第7話 抜き打ちテスト
一晩寝ると、彼の言う通り身体は全回復した。なので、今日から訓練に参加するように言われた。訓練の内容は、基礎体力をつける練習と一対一の勝負の練習などだった。朝の8時から16時まであり、かなりきつかったが、生活費を稼がなければいけないので頑張った。
ちなみに、一対一の勝負の練習ではイチカという人とペアになった。「あなたなんて楽勝よ、眼帯野郎!」と大口を叩いていたが、実際には僕と同じくらいの強さだった。っていうか、なんでみんな僕を「眼帯野郎」って呼ぶんだよ…。
結局、引き分けで終わったが、話していくうちにイチカとは結構仲良くなれたので嬉しかった。
そんな感じの生活を続けること一か月。突然、テストを行うという連絡が伝えられた。テストの内容は、三日間無人島で生き残るというものだった。ここまで聞いて、僕は「なんだ、簡単じゃないか」と安心していた。しかし、やはりここは能力者がいる無人島。普通の状況ではなかった。
始まる前にランクが書かれたバッジを一人一つ渡され、終了時点でバッジを一つ以上持っていれば合格。持っていなければ不合格。そして、持って帰ってきたバッジの数が多ければランクが上がるという仕組みだった。また、島の中では殴る、気絶させる、殺すのいずれも許されると説明された。
Eクラスの僕たちからすれば、かなり不利な戦いだ。
しかし、もう移動が始まった。1時間ほど目隠しをされたまま移動し、島に到着。数分歩かされて「指示があるまで目隠しを取るな」と言われ、待機していた。
「始め!」という声が聞こえた瞬間、目隠しを取ると、そこは今までの島とは全く異なる場所だった。辺りを見渡すが、誰もいない。しかし、人の気配を感じた。
僕は森の中へ入り、目立たないように隠れた。今回の試験は、昇進を狙わなければ戦う必要はない。もちろん、昇進なんて興味はない。ただ、バッジを狙ってくるやつがいるかもしれないので油断はできない。
とはいえ、僕は特にやることがなかった。衣食住を確保する必要はあるが、今回参加しているのはEランクの人たちだけだから、食料がなくなることはないだろう。
暇だから、イチカでも探すか。そう思い、僕は動き出した。
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「ここは…?!」
私は目隠しをされたまま山奥に連れて行かれた。目隠しをしながら山を登るのは、正直とても怖かった。
「始め!」という合図が聞こえ、目隠しを取る。しかし、そこは全く知らない場所だった。
とにかくどこかに隠れなければと思い、近くにあった建物に入る。人の気配がしなかったので、建物の中を探索していた。
「誰かいるか?」
突然の声に、頭が真っ白になった。幸い近くに鍵のかかる部屋があったので、足音を立てないように急いでそこに入った。鍵を閉め、私はベッドの下に隠れた。
しかし、しばらくすると足音が近づいてきた。そして、ドアが壊れる鈍い音が響く。そいつは何のためらいもなく、ベッドのそばに来て、瞬時にベッドを粉々にした。
「え…?どういうこと…?」
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