第14話 天使介入のお知らせ!注意!
双子の運命は、もう一人が『魔王』になったことで、天秤が傾いた。
レガート王国の存亡と、魔王たち魔族たちの命の存亡だ。魔族を対象して殺すのが天使たちのしごとだ。レガート王国に別々な色違いの双子が生まれたのは吉兆だった。この二人が手を合わせ、魔族を滅ぼす手段であるはずだった。
猫の手を借りるようなものだと君たちは思うだろう。
本来、天使も魔族も同類なのだ、、。
倒すには人間の魂が必要とされる。
ーーー天使会議『終末期』ーーー
「そういうわけで、今回、レガート王国の双子の子の片方に魔族の烙印を押し込んだ、元天使だったレイギスを刈り取ってきた。」
ざわざわ。よそよそ。がやがや。
レイギスは今まで、フィーヨルを見せびらかすことが趣味だったが、今回は自分が晒される番だった。しかも、天使界では醜い部類に入る、長い爪、長いまつ毛、化粧した白粉。それらをボロボロにされて、ボサボサのただの長い髪と、しゃがれた声、痩せ細った青白い面持ち。全体的に骨張っていて、死体のようだ。汗すら流せない囚人だった。
「今回のことで厳重に魔帝国『ダンデア』により注意してください!もしかすると、帝国が魔族を遣すかも知れませぬ!」
「議長!今回はそれだけですか?」
手を挙げて、レイギスを少し見やって、天使会議長を面白そうに見ている天使が一人。
「そうですか?何か?ーーアルナード天使」
そう、名を告げられた天使、黄金の髪と少し褐色の肌、緑色の瞳。幼い頃は書記長官として天使会議に参列する!といきまいていたから覚えていた。結局は他の天使のように飽きて、凡人になってしまったが。
「レイギスの処分に不満が。彼に更生の余地をーー与えてくれませんか?オレならもっと上手くやれます。」
ーーーそれを聞いた、死刑間際のレイギスは驚いた。ここにいた天使たち全員もだ。
ーーーー☆☆☆……………ーーーー
中央國に行くまで、少し砂漠から(学者が言うにはクレーターとか言うものらしい。)離れながら歩きの旅で休み休み、移動する、ヴィクスたち。
オアシスはどこかにないかとか空が飛べればいいなとかたわいもないジョークを飛ばしてなんとか乗り切ろうとしていた。
移動はともかく、食事だけはなんとか事足りた。
ノワール、、、もとい『マーリン』と名乗った『レイギス』の天使だった頃の遺産、、魔法道具で銀の皿は、そこに木の実を乗せてみれば、美味しい果実になる仕掛けの魔法皿だった。最初は幻惑かと思ったが、二人とも口つけてみると、美味しい果実で、なんとか水分と糖分だけは取れることでノワール様さまと言う状態だった。
そうこうしているうちに何日かめの朝日が照らした時、それはいた。 正確にはそれら。
黄金の髪のいかにも明るい健康的な肉体の羽根の生えた男性と、そこそこ見栄えがするようになったレイギスだった。
対照的な陽と陰の二人を見やって一番慄いたのがノワールだった。猫のままでもそれは見てとれた。ーーそう、かんのいい読者は気づいているだろうが、ノワールはレイギスの下僕魔獣なのだ、、たまたま猫の姿に似ているだけだ。
突拍子もなく、天から降りてきた彼らはーー自慢してきた。。
「俺たちの飛行船に乗っていかないか?」
そう、アルナードは、天から、空へと降りてきたのだ。
ヴィクスとバーバリーにとっては、それより、背中の羽の説明が欲しかった。
天使族なんて、世界創造の学習でしか知らない生き物なのだから..!。
その滅びたと言う伝説が目の前に!
これで驚かないやつは現実的だ。もしくは見えてないか。現実逃避的ではある。
魔族同士の従僕関係でレイギスはノワールに内心で命令した。(まだそれらの魔力は残っている。)“絶対にダンテア出身の魔獣であることを言うな?!自分とは関わりないことを示せ!”猫のノワールは“みゆー“と一声寂しげに鳴いた。頭を垂れている。不安だった。レイギスにとって。その行動は。
しかし、関せず、ヴィクスたちはアルナードに声かけている最中だった。運のいいことで。
なんでも、アルナードは天使会議での運命論をペラペラ喋っていた。運命を覆そうだのなんだの怪しい宗教みたいだ。
もちろん、バーバリーは胡散臭すぎるだろ!といって、ヴィクスを止めようとした。
しかし、これで北まで一直線なのだ。
そういうヴィクスの言いたいこともわかっていた。
背に腹はかえられぬ。
怪しい二人組に連れ込まれるように空を駆ける船へと乗った。
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