01
「……なあ。最近、アオのヤツ付き合い悪くねーか?」
不貞腐れた様子で呟いたのは仲良し4人組のまとめ役である
学校の授業を終えた放課後。閑散とした教室でダラダラとだべっていた4人であったが、そのうちの1人である
どうにもこうにも、ここ最近の流の様子がおかしい。いつも4人で行動していたのに最近は頻繁に流が抜け出して単独行動することが多くなっていた。
残された3人は自分らを残して先に帰ってしまった流に対しての愚痴を零しあう。
「そうだね。確かに最近アオくんは僕らに対して余所余所しい気がするね」
「だよなぁ……」
紅の問いに同意する仲良し4人組の頭脳担当である
「わかる。最近アオちゃんはボクと一緒にお風呂入ってくれない……。アオちゃんに頭洗って欲しいのに……」
しょんぼりと項垂れるのは仲良し4人組の不思議系癒し枠である
「なんだクロ。頭洗って欲しいのか。ならオレが洗ってやろうか?」
「イヤ。コウちゃん雑だから。コウちゃんはダメ。アオちゃんかハクちゃんがいい」
ボクっ子の歩夢は流のみならず誰かと一緒にお風呂に入るのが好きだった。身体を洗ってもらうのが良いらしい。しかし、こと紅に至っては行動全てが大雑把で雑なので、髪の毛をシャンプーを使わずに水洗いで済ませようとすることがあるバカだ。あまり一緒にお風呂に入りたいとは思っていなかった。
「アオだけじゃなくてクロも付き合い悪ぃ……」
「クロくんのはいつもの事だろう?それにこれはキミの自業自得だろうに。キミのその大雑把な性格ーー少しは改めた方がいいんじゃないかい?」
「わかる。コウちゃんは少し悔い改めるべき」
「うるせぇ。オレはこういう性格なんだよ。今更、治せねぇから」
「まぁ、それもそうだね。3つ子の魂100までと言うしね」
「わかる。バカは死んでも治らない」
「なんかオレ……バカにされてる?」
「バカにはしていないさ。やっぱりバカだなぁと再認識しただけで」
「わかる」
「やっぱりバカにしてんだろ……。なあアオ!アオはオレのことーー……って、アオは先帰ったんだったな……」
紅はいつものノリで流に語りかけるが、いつもと違ってこの場に流が居ないことを思い出して肩を落とす。これがどうにもこうにも今日に限ったことではなく最近よくあることで、それがどうにも調子を狂わせる。
「つーか……帰るんだったらみんなで一緒に帰ればよくね?」
「全くもってその通りだね」
「わかる」
「アオの用事ってなんだよ……」
「分からない。アオくんを問いただしても頑なに教えてくれないんだよね」
「わかる」
「隠し事か……。オレらの仲で隠し事は無しって約束だったよな?」
「約束を破るようなアオくんじゃない。だが、なのにも関わらずアオくんが隠し事をしているとなれば、それは僕らには話せない何かしらの理由があるのかも知れない」
「わかる」
「んだよそれ……。水臭ぇな。オレ達、親友じゃねぇのかよ……」
「それは……そうだね……」
「わかる」
それぞれが浮かない顔で押し黙る。どうしてこんなことになってしまったのか。何が原因でこんなことになってしまったのか……その原因はこの場に居る3人が中学生にしては発育が良すぎる件と男子中学生が思春期真っ盛りなことが原因であるのだが、3人はその考えに思い至らない。
そして、思い悩む3人の心情など露とも知らず、その原因となっている流は学校近くの公衆トイレに駆け込んで只今絶賛自家発電中である。3人まとめてオカズにしてハッスルしている。ホント男子って最低よね!
そのことをこの場にいる3人は知る由もなかった。
しばしの沈黙の後、意を決したかのように紅が声を上げる。
「だりぃ!やっぱモヤモヤしてダメだわ!後でアオんトコ行こうぜ!んで、アオが何を隠してんのか白状させる!」
「うーん……。ちょっと荒っぽい手だが……このままにはしておけない。親友の僕らに言えない様な事だ。もしかしたら何か危ないことに手を出しているのかも知れないし、そうだったなら親友として僕らでアオくんのことを助けてあげないといけない」
「おいおい。危ないこと?いやアオに限ってそんなことは……」
「無いーーとは僕も思うよ?でも万が一ってこともある」
「わかる」
「そうだな……」
3人ともに親友のことを心の底から心配していた。それほどに彼ら彼女らはお互いを大切に思い合っている。
若干1名。その大切な親友を妄想の中で汚い汁をぶっかけて汚す事に快楽を覚え、倒錯的な性癖に目覚めた最底辺の変態クソ野郎に成り下がっては居るが。
流に汚された妄想の中の幼なじみとは違い現実の3人は未だに邪悪を知らない純粋無垢な心と清い身体を持ち合わせている。綺麗なモノほど汚したくなるという人の性。度し難い。手の施しようがない。
「あっ、そうだ。明日土曜で学校休みだしさ。アオんとこ行ったらそのまま泊まってこうぜ!」
「それいいね。それじゃ泊まる準備してアオくん家に集合だね」
「わかった」
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