第23話 ある意味、怖い夢

 どこかで書いた気もするのだが、もはやどこだったのか思い出せないので再び書こうと思う。同じ話見たことあるという方いらっしゃいましたら、そっと私だけに知らせてください(無理やて)


 昔の頃の夢を見るというのは年齢を重ねると頻繁に起こるらしいのだが、私の場合は特に学校の中のことが夢に出ることが多い。

 夢なのである意味定番だが、その出てくる人物に規則性が無いと云うか、小中高の知人が入り混じって出てくるので、果たしてこれはどの頃の記憶を元にした夢なのだろうかという不思議さがいつもつきまとう。だが、場所に関しては大体明確なので、舞台となる場所(当然この場合は学校)で、大体の時期の目星をつける。

 ……のであるが、夢によっては明確に卒業後にもう一度小学校だったり高校だったりに集まる何らかの用事(これがまたヘンな設定で、卒業後にやり残したことを履修し直すという不思議な集まりで、3月ころ(卒業後の学校が休みの期間中)に臨時で集まっているという、同窓会とも補習ともつかない、不思議な空気感なのだ)でそこに来ている、ということを理解していることが多く、いつも不思議な気持ちで目を覚ますというのが定番だ。ちなみに、私は大抵の夢に於いて課題がクリアできずに最後まで卒業できない、という変な焦りが夢の最後まで続く事がほとんど。


 そんな中、一つ印象的な夢があった。


 これは明確に舞台設定は高校、場面は卒業式の始まる直前。

 その卒業式も形式的なもので、仰々しくやっているわけでもない、ずいぶんゆるい雰囲気であることを夢の舞台設定(神の声みたいなもん)によって私は理解している。


 ちなみに、私の通っていた高校は進学率など2割にも満たないような地方の弱小高校であった。(ちなみに商業高校で、女子率が男子の2倍ほどもある女の園でした)3年生は野球の甲子園大会が終わると殆どの学校活動が就職に向けたものへと切り替わる。みなせっせと求人票を読み漁り、必要な資格取得や足りない知識を補うために、時間割そっちのけで個人ごとの必要な作業をこなすことに集中していく。特に、公務員志望組はほとんど授業にも出ないで特別カリキュラムを受けているような感じだった。三学期の中程には殆ど学校にさえ来ないことのほうが多かったと記憶している。

 私はというと、他のみんなと一緒にせっせと自動車学校に通っていたw (こちらの地方では就職時に「普通免許を取得していること」という条件がついていることがほとんどなのです。誕生日の遅い子は大変そうでした(仮免以降は18歳にならないと受けられない……))


 そんな学校だったせいか、卒業間際に久しぶりに会うとガラリと雰囲気が変わっている子もいたりした。


 で、夢の続きの話ね……


 卒業式当日、体育館に集められた卒業生が先生の誘導に従ってパイプ椅子に座っていく。だが、その時先生が言った言葉が割と衝撃的だった。


「はい、妊娠してる子はこっちの席ね~」


 そう言って先生は、ずらりと並べられたパイプ椅子の列を示していた。見ると、そちらの席には、数列おきに石油ストーブが配置されている。

 なるほど、妊婦さんに冷えは禁物だからね。(私の住む地方では、卒業式の体育館はバリ寒いのが定番)


 で、当然妊婦ではない私の席は、少し離れた非妊婦学生席w

 

 見てみたら、私のクラスの非妊婦は私を含め5~6人しかいなかった。殆どの子は当然のように妊婦席へ。

 クラスの7割くらいが妊娠中、残りは私のような陰キャと男子のみ……。


 なるほど、みんな学校に来なくなったと思ったらせっせと仕込んでいたのですね……。なんか、卒業式には妊娠してるのが普通みたいな雰囲気だし。隣同士の子で「何ヶ月?」とか、普通に聞いてるし……。こんなところでも私は流れに乗れずに少数派の方へと────


 なんか思い出すと笑えるけど、夢を見ている最中はいつもの変な焦燥感に包まれているという、ある意味ホラーな夢でしたわ。

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