4 遊園地
ある日、父さんが晩御飯の最中に、こう聞いた。
「デズニーランド、行きたい?」
「それより図書館に行きたい」と俺。
「でずにー、ランド? なにそれ?」と歌。
「遊園地よ。ムッキーネズミとか、ムニーネズミとかに会えるのよ!」
「ムッキーこわいからいや」
「ムッキーだけじゃなくて、ダッファーとか……ほらこれ」
母さんがスマホを見せてくる。
「お城に行って、お姫様になれるんだぞ!」
「えー、歌、ちがうのがいー」
「本が読みたいです」
徹底的に反対する二人のキッズの姿に、父さんと母さんは、見合って笑い、なら仕方ないねと、でずにーランド計画は流れた。
この小説でも、遊園地編を書く計画は、流れた。
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