第4話 冒険者として
ーーーとりあえず多々思いがけないことはあったものの
なんとか勝利を収めたレンガとダイヤは村へ戻ることにした。
能力について。あの牛の化け物の名前や目的。
能力を使ったら急に元気がなくなったのはなぜなのか。
それからーーー…
あの牛は何処へ消え、あのハンマーの人物は何者なのかー
知りたいことは山ほどある。
だがとにかく村に行って落ち着きたいーーー
…それから無心で歩き続けてーー村が見えた瞬間体が脱力した。
安心したからだろう。ダイヤとお互いもたれかかる状態で
脱力し、力が入らず一歩も動けなくなった。
遠くからユタの声が聞こえるーーー…
ーー目が覚めたときにはベッドの上にいた。
どうやらユタが寝かせてくれたようで、隣にはダイヤもいる。
落ち着いてからユタに森の中での話をした。
だがハンマーの人物の話、それから牛の化け物が
消えたことを伝えた瞬間目を見開き、
「…お前さんたち、新7教を見たのか」
と慌てた様子で聞いてきた。
「新…7教…?」
わけもわからず戸惑っていると
目覚めたらしいダイヤが
「…やっぱそうか…」
と何故か納得した。
「新7教…ってなに?」
聞いてみるとーー
どうやら今現在『終焉指名手配犯』と呼ばれる極悪人が
5人存在しているそうだ。
そのトップに君臨している『神様』と自称する者が作った側近が新7教だそうだ。
そして先程のハンマーは『ペタトラ』と呼ばれる人物で、
詳細はわからないが今まで出向いた討伐隊は全員死体すら残らず忽然と消えたそうだ。
ーーそして、この『終焉指名手配犯』に立ち向かうために生まれた『本部隊』という組織。
これが今冒険者が増えている原因でもあり
皆の希望であり憧れだそうだ。
「…なるほど…」
なんとなく理解はできた。
「…ちなみにあの牛の化け物は何かそれ関連の人物なのか?連れ去られていったけど…」
「その特徴は恐らく『ガウモウ』という人物…この村出身の人で唯一犯罪を犯した人物だが言ってしまえばただのチンピラだ…」
ダイヤが語る。
…ん?この村?
「え…もしかしてダイヤってこの…」
「あぁ、そうだ。ラダ村に住んでいる。」
ユタが淡々とそう言い、続けて
「だが彼の両親は数年前に亡くなっている…新7教第3教徒『ノルマ』によってな…」
「ちょユタさんそれは言うなって…」
ダイヤが止めるも聞いてしまったものは仕方がない。
「そっか…それで復讐のために冒険に?」
「…ま、そんなところだな…!」
ダイヤもしょうがないと思ったのか答えてくれた。
「で…お前さんたちは冒険者になるかどうか…だがもう結論は出たな!」
うん、と頷き立ち上がるーーが、力が入らずよろけるーー
…気を取り直してゆっくりと立ち、宣言する。
自分は…いや自分たちは…これから「冒険者」になって…
沢山仲間を見つけてーーー…
話し合いで解決なんて無理だろうけどせめて殺さず
悪人を捕まえる!!
それが自分の思う正しさだから!!
これが自分の…自分たちの物語…
名付けて
『知己戦線レンガ』 だ!!!
知己戦線レンガ @ten_P0412
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