2024/08/29

じつは、愚生は数ヶ月前から、ひそかに俳句に挑戦するようになっており、ためしに、『俳句ポスト365』という、夏井いつき先生が中心となっているサイトに投稿しはじめていた。


最初の挑戦は、兼題が『南風(みなみ)』で、つまり、一句のなかに、かならず『南風』という季語をいれて作句し、ひとりが複数応募すれば、そのうち一番評価の高いものがサイトに掲載される、というものであった。


愚生が応募したのは、夏井先生の息子様が選評なさる『初級者』レベルで、締め切りからおおよそ一ヶ月閲すると、月曜日に、落選作が公開され、火曜日、水曜日、木曜日に、入選作が発表された。


落選作と書いたが、実際には、『初級者』レベルでは、作句できただけで評価され、落選作も火曜日の入選作に選出され、おそらく、水曜日、木曜日と評価が高くなってゆくとおもわれる。


斯様にして、金曜日に優秀作がえらばれ、中級以上への投句を推奨されるが、愚生は四句応募して、一句が水曜日の入選どまりだった。


https://haikutown.jp/post/result/beginner-wednesday.php?k_no=298


たぶん、以上のアドレス先で、『九頭龍』とページ検索されると、愚生の入選作が読めるとおもわれるが、面倒くさいとおもわれるので、此処で、入選作および落選作をすべて公開させていただく。


入選作――


南風乗るモビー・ディックのこゑもがな

(モビー・ディックとは、メルヴィル『白鯨』に出てくる白鯨の名前で、下巻のクライマックスでは、日本近海にてエイハブ船長らと闘い、主人公イシュメイル以外を鏖殺し、大海原のなかへかえってゆく。その白鯨の声が南風に乗ってとどく気がする、という句である。『もがな』は『~だったらなあ』という意味の切れ字である)


落選作――


戦場の骸骨たちが哭く南風

(第二次世界大戦における、インパール作戦をイメージした句である。応募ののち、『戦場の骸骨ら哭く南風かな』に改作)


南風ふけ銀河の果てへつゞく旅

(これは南風と銀河が季重ねである)


東山魁夷の『道』をゆく南風

(『道』は草原のまっすぐな道をえがいた傑作で、丁度、道が南側から伸びているので、其処に南風が吹いていたら、と想像した句である。これは自信作だったが、なぜか落選した)

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