都市伝説のトンネルを抜けたら異世界でした。
@toru19680123
第1話 旅立ち
この山間にある集落からそれほど離れていないところに、人や車が訪れることがなく廃棄された古いトンネルがある。このトンネルには都市伝説が存在した、それは6月6日6時6分00秒丁度にトンネルの出口を抜けるとどこか別の空間に入り込み異世界に転送されてしまうというものだ、当然ながらこの都市伝説の真偽を確認できていない。
智一はこの都市伝説の真相を知りたくなった、智一は2年前に親兄弟を失い天涯孤独の身の上で、友人と呼べる人間はおろか親戚もいない、日々の暮らしは両親の残した保険金を崩しながら生活していた。智一は本当に異世界が存在するなら行ってみたい、そう思っていた。
普段の俺は特定の仕事につかず放浪しているためもっぱら動画配信サイトを情報源にしている。そこで見つけたのがこの都市伝説だった。
ただこの都市伝説は信頼性のない噂として紹介され、場所の情報は一切なかった。
俺はライブ配信の動画のコメント欄に質問を投げてみた。
「このトンネルの噂の出処って教えてもらえないですか?」
流れていくコメントから配信者が質問のコメントを拾ってくれた
「このトンネルの噂の出処って教えてもらえないですか? あっさっき紹介した都市伝説の奴かな、このネタもリスナーさんからの情報なんだよね残念ながら詳しく聞いてないのでわかりませんごめんね!」
そういうことなら仕方がない、東か西か、本州?九州?四国?北海道?離島ってこともあり得るか気長に探すか
俺には両親の他に2つ歳が離れた仲の良い妹がいた、2年前の6月6日に両親と3人で買い物に出かけたとき交通事故で3人とも他界している。
都市伝説に興味を持って配信を視聴し始めたのが1年前、そしてこの都市伝説のライブ配信をみた俺は1年間このトンネルを探し続けた、そして、この山間の集落にたどり着いてこのトンネルの情報を得ることができた。
ただ、この集落でも正確な場所を知っているものがいなかった、情報の信ぴょう性は低いのかもしれない。
実際にこの近くにあるのかも疑問だ
智一は2日間周辺を探し続けたが見つけることができなかった、この集落では車で寝泊まりをしていた、車のナビの地図で道路やトンネルの痕跡を調べてはみたもののそれらしいものは見つからなかった。
一旦、町の図書館に行き古い地図を見てみることにした。
昭和初期に書かれた地図を見たところ、今は集落で道は行き止まりになっていてそこに家が建っているが昔は行き止まりではなく道が山奥に続いていた。
その先には地図上、トンネルの記号が書かれていた。
「ビンゴ! かな」
トンネルの記号の場所は頭に入ったので今から場所を確かめに行くことにした。
集落まで戻り、件の行き止まりの家の裏手に回った、確かに道の様に地面が踏み固められている場所を見つけそこから山に向かって歩き始めた。
木々がうっそうと茂り方向はわかりにくい30分くらい歩いただろうか山の斜面にトンネルの入り口の様なものを見つけた
智一はスマホを確認した、トンネル探しに明け暮れていた智一は曜日の概念を失っていたため今日が何年何月何日と言うことに頓着していなかった。
6月1日 14:50
都市伝説で伝わっている時間まであと5日ある、智一は一度このトンネルを調べるために中に入った。
トンネルの中に入ると奥の方に微かに光が見える多分出口だ、智一は用意していた懐中電灯を片手に遠くの光に向かって歩き始めた。
地面は煉瓦を敷き詰めた石畳が続いていた。先に進むにつれ小さかった光が徐々に大きくなり、15分ほどで出口にたどり着いた。
出口を抜けても道はなく木々がうっそうと茂っていた。
今日は何も起こらなかった。
智一は、一旦集落に戻り6月6日の決行に向けた準備を始めた。
異世界に行く可能性があるなら、食料とか異世界の状況、魔物がいるとかわからないためサバイバルグッズを準備することにした。
車で大きな都市まで移動し、サバイバルナイフや動きやすい服装、寝袋、エアガン、食料、水を調達することにした。
6月5日の夜、智一はトンネルの近くでキャンプを張り、翌日の準備を整えた。彼は持ってきたサバイバルグッズを確認し、万が一のためにエアガンの使い方を再確認した。夜が更けると、智一は星空を見上げながら、妹や両親のことを思い出していた。
6時5分00秒、智一はトンネルの出口にたどり着いた。時計の秒針を確認しながらその瞬間をまった、00秒に合わせ出口を出た瞬間、周囲の景色が一変した。目の前には見たこともない風景が広がっていた。青い空、広がる草原、そして遠くに見える奇妙な建物。
都市伝説は本当だった振り返ってトンネルの出口を見たがそこには洞窟の入り口が口を開けていた。試しに入ってみたが元の世界に戻るということはなかった。
智一は草原を進み、遠くに見える奇妙な建物を目指した。しばらく歩いていくと背後に気配を感じ振り返った、「えっお兄さま? なんでここに?」
「ちょっと待って お前は誰だ?俺には確かに妹が居たが2年前に事故で死んでいるし、顔の面影はあるが目の色と髪の毛の色が違う」
「お兄さま、智一お兄さま、信じてもらえないかもしれませんが、あの事故にあったあと気が付くとこの世界に居たのです。そしてこの姿は私がこの世界で生きていた時と同じ姿なのです。」
「お兄さま、私の本当の名前はリリエールという言います。もともと私はこの世界の王女として生を受け暮らしていました。この世界は戦乱が絶えず戦いの中で命を落としてしまったのです。その時私は、あなたの世界のあなたの妹の体に王女の記憶を残したまま転生したのです。私はお兄さまあなたの事をずっとお慕い申し上げていました。この様に再会できるなんて・・・・」
この娘が言っていることを全面的に信用することはできないが、俺にはずっと隠してきた想いがあったそれは妹に対する深い愛情だった、もともと今の様にお兄さま、お兄さまと懐いていて正直、妹であることを恨んでいた、血の繋がらない兄弟であれば妹をもっと愛することができたのにとそのため妹を失ったとき自分の人生も終わりでよいとそう思っていた。
「俺は妹が大好きだった、失ったとき後を追うことを考えたが、後を追うことができなかった、君が薫で君の言っていることが本当ならこんなにうれしいことはない、リリエール、君は本当に薫なのか?」
「はい、私はお兄さまに信用していただけるまでいつまでも待ちます。今でもお兄さまをお慕いしています。私の願いをかなえていただけるのなら私と共に来ていただけませんか?」
リリエールは薫だった頃の兄との思い出を思い出していた、智一と過ごした日々を
薫が学校の宿題で困っていたとき、辛抱強く教え、薫が理解できるまで一緒に勉強に付き合ってくれた、一緒にゲームをしたり、アニメを見たりしてくれた、薫が病気で寝込んでいたとき、看病をし食事を作ったり、薬を飲ませたりしてくれた、小学校の頃、薫がいじめられていたとき、智一が彼女を守り、いじめっ子たちに立ち向かってくれた、薫が見たがっていた星空を一緒に見に行ったり、彼女の好きな場所に連れて行ってくれた。
そんな記憶がよみがえり、リリエールは頬を赤く染めるのだった。
リリエールとして生きているこの世界なら智一お兄さまとも結ばれることができる。この世界で智一とずっと一緒に生きていきたいそう思った。
リリエールの生家である〇〇王家は〇〇王国の直系の王族であり、リリエールはその第一王女だった。リリエールには父、現王と側室の間に弟がいてその弟が第一王位継承権を持っている。
「薫 いや、リリエールはなぜこんなところに居たんだ」
「智一お兄さま、いえこれからは智一さまとお呼びいたします。これからは私の伴侶として共に生きていただきたいのです。ここに居たのは夢でこの時、この場所に来るように啓示があったからです。 それしか説明のしようもありません申し訳ありません」
「そうか、わかった俺は、いまでも薫、すまない会ったばかりなのにおかしいかもしれないが、リリエールお前を愛している。この世界で生きていてくれて本当によかった。お前がそう言ってくれるなら、俺もお前と共にありたい、この異世界でお前に会えて本当によかった」
「智一さまって 呼びなれなくて恥ずかしいですがまずは王都に向かいましょう。この世界は私が地球から戻り過去の記憶を使って戦乱に対応したことで今は落ち着いていますが今後のことはわかりません ここまで私は転移魔法を使ってきました。本来、王女である私が単独で行動することが難しいのですが、夢の中で転移座標も伝わってきたのでもしやと思い転移してきました。転移魔法は沢山の魔力が必要で王都からかなり離れていてすぐには回復することができません、一時的にそこに見えている町に向かいます。」
「わかった」
「この世界には地球には存在しない魔物や魔法、魔導具が存在します。王都までの道中気を引き締めていきましょう」
「うん よろしく頼む」
そして2人は町を目指して歩き出した。改めて周りを見渡した智一は自分が住んでいた地球との違いに驚いていた。
「リリエール、歩きながらで良いから教えてくれ、お前はこの世界で生まれて戦乱に巻き込まれて地球に転生したんだったよな、それで俺の妹になった。」
「そうです。智一さまに大事にしていただいたことは今でも忘れません、この先の未来の為に略式ではありますが私と将来結婚すると契約を結んでいただけませんか、婚約の契約魔法によりお互いの魔力共有や双方を絶対に裏切らないという固い絆が結ばれます。」
「そんなの妹だったのだから当たり前だし、俺は本当にお前がかわいくて仕方なかった。生きていてくれてありがとう、そしてその契約はもちろん受けるよ」
そういってリリエールも頭を撫でた。そして婚姻の契約が結ばれそれぞれの手のひらに誓文が刻まれた。
「では、現状を簡単にご説明しますね」
そう言ってリリエールは状況を話始めた。
リリエールによれば、自分が〇〇王国の第一王女であること、側室の生んだ弟がいてその弟が第一王位継承者であること、弟や国王、皇后、側妃とは円満な関係であること
自分自身は自由な身で婚姻についても自由な裁量をあたえられていることを教えてもらった。
但し、リリエールの器量と容姿に魅せられ政略的な条件を盾にものにしようとする動きもあるようだった
街に向かって草原から街道に入った、そこで街道を進む商隊に遭遇した荷馬車数台と騎乗した護衛数名で構成されていた。
自分たちが徒歩で移動しているのと、智一の身なりが特殊だったため声を掛けられた
「あまり見かけない服装ですが、どちらから来られたのですか? この先街までは少し距離があります2人では危険ではありませんか?よろしければ街までご一緒しませんか?」
「ありがとうございます。ご一緒させてください」
そして商隊が街に向かって動き出した時、先ほどまでいた草原のなかから轟音が響き、地中から何かが強大な塊が這い上がってきたのです。
這い上がってきた巨大なゴーレムの肩に何者かの幻影が現れました。
「あなた方はこの先には行かせませんよ! ここで死んでください」
幻影が何かを唱えるとゴーレムは石の礫で攻撃してきました。リリエールは咄嗟に広範囲に魔力の盾を展開し礫の攻撃を防ぎました。
リリエールが魔力の盾でゴーレムの攻撃を防いだ後、智一はエアガンを構え、ゴーレムの弱点を探し始めました。リリエールは智一に向かって叫びました。
「智一さま、ゴーレムの胸部にある魔法石が弱点です!そこを狙ってください!」
「そうはさせん 死ね」
ゴーレムはまた礫を繰り出してきます。リリエールは盾を展開して防いでいるため攻撃に移ることができません、その時、商隊の護衛の魔導士が礫をロックブラストで撃ち落とし始めました。
「助かります。智一様、エアガンでゴーレムの胸を打ってください私が打ち出した弾丸を魔法で魔法石を砕けるまで強化します。」
「頼む、行くぞ砕けろ!」
ゴーレムは沈黙し肩に座って指図していた幻影も姿を消したようです。幻影はゴーレムの目から情報を得ていたようです。
智一達は無事危機を達することができました。リリエールは商隊の商会長に改めて自分が〇〇国の王女であることを明かしました。
「ここは〇〇王都からかなり離れた辺境の地です。我々も王都には用事があるので、もしよろしければこのまま王都までお供させてください。」
「それは願ってもないことです。無事王都までたどり着いた暁には父に紹介させていただきます。」
「リリエール王女さま、馬に乗ることは可能ですか?」
「はい、乗馬は可能です。」
「では、街で馬を調達していただきます。智一様とお二人で馬で移動してください」
「了解しました。」
「それと、先ほどのゴーレムと操っていた幻影に心当たりはありますか? それと今日はここで野営しましょう」
地球から転移してきたばかりの智一が命を狙われるのは考えにくい、であれば、私を狙った?なぜ私の行動がわかった?リリエールの疑問は深まっていった。
この商隊も疑うべき?いやいや、疑う理由がない、リリエールは一旦、智一に相談することにした。
智一は、リリエールに同じテントで過ごすことに承諾を貰い地球を出るときに準備していたテントと寝袋2つをリュックから取り出した。
そして、テントにはリリエールに隠蔽魔法をかけて貰った。
「これで会話が外に漏れることはないです。智一様どう思いますか?」
「商隊に間者が潜んでいることは考えにくいと思う、全員が仲間なら考えられるが誰か一人が間者というのはまずありえない」
「私もそう思います。」
「ここに来ることを知っているのは? 誰かに話をした?」
「はい、いなくなって騒ぎになっても困るので執事と侍女には話しました。信頼はできると思いますが、ただし、執事の方は雇い入れて1年半しかたっていません」
「それは、執事が怪しいかもしれないね君の信頼を得て常に行動を把握して、今回みたいに君が一人になる状況を狙ったのかもしれない」
リリエールは自分が地球での記憶とその前の戦乱に巻き込まれて死んだときのことを思い出した。
この前世の戦乱で得したものが居て、今世では私が戦乱の火種を消したことによって戦乱が起こることなく損失に繋がり私に恨みを持っている何者かによる陰謀ではないかと考えた。
その何者かによって送り込まれた間者なのかもしれない、戻る道中も警戒が必要だしその執事は多分もう城にはいないだろう
「智一さま、私を狙っているものの目的は見当がつきました、前世では私が火種を消した戦乱に乗じて利益を得たものが居たのです。そのものが今世で策略を妨害した私に報復しようとしているのでしょう、狙われていることが分かったのなら商隊とは別行動をとりましょう彼らを巻き込むわけにはいきません」
「リリエール、そうしよう俺もその意見に賛成だ」
翌朝、智一は商会長に話をして街まで一緒に行動し馬を調達してもらったらその馬で先に王都に向かうことにした。
道中を急いでいると見通しのきかない木々の間から突然、人為的に作られたゴブリン、ゴブリンエンペラーが現れた。
ゴブリンエンペラーは木を根元から抜き取りリリエール達に向けて投げつけてきた。
「えっ ゴブリンエンペラーがなぜここに こいつも誰かに操られているようです智一様注意してください。」
「わかった、でどうすればいい?」
「額の魔石を破壊します。手伝ってください。」
智一はエアガンを構えてゴブリンの額を狙った、狙いに集中して「行け!!」同時にリリエールが弾丸に魔力を込めた。
魔力が込められた弾丸は見事、ゴブリンエンペラーの額の魔石を破壊していた。
「痛っ ううううう」
智一は倒れた抑えている腹部には木の破片が刺さり出血がひどい
「ヒール お兄様! しっかりしてください」
リリエールは必至に回復魔法をかけ続けた。
「やだ 死なないで お願いだから」
リリエールの必死の回復魔法によって智一は一命をとりとめた。
「悪い、狙いに集中しすぎたみたいだ 油断した、回復ありがとう 助かった」
「いいえ 私ももっと奴の動きに注意するべきでした 助かってよかった。」
リリエールは涙を浮かべながら智一を見つめた。
このまま旅を続けるのも危険ですね、一旦、近くの町に拠点を置いて相手の動向を探り父上、兄上と連携しつつ相手をつぶしてしまいましょう
近くの町に着くと宿屋に拠点を構えることにしました。
「智一さま、ベットが2つあるお部屋で滞在するしばらくご一緒させてもらってよろしいでしょうか?」
「俺たちは結婚の約束をしているんだし、リリエールが良いなら俺は構わない」
「ありがとうございます。」
部屋は広くテーブルに椅子も用意され作戦を練るにはもってこいだ、2人は早速いまの状況整理と今後について話し合った。
「前にも話しましたが智一さまが狙われているのは考えにくいし、相手の魔導士が魔物を使役して狙ってくるので大きな組織が裏にある様に思います。」
「リリエールには何か心当たりがあるのだっけ、そういえば戦乱が起こるのを防いだことで不利益になった奴がいるって言ってたよな 執事を雇い入れた奴か」
「はい 宰相のゴーウェン侯爵です。 彼の口利きでかの執事を雇い入れました。 宰相には弟と同じ年ごろの娘がいます。そして前世ではクーデターの首謀者だった可能性もあるのです。」
「現王族に変わって国を乗っ取ろうとしているってこと?」
「今世では、クーデターの火種は私が消してしまったので内乱の心配はありませんが、弟と娘を結婚させて、その後、弟に父を殺させるというシナリオを考えていて、残った正妻の子である私が邪魔になると考えているのかもしれません」
「リリエール、宰相のゴーウェン侯爵が弟とその娘を結婚させて、弟に父上を殺させるというシナリオを考えているのかもしれないと言っていたけど、具体的にはどういう計画なんだろう?」
「そうですね、智一さま。ゴーウェン侯爵は非常に狡猾で、長い間計画を練っていたと思います。彼の計画は以下のようなものだと考えられます。」
婚姻の強制: ゴーウェン侯爵は、自分の娘とリリエールの弟を結婚させることで、王家に対する影響力を強める。これにより、弟が王位を継承した際に、実質的な権力を握ることができる。
王の暗殺: ゴーウェン侯爵は、リリエールの弟を操り、現王を暗殺させる計画を立てている。弟が王を殺すことで、王位継承の正当性を主張し、混乱を避けることができると考えている。
リリエールの排除: リリエールが生きている限り、彼女が王位を継ぐ可能性があるため、ゴーウェン侯爵は彼女を排除しようとしている。これが、彼女を狙った攻撃の理由である。
権力の集中: ゴーウェン侯爵は、自分の娘を王妃にすることで、王家の権力を完全に掌握しようとしている。これにより、彼は実質的な支配者となり、国を自分の思い通りに動かすことができる。
「なるほど、ゴーウェン侯爵の計画は非常に緻密で危険だね。リリエール、君の安全を確保するために、まずは王都に戻って父上や弟と連携し、ゴーウェン侯爵の陰謀を暴く必要がある。」
「はい、智一さま。私たちが王都に戻るまでの間、警戒を怠らずに行動しましょう。そして、父上や弟に真実を伝え、ゴーウェン侯爵の計画を阻止するための準備を進めます。」
二人は宿屋を出発し、王都に向かって旅を続けた。道中、リリエールは智一に魔法の使い方やこの世界の常識を教えながら、彼の成長を見守っていた。智一もまた、リリエールを守るためにエアガンの使い方や戦術を磨いていった。
王都に到着した二人は、まずはリリエールの父である現王に面会し、ゴーウェン侯爵の陰謀について報告することにした。
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