第9話 南の帝国ルドールでの生活、、そして、、双子は未だ、、
ヴィクス、バーバリー、ノワールは南で荷台に乗せてくれた、『コシュン』と言う行商人達の荷馬車に乗せてもらい、難なく入国できた。こうやって行商人達の荷馬車に乗って密入国することはよくあるらしい。ルドール帝国はそんなに頑丈ではなかった。商売さえできれば子供でも成人のように金が手に入る。
一つ難点があるとすれば、チーキルを神話時代からいると言う生き物として祀っていることぐらいだ。
聖杯堂もあるぐらいだ。
ルドールの背景はこれくらいにしておいて3人の入国した後を追おう。
「いらっしゃいませ!!こちらは、西の画人、『チュンライ』が描いた逸品!『創世絵巻』だよー!!少しばかり見てってーー!コフイール飲みながらどうですかあ?」
ヴィクスは意外と売り子をうまい具合にやれていた。
容姿がいいのがウケが良かったのだろう。それにスタイルが最近の東の国らしいドレスに着せ替えてもらって、くびれや、そこはかとなく上品な胸元が、チラチラ見える。
商売としては、『夜』の方が儲かりそうな程、変に美しい。小さな規模の行商にしては売り子として目立っていた。
一方、バーバリーは違う意味で悪目立ちするので、盗人相手に脅してもらうと言う用心棒として雇ってもらえた。
ノワールが人間だと思うのは南にはいなかったので、彼は猫のままでいた、、。南では魔法が御法度なのも大いに影響していた。
夕方に入り、行商人の団長が、コフイールを熱々で淹れてくれた。眠気が飛ぶと言われている、強い苦い煎茶のようなコクのある飲み物だ。
少しばかり遠慮しようと思ったが、これに関しては郷に入れば郷に従うと言う方が付き合いとして良いだろう。3人はありがたく頂戴した。
「さーて、ありがとうさん!お疲れ様!いやー今回ほど売れたのは初めてだよ!いいねえ、アンタさん方。これからもわし達の仕事これからもどうですか?行商人に勤めませんか?行く宛のない旅と聞きましたが。」
二人と一匹は見つめ合って、うん、ん、とうなづいて、少しばかり遠慮深くお断りした。
「ここで商売の手伝いしたのはここでの情報と金目当てさ、、。なにしろ、北国に用事があるもんで、、中央國を通らずに北国に行きたくてね。」
バーバリーが申し訳なさそうに言うと、相手も悟っていたのか、ただ単に誰にでも今のようなおべっかを使っていたのか、簡単に納得してこれ以上薦めなかった。
夜に入って寒くなると、専用のテントをくれた。旅に使うといいと言って。
これにはヴィクスもありがたく丁寧に感謝した。今日は疲れていた彼女に笑顔が自然と浮かんで可愛らしいな、、とバーバリーは暑さでやや阿呆なことを思った。彼女が現在、着ている、少し独特のスリットがあるドレスのせいもあるかもしれない。
ーーー夜更けーーー
「『コシュン』の姐さん女房が言っていた。北国は魔法の国だと。ただ、ノワールのようなお伽じゃない。龍や獅子や蛇などの怪物魔術だ。暗黒時代から抜けきっていないそうだ、と。」
「うん、情報収集ありがとう。で、他にもありそうだね、その顔は。」
【そうですね、北国には彼がいるはずです。何か得られましたか?】
バーバリーはひと息呑んで丁寧に言った。
「ーーー時期、魔王の位として。、。レガート王国からきた、正確には売られた、王子が候補として上がっているらしいぜ。」
今度はヴィクスが息を殺す番だ。
覚悟はしていたことだが実際に起こりそうだろとすると、呑気にコフイールを味わっている場合じゃない。
「私の双子が、、魔王候補、、、。。」
ノワールがニヤニヤしているのに誰も気づかない。猫のままでいたからだ。
ーーーー北国『ダンデア』ーーー
暗黒城ーー地下室にて。
水晶玉を見てほくそ笑んでいるものが一人。
いつしか、館にて、『マーリン』と、名乗った者だった。
彼は、ノワールを通してヴィクスのことを観ていた。
見張っていた。
その後ろには、鎖で繋がれた、銀と青色の王子ーーーーー。
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