第6話 続オーロラ探検隊のおまじない


 感動の時間って、何て短いんだろう。


 その時ほど、僕はそう実感せずにはいられなかった。


 ふいに、空気を切り裂くような、マスター・婆ちゃんの声がしたからだ。



『オーロラが見れるかどうかは、運しだい。げんをかつぐおまじないが必要じゃよ』


 ふるえる婆ちゃんのくちびるに、またしても、みんなが釘(くぎ)づけになった。



 そして、僕らは、オーロラを見るためのおまじないを、決めざるをえなくなった。



● 天にまします我らが父よ、オーロラを見せたまえ。


● どうか僕たちがオーロラを見れますように。


● でてこい、でてこい、オーロラ姫!


● お願い地球さん、風にのせて、オーロラを僕らの前に。


● カモン、オーロラちゃん、僕らは友達、グッドフレンド!



 この中から、君なら何を選んだろうか?


 僕らは、この後、マスター・婆ちゃんの凄さを、あらためて思い知ることになる。



『おん・オーロラ・そわか、じゃ』 


 その一言が空気を切り裂いた時、僕らは婆ちゃんに、ひたすら脱帽していた。



そして、みんなで練習。


『おん・オーロラ・ソワカ』


『おん・オーロラ・ソワカ』


『おん・オーロラ・ソワカ』


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る