすぎだろッ!俺だけ早起きしてんじゃねーか!違うんですー!おっぱい目覚ましがたゆんたゆんと騒音立ててたから起きざる他なかったんですー!
あといい匂いする!一緒に風呂入って、同じ石鹸シャンプー使って洗ったはずなのになんでこんなにいい匂いがすんの!?いつもだけど!俺の部屋のハズなのにすっか。女子部屋みたいないい匂いが充満してんだわ!目をつぶっても無駄ァ!
「で、アオ自身の気持ちはどうなんだ?」
「アオくんが何を考えてるのか、ちゃんと言葉にして欲しいね」
「アオちゃんはお風呂嫌い?」
……なんの話だっけ?
真剣な眼差しで俺を見つめるリアル幼なじみ3人。イマジナリー体のトロんと惚けてオネダリしている時の眼差しとは大違いだ。物欲しそうな目をしやがってからに!ほらコイツが欲しいんじゃろ?だったら分かってるよな?分からない?そうだね俺は現状どうなってるか何にも分かってません!
えっと……アレだ。隠し事はしないって話だったな(?)。
「……わかった。これからはちゃんと悩みとか困ったことがあったら隠したりしないでみんな(イマジナリー体含む)に打ち明ける」
普通の悩みは普通にリアルで相談しよう。性の悩みはイマジナリー体ちゃん達に相談しよう。それでもって発散させて貰おう。
イマジナリー体ちゃん達だってなぁ!俺にとって大切な幼なじみで親友で肉(ゲフンゲフン)なんだよ!ちゃんと心の底から大切に思っているんだ!
「よし!それじゃ改めて約束な!」
「そうだね。約束だよ」
「お風呂はみんな一緒。約束」
「お、おう……!約束だ!」
1周ぐるっと回って結局今までと同じところに着地して何も解決していない気もするが、何にしても一件落着。
これで今後みんなに問い詰められたり脱がされたりするようなことは少なくなる筈。うん。お願いだからあんまり深入りしてこないでね?じゃないと俺も何するか分からんよ?こちとら前科持ちぞ?イマジナリー体ちゃん達と同じ目に合いたくはないやろ?
「ふぁぁ……。なんか一段落したら眠くなってきたな」
「わかる」
大きく欠伸をしながら身体を伸ばしたことで強調される紅おっぱい。Tシャツ破けそー(小並感)。あっ、袖から脇が見える。さらに横乳もチラリと見えた気がした。無防備具合でいくとやっぱ紅がナンバーワンだな。くっ……!どうしてこんなえっちなヤツになってしまったんだ……!
「明日に備えて、もう寝ようか。明日は学校休みだからね。一日中みんな一緒に居られるよ」
「いや、平日でも休みでもだいたい俺達四六時中一緒に居るじゃん」
「それな」
「いや、最近よく一人でどっか抜け出すアオがそれを言うかよ……ーーあっ、そうだわ。まだ、それがあったな」
んッ……!?
「様子がおかしかった理由は理解したけどよ。アオは一人で抜け出して何してんだよ。これまだ聞いてなかったわ」
「そういえばそうだったね」
「それな」
紅ッッッ!!!一件落着したかと思ったのに余計なことを思い出すんじゃないよッ!
何してたの?ナニしてたの!
「オラッ!アオ!さっさと何やってたか白状しろ!」
「たった今隠し事は無しだと約束したばかりだろ?潔く告白することだね!」
「それなッ」
「ギャーーー!!!」
3人がまとめて飛びついてきたッ……!たゆんたゆんたゆんたゆんたゆんたゆんッ……!(計6個)
そして「吐け!オラッ!」と揃って揉みくちゃにされる。
3方向からの無自覚たわわ攻めッ……!や、ヤメロォ!スタンバイフェイズがメインフェイズに移行してしまう!このままだとバトルフェイズだぞ!壁突破してダイレクトアタックしちゃうぞ!
くぅううッー!どうしたらいい、この状況!わりとこのままでも良いかもとおっぱいの魔力に屈しそうになる。柔らかい!いい匂い!お”ッ……堪らんッ!
気をしっかり持て!このままはアカン!
こ、こうなったら、あの手を使うしかあるまいか!
「明日ッ……!明日話すからッ!」
「あぁん?明日じゃなくて今話せよ」
紅の腕が俺の首に回されて後ろから締めあげられる。当然のように背中に!紅の!大きな!おっぱいがッ!ありがとうございますー!
じゃ、なくてッ……!
「……新デッキ」
「新デッキ、だと……?」
俺が捻り出した単語に首を絞めあげる腕と背中に押し付けられた乳圧が弱くなる。ちょっと残念。去ね邪念。
「俺がオマエらに隠れてナニをしていたか……それが答えだぜ」
「ははぁん。なるほどそういうことかい。アオくんは僕らに内緒で新デッキを仕込んでいたーーというわけだね?」
察した泊。そして紅もまた俺が言わんとするかを理解したようで拘束を解いてくれた。あー!行かないで俺のおっぱい!いや違う!
た、助かった……。
「ほほう……。面白ぇじゃねぇか、アオ」
「クククッ……。明日がオマエらの命日になるだろう。今のうちに残された猶予で生を噛み締めるんだな!」
ニヤリと口角を釣り上げる紅に対して俺もまた黒幕っぽく笑いながら答える。
「上等だ!ボッコボコにして泣かせてやるよ!」
バチバチとガン飛ばし合い火花を散らす俺と紅。
よし。誤魔化せたな。
ちなみにデッキとはカードゲームの話である。仲間内で中学生らしくカードゲームでの対戦が流行っていた。
で、俺が隠れてコソコソしていたのは新しいデッキを作っていて、それでみんなの度肝を抜いてやろうと企んでいたーーっていう感じで誤魔化した訳だ。
実際、隠れてナニをしていたのとは別で、俺は本当に新しいデッキを皆に内緒で完成させている。もっと別の形でお披露目するつもりだったが致し方ない。いや逆にこのタイミングが丁度良かったかもしれないな。結果オーライ。
次回予告!
流の新デッキに対してお馴染みの火力特化脳筋デッキで襲いかかる紅。頑張って流!紅の猛攻を耐えきることが出来れば、なんやかんやで勝てるんだから!
次回!流、死す!デュエルスタンバイ!
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