第6話 眼帯傭兵の恩返し。ドゥーリスの人望。

昔、戦争があったのは知ってますか?そうですよね。お嬢さんが生まれる謂れともなった中王国条例の破り戦争ですぜ。知っていましたか。。

戦場では俺たち國兵でもない、金目当てで集まったロクデナシはゴミのような扱いで命を捨てていった。国に使えるほどの金を持っていなかったのさ。だから身一つで国のためにいくってんさ。

確かに金目当てだよ。だからといって、他の貴族たちと違い、ドゥーリス様は俺たちにも鼓舞を与えてくださった。兵士とも平等に扱って真摯に相談などにも乗ってくださった。俺はドゥーリス様が危ない時はすぐさま駆けつけてやろうと、心に決めたぐらいさね。あんなに美しくてお優しくてお強い方はそういない。


そして戦場。

あの方を狙ったクロスボウがあの人の乗っていた馬を射止めた時。。俺は死に物狂いで駆けつけた。そして、相手軍将のクロスボウがあの人の黄金の瞳をいぬこうとした時、俺は犬のように忠実に彼を守ってみせた。俺の片目が射抜かれたのを見て、あの方は、怒り、敵軍将を馬の差分があるにも関わらず図太い刃で惨殺した。惨いと思うがそれが戦場だ。あの方は戦争を終わらせた。

勝鬨を上げれたのは俺のおかげだと言って、病弱の妹のためによくそこまで働いてくれた。。ありがとう。と、いつか礼を出す。と、言っていた。ーー俺の病弱の妹なんてでっちあげなのによ。。


その後日、その時の言葉が本気だったと知って、俺は腰を抜かした。たんまりと金貨をくださった上に、医師を見繕ってくれたのだ。医師が来たので、俺は妹のことを正直に嘘だと自白した。

そうしたら激怒するところがいきなりイキイキと笑い出して、『そんな嘘ついてまでこの私を助けてくれたのか!!ますます礼をやらんとな!』と俺の肩をバシバシ楽しそうに叩く。その時さ。俺はもう一生嘘をつかねー!この方に何か報いたい!と!誓ったのさ!


ーーーーー○○○ーーーーー


「おじさんの長い話はもう終わり???」ヴィクスはジトーとした胡乱げな目つきで見ている。

その目つきを見て、彼女の不満が理解できたのか、、慌てて、頭を垂れる眼帯。

「すみませんすみません!!嘘つきましたね、、昨晩は。。しかし!!本当ですでこの話と俺の眼帯の曰くは!龍の神に誓って風の神に誓って、黄金の海賊に誓って!」

その慌てぶりを見て、何か眼帯が可愛らしく思えて、ふふっとヴィクスは息を漏らした。

「いいよ、宮殿中でああいうのは慣れてるし、もうお礼とお行儀は終わりにしていいよ。父への気遣いはとても嬉しいです。」

ーーーふ、と思い出す。そうだった。これからこの王国を出るのだ。

これから旅の楽しみには道連れが必要だと思った。

「ねえ、眼帯のおじさん、名前、、なんていうの?」

突然のことに対してキョトンとした後彼は言った。礼を正してから。

「俺の名前は、俺の曾祖父さんから受け継いだ名前で、バーバリーと申しやす。性は名乗りません。ウチはそういうのじゃないんで。」


ーー「それじゃあ、、バーバリー、、これから私、この王国を出るの。あなたの仲間たちに連れて行きたい人がいたら一緒にでもいいし、あなただけでもいいから、ノワールと一緒に私と共に来て。一応言っとくけど、私はレガート王国から出たら賞金首よ。」ーー

彼に手を右手を差し出して宣言した。

今現在、鳥の鳴き声が轟く。朝日が彼女を照らした。黄金の瞳は美しく、反射していて輝く月のようだ。赤い髪が光浴びて炎のようだ。


ーーー息を殺すと、バーバリーはなぜか頭を垂れる。


そして貴族騎士がするかのように彼女の手の甲をとって口付けをした。

「何なりと、、地獄の果てでもあなたに。忠誠を。」



まるで、絵面が異世界の中世のようだ。


黒猫に戻ったノワールがニヤニヤして笑んでいる。







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