第26話 仲間になると言われても


 酒場から少し上ったところに、帝国軍の駐屯キャンプがあった。

 いくつか大型のテントが張ってあり、兵士たちは焚火のそばでくつろいでいる。

 焚き火炉には鍋がかけられて、そこからいい匂いも漂ってきた。


「こんばんわ。焚火にあたらせてもらってもいいですか」

 革鎧を着たごつい兵士に向かって言ってみる。

 この兵士、ムラムラグラフがいっぱいまで振れていたのだ。


「おお、こっちいいぞ。可愛いな。何処から来たんだ?」

 釣り糸に当たりがあった。


 僕はその男の横に座って、まだ湿ったローブを乾かすようにした。

 ずり上げるローブの中が、太腿まで男に見えるようにしてやった。


「ホワイトホースから来ました。チュードンまで配達のお仕事なんです」

 座っている男の方を見ると、僕の太腿に見入ってる。


「ふうん。そうなのか。まあこっち来いよ」

 男の太い腕が僕の腰に回った。

 たくましい腕で腰を抱かれると胸キュンになる。

 そして彼はローブの上からお尻を触ってきた。


「兵隊さん。溜まってるんでしょ。安くしときますよ」

 僕はその男の耳元にささやく。


「20Gしかないけど、それでいいかな」

 男は遠慮がちに言う。

 という事は相場はもっと上という事か。


「いいですよ。一滴残らず搾り取ってあげます」

 僕が言うと、彼はさも嬉しそうな顔をして自分のテントに僕を引っ張った。

 様子を見ていた仲間たちからヒューヒューと口笛が聞こえてきた。


 一人用の狭いテントの中、兵士は下だけ革鎧を脱いで下半身を露出した。

「寝転んでくださいな。気持よくしてあげますから」

 僕は20G受け取ると、彼を仰向けにさせて、すでに屹立している股間の肉棒を手に握った。


 ビクンビクンと脈動する浅黒い硬い棒。

 その先端のぷっくりした亀頭を口に含む。

 ツルンとした滑らかなそれに唾液を絡めながら舐め上げる。

 ツンとくる男のそこの匂い。 


「まずは一回、お口でいってくださいね」

 僕のテクニックで彼はすぐに絶頂を迎える。


 ああ、おう、と呻いて大量の精が僕の口の中に溢れんばかりに……。

 その後は、手っ取り早く彼にお尻を見せてやる。

 一滴残らず絞りとるのに、ほんの20分しかかからなかった。



 お尻でたっぷり受精できた。

 満足しながら暗くなった道を酒場に戻ると、リリーとタバサ、リズが仲良さそうに食事をしていた。


「おい、この二人、お前と知り合いだそうだな」

 リリーが僕を見とめて話しかけてきた。

 タバサとリズもニヤニヤした顔で僕を見ている。


「知り合いというか。なんと言うか」

 向かい合う四人がけテーブルにつきながら、なんと言っていいか迷ってしまう。


「なんだよ。一週間一緒に暮らした仲じゃないか」

 タバサは酒も飲んで上機嫌のようだ。


「あたしらもさ、暇だから勇者さんの冒険に付きあおうかなって思ったんだよね」

 リズは僕にビールを注ぎながら言う。


 ええ? どういうつもりだろう。

 いや、隙をついて僕を誘拐するつもりに決まっている。


 いやちょっとそれは、言いかける僕の言葉を酔った女達は誰も聞いちゃいない。


「冒険に出た途端に、仲間が三人もできるなんて、やっぱり俺って勇者なんだな」

 リリーも、普段飲まないビールなんて飲んで酔ってるみたいなのだ。

 横に座る僕の肩をバンバンと叩いて、ガハハと笑い出した。


 まったく、僕の気持ちも知らないで。


 先行きに不安を感じながら、村酒場の夜は更けていく。


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