第3話 民族衣裳に憧れる
私はディアンドルが大好きです。
突然の告白に、戸惑う読者は多いことだろう。
いや、知らんがな。
そう思っていただいて構わない。
様々な国と地方で、独自の文化とともに発展を遂げた民族衣装と云うのは、それだけで見る者に風土と人間性を感じさせてくれるものです。
そんな中でも、ピカイチに好きなのが、この『ディアンドル』。
いつもの如く、好きなだけで詳しくは知らなかったので、今回思い立って色々調べてみました。実に興味深い。
ドイツからオーストリア地方、スイス、そしてイタリア北部のアルプス地域で用いられていた民族衣装で、語源は「お嬢さん」だそうである。つまり……着用にあたっては年齢や未婚女性という縛りがあるのかな??
襟ぐりの深めに開いたブラウスに、袖の無い胴衣と一体になったワンピース型のスカート、その上にエプロンをかけるのが一般的なスタイルです。胴衣は、前合わせをボタンで留めるタイプが一般的ですが、装飾的な意味で紐で縛り上げるタイプもありまして、あたしはこっちが好きです。いや知らんがな。
元は、農村から出てきた若い女性の小間使いが作業服として着ていたものが原型で、その小間使いの女の子に対する呼びかけである「娘さん」「お嬢さん」というのがそのまま衣装の呼び名になったという、ちょっと可愛い由来ですね。日本で云うところの「姉さんかぶり」みたいな感じでしょうか。
よく見かけるのは、女性の胸元を強調するように大きく襟口が開いていて、乳房を左右と下方から支えるような胴衣に一体となったコルセット状の腰部が全体を引き締めている、とても美しいシルエットが特徴のものです。ですが、これは温暖期のもので寒冷期用にはハイネックで厚手の生地で作られたブラウスもあるそうです。
ちなみにあたしには、とある事情で致命的に似合わないことでしょう、察しろ。
調べによりますと、エプロンは元々は浅青色を基調としており結婚式などでは白いものを身につける、というのが基本だったらしいです。現在ではエプロンも胴衣も様々な色のものが見られますね。
ちなみに、エプロンの腰紐は前面左に結ばれているのが『未婚者』、前面右だと『既婚者』、後ろで結ぶと『未亡人(!)』という、我がジャポンの振袖の上を行く区分がなされていたようです。つまり、既婚未婚若年熟年に関係なく着用されていたということでしょうかね。
世界の民族衣装を紐解いていくと、色彩がものすごく鮮烈で奇抜であるということにいつも驚かされます。アフリカの民族衣装などは特にそれが顕著ですね。
ディアンドルは、その中では比較的落ち着いた色調が特徴で実によろしい、あたし好みです。
残念ながら、現在では日常着として使われることはあまり無く、フェスの際に衣装として着られることが殆だそうです。こういう衣装でおもてなししてくれるディアンドル・パブがあったら飲み屋嫌いのあたしでも行ってみたいと思ってしまうほど魅力的なのに、どこかにありませんかね?
ちなみに最近、ディアンドルを着た大量の女性を乗せた床をぐるぐる回転させて、誰が最後まで残るか? みたいなことやってる動画を良く見かけるのですが、あれってなんですかね? 最初、誰が最後まで残るか賭けてるのかと思ったのですが、番号も付けてないしなんか違うような気もします。ご存じの方いらっしゃったら教えて下さい。
あと、あなたの好きな民族衣装も併せて募集いたします。あたしの興味を引くものがあったら、調べて一本書きたいと思っております故✨️
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