第3話 オーロラ探検隊のゆかいな仲間たち


 僕は、島田拓哉。これからよく僕という一人称で出てくるから、忘れないでほしい。


2024年7月21日17時、僕らは、プラッチのお茶の間に集まった。


 さっそく僕が買ってきたようかんを、マスター・婆ちゃんが立ち上がって台所へ行き、細切りで切ってきてくれた。


「この五ミリの厚さのようかんが、いちばん口当たりがよいでのう。まっ茶なら、なおさらじゃ」


「さっすがぁ、ばあちゃんの知恵袋は、何でも知ってるね!」


 そう言うとプラッチが一番初めにようかんを口に放り込んだ。


 <だから、マスター・婆ちゃんなのさ> 僕は、参謀役になるであろうプラッチの婆ちゃんのことを頼もしげに見た。



「はい、お茶ですよ」


 プラッチの母ちゃんがお茶を運んできた。


 テーブルの上にコップが五つ並べられると、僕たちは、ひざを交えて、親交を深めた。まずは僕の挨拶から。


「ええっと、このたびは、僕たち、とうきょうオーロラ探検隊にお集まり頂き……ありがたいことでした」


 えっ。はじめから間違えるなんて。僕は思わず赤面していた。


「とうきょうでオーロラが見れるなんて、地球はじまっていらいだね。どんな文献にものっていないし、もしかしたら、俺たちは人類史上歴史に残る、初めてとうきょうでオーロラを見た人間になるかも知れないんだ。こんなに誇れることはない」


 プラッチは、意気揚々と、まくし立てた。



 <いいぞプラッチ。すかさずのフォローありがとう> 心の中でそう思いながら、僕はプラッチに目で合図をした。

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