無気力社畜、ダークエルフに無理やりオシャレ部屋に改造された(2)
リメイクシートで壁を一新した後、ナーヤは満足げに頷きながら、次のアイテムを取り出した。それは、シンプルな突っ張り棒だった。倦太はそれを見て少し首をかしげた。
「突っ張り棒か…これで何をするつもりだ?」
「いい質問!突っ張り棒って、実はすごく便利なんだよ。賃貸だと壁に穴を開けられないけど、これなら簡単に収納スペースを増やせるんだ!」
ナーヤはそう言いながら、倦太のクローゼットの前に立ち、扉を開けた。中には倦太の服がぎっしり詰まっているが、空間をもっと有効に使える余地がありそうだった。
「例えば、ここに突っ張り棒を使って、ちょっとした仕切りを作れるんだよ。これで上下にスペースを分けて、もっと効率的に収納できるの!」
ナーヤは手早く突っ張り棒を取り付け、クローゼットの上部に簡易的な棚を作り出した。そこに、軽い物を置くことで収納スペースが広がり、倦太の部屋がより整然として見えた。
「なるほど…こうやってスペースを有効活用するのか」
倦太はナーヤの説明に納得しながら、彼女が作り上げた簡易棚を見つめた。確かに、これならクローゼットの中が無駄なく使える。
「さらに、突っ張り棒を使えば、こんなこともできるんだよ!」
ナーヤは続けて、窓際の壁に突っ張り棒を取り付け、そこにカーテンを掛けた。カーテンは部屋を仕切るのにも使えるとナーヤは説明し、倦太はその実用性に感心した。
「これでちょっとしたプライベートスペースも作れるし、部屋の雰囲気も変わるでしょ?」
ナーヤは得意げに言い、倦太は改めて彼女の知識とセンスに感心した。
「本当にいろいろできるんだな、突っ張り棒って」
「そうなの!賃貸だからって、諦める必要はないんだよ。ちょっとした工夫で、部屋をもっと使いやすくできるんだから!」
ナーヤの言葉に、倦太は少しだけやる気が湧いてきた。
次にナーヤが取り出したアイテムは、組み立て式のカラーボックスだった。
「次はこれ!カラーボックスを使って、もっと収納を増やそう!」
倦太はカラーボックスを見て、少し首をかしげた。
「カラーボックスって、こんなの子供部屋に置くやつだろ?」
「何言ってんの!今は大人でも使うよ、特に賃貸とかで簡単に収納増やしたいときにぴったりなんだから!」
ナーヤは自信満々に言いながら、箱を開け、パーツを取り出し始めた。カラーボックスは組み立てが簡単で、工具もほとんど必要ない。そのため、ナーヤはあっという間に組み立て作業に取り掛かる。
「ちょっと手伝ってよ、倦太!」
ナーヤの声に促され、倦太もしぶしぶ手を貸す。最初は不安そうだったが、パーツを組み合わせていくうちに、思ったより簡単であることに気づいた。
「これ、結構簡単に作れるんだな…」
「でしょ?しかも、これ一つあるだけで収納が一気に増えるから便利だよ!今度は、このカラーボックスを縦に並べて、スリムな収納棚を作るんだ!」
ナーヤは手際よく、組み立てたカラーボックスを部屋の一角に配置した。彼女はさらにその上に小物や本を置いて、スペースを有効に使いながらも、見栄えが良くなるように工夫していく。
「ほら、こうするとすっきりして見えるし、部屋も広く感じるでしょ?」
ナーヤは満足そうにカラーボックスの棚を眺めた。倦太もその仕上がりに驚き、収納が増えただけでなく、部屋全体がすっきりと片付いたことに気づいた。
「確かに、これならいろいろ入るし、見た目も悪くないな」
倦太は少し感心しながら、ナーヤの作った収納棚に物を並べていく。その手際に、ナーヤも嬉しそうに笑った。
「カラーボックスって、どこでも使えるし、賃貸の部屋にぴったりなんだよ!倦太の部屋もこれで少しはおしゃれになったんじゃない?」
ナーヤの言葉に、倦太は素直に頷いた。彼女の提案で部屋がすっかり変わってしまったことに少し戸惑いながらも、その快適さを認めざるを得なかった。
「まあ…悪くないかもな」
「でしょ?次は照明だよ!これで部屋の雰囲気を一気に変えてみよう!」
ナーヤはさらに意気込んで、次のアイデアを準備し始めた。倦太はまたしてもため息をつきながらも、次の作業に備えて気を引き締めた。
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