第8話 オーロラ探検隊の荷物検査


 今夜、探検隊のみんなには、明日の荷物を持ってきてもらった。


 僕らは、4つのリュックを並べて、これから荷物をチェックしようとした。


 すると……あれ、おかしいぞ、リュックが5つある。確か探検隊メンバーは4人のはずだけど……僕らがざわめき出したところへ、また、あの声が聞こえてきた。


「それは、ワシのじゃぞい」


 マスター・婆ちゃん、本当にあなたも行く気ですか? この先、何が待ち受けているか分からないのに。


 僕たちは何度も止めようとしたけど、マスター・婆ちゃんは、聞く耳を持たなかった。


「なあに、風まかせじゃ。あした昇天しようと、ワシは本望じゃ」


 マスター・婆ちゃん、お願いだから勝手に昇天しようとしないでおくれ。でも、本音では、マスター・婆ちゃんの昇天する瞬間も見たい気がする。


 僕は悪い奴だ。



 これで、メンバーは5人に増えた。マスター・婆ちゃんが参加するとなれば、緻密(ちみつ)な計画を立て直す必要がある。


 隊の歩くスピードを〈普通〉から〈やや遅め〉に落とすとか……考え所は、山ほどある……うわぁ、間に合うだろうか?



 よし急がば回れだ。荷物のチェックをはじめよう。先ずはプラッチからだ。


●ミニ地球儀

●方位磁石

●ノート

●色鉛筆

●ペンライト

●おやつ(カール)


 とこんな感じだった。さすがプラッチ、よく心得ている。頼もしいぞ。明日は、買ったばかりのウォーキングシューズが、君を援護(えんご)してくれるだろう。



次は、プラッチママの荷物だ。


●オランダ旅行で買ったランプ

●蚊取り線香

●虫よけスプレー

●虫さされの薬(ムヒ)

●レジャーシート

●マッチ


 と、こんな具合だ。まあ、合格点だな。

明日は、プラッチママには、僕らのオーロラ鑑賞ベースキャンプの環境を整えてもらおう。


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