第7話 捕縛されたけど、脱獄しまーす!
突然だか、ヴィクスはバーバリーと一緒にレガート王国の関所でお縄になった。
上の方に連絡すると、ものすごい息を巻いて、一般兵は怒っていた。そうだろう。王女は血眼で捜索がなされている状態である。
どうやら、そこら辺の馬の骨と婚約して国外に行こうとしている途中だと勘違いされているようだ。
ーーーヴィクスは余裕があるーーなぜなら、夜になれば、ノワールが青銀の隠れ布を持ってくる手筈になっている。
二人とも、門番には捕まる算段だったのだ。
月明かりが牢を照らす頃、ノワールは衛兵たちを得意の催眠術で寝かしつけて、ヴィクスたちの部屋に赴いた。
少し、苛立っているようだが。それもそうだろう。無駄なことはしたくないのだ彼は。
【ご主人様、、、お静かに、、今から鍵を開けますよ。】
(ありがとう)(助かるぜ幻術使い様。)
口パクで礼を言うヴィクス。とバーバリー。
ーーー二人は少し狭い中隠れ布をかぶって静かに静かに門兵を起こさず隠れて姿隠してーーとうとう、レガート王国の敷地から逃れた。
初めて踏む石畳ではない草原の湿気のある大地を踏み抜いた後の感動的な瞬間はヴィクスだけの特権だ。
「良かったわね!作戦通りに行ったわ!」
「ええ!奴さんすごい美しい上に貴方様の役に立てて羨ましい!俺にもいつか頼ってくださいよう?」
【奴さんではない。。ノワールです..】
三者さん用の感動を味わって、レガート王国から逃げるための馬などが必要かもしれないと、3人は相談しながら、だんだんと、、歩いて、王国から離れた。
3人と言うより、歩くのになれていない、ヴィクスは5時間で根を上げた。
「も、もうダメーーー、、ぜええはあ。。疲れたーー。」
「行くのは、北ですからねえ。方向は間違えようがないんですが、どうにもこの装備だけじゃ心許ないですね。」
【とりあえず、先に北の帝国よりも遠回りして南で商売をしましょう。算段はついてます。】
「そうだぜーーミナミなら人間どもが俺たちにも優しくしてくれるからな、、ところで金の必要性はお前の首で手に入るぞ、、ミナミもなあ。。」
ーーーふ、と会話に入り込んでで来た声があった。
3人が目を向けてその声の主を見ると、野生の人間もどきーーいわゆるーー猿の顔をしたキメラのような怪物チーキルだった。
「どうやってここに私がいることを知っているか知らないけど、検討はつくわ。いいわ、襲いたいならかかってきなさい。いい!?ノワール!お願い!!」
チャキンっと宝剣ではない、バーバリーたちの友達からもらった銀色の刃を構えた。
【私としてはこの能力を当てにしてもらうのはお勧めしないのですがね。】
【そうだ!ご主人様!ここまで来たら、私の手段を使わず、自前で戦いください。、。】
潔くチーキルの方に睨みを聞かせていたのにも関わらず、ついうっかりノワールを見て驚いたヴィクスは敵に隙を与えてしまった。
チーキルがヴィクスの目前まで来て、影を落とす頃、隣から、長剣をチーキルの右耳から頭を貫いて、左耳にまで貫通させて刺し殺したのは、バーバリーだった。
「いけませんぜ、お嬢さん、敵に隙を見せるなんて半人前ですぜ。。まあ、、そもそも貴方がこんな粗野なところにいるのがいけないんですがね。。そう言うわけにいかないからここに私がいてくれて良かったと思ってください。」
ーー「俺は役に立てましたか?」
ヴィクスは素直に頷き抱きついた。
ーー「ありがとう。許して。」
これでは旅路が思いやられるなぁとノワールは思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます