第4話 続オーロラ探検隊のゆかいな仲間たち


「またまたまたまたぁ、マタマタっていう亀はいるけど、それはちょっと、大げさすぎない? これはたんなるツアーよ。オーロラツアー。オーロラってさぁ、みんなで見るから、こころときめくのよ、ねっ。」


 ぎょぴ子よ。君がオーロラでなくても、年中魚にときめいているのは、知ってるぞ。それにしても亀にもくわしいとは。ぎょぴ子は、あなどれないぞ。ひよっとしたら、彼女はオーロラ探検隊の秘密兵器になるのでは……


 そんな考えが、僕の頭の中を、閃光(せんこう)のようによぎった。


 そこへ……



「まず場所を決めのうて、なんとする。天の理、地の理、人の理と昔から言うとるわい。まずは、わが陣をどこに取るかじゃ! 」


 僕は開いた口がふさがらなかった。マスター・婆ちゃんは、完全に殿さまにでもなった気分でいる。


 でも、それが合図のように、次々と候補地があがった。


● 学校の裏山

● ひょうたん公園

● 坂の上タウンのいただき公園

● 大谷神社の境内

● 六ツ木川の岸辺

● プラッチの家の二階のベランダ


 それぞれ隊員みんなの言い分はあったけど、最後はマスター・婆ちゃんの一言で決まった。


「いただき公園には、むかし竹やぶがひろがっておった。ワシは、若い時分にそこで竹にからみついている竜を見たのじゃ! 」


 みんなの目が、「じゃ!」と大げさにのたまった婆ちゃんの口に、釘付けになった。



「信じていいんだね」


 僕は、ポツリとつぶやいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る