第25話 ドラゴンの村の酒場で
竜の橋の村は、小さな宿屋兼酒場が一軒と製材所、農家がそれぞれ一軒、後は民家が数軒あるだけの小さな村だ。
今夜は二人で宿屋に泊まることになった。
ずぶ濡れになった衣装なども乾かしたいし、たまには歩き疲れた身体を柔らかいベッドで休ませることも必要だと思ったからだ。
「お前、エネルギー充填してきていいぞ。ついでに金稼いで来ればいいじゃんか。100Gくれたら奴隷解放してやるから」
宿の部屋に入って、リリーは濡れた革鎧を脱ぎながら言った。
僕の前でも平気で下着姿になるし、さっきはいくら回復薬になるとはいえ僕のペニスを咥えたりしたのだ。
僕の事なんてまったく男と見なしていないのだろうな。
僕も濡れたローブを脱いだ。下着はないから全裸だ。
「お前さあ、女とセックスしたことある?」
リリーが僕の股間を凝視しながら聞いてきた。
ひょいッと手が伸びてペニスの先端を握る。
皮を剥くようにされて亀頭が出てきた。
あ、ちょっと、僕が腰を引こうとすると、奴隷なんだから動くなと言われた。
まじまじと亀頭を見つめられて恥ずかしくなる。
皮をかぶった部分を捲られるのって、パンツを脱がされるのに似た羞恥を感じる。
「さっき、ここ舐められて気持ちよかった?」
リリーが僕を見上げる。
「そりゃ、気持ちよかったですよ。お尻ほどじゃないけど」
「やっぱりお尻の方が感じるのか」
今度はリリーは僕のお尻に指を入れてきた。
う、感じてしまう。
「ダメですよ。僕は射精したらエネルギーが抜けるんだから。それに間違えて飲んだりしたら、リリーさんの場合赤ん坊になってしまいます」
「じゃあ、ベッドに手をついて尻をこっちに突き出せ」
僕のペニスを弄んでいたリリーが手を話していった。
言われた通りにする。
リリーの指が二本、僕のアナルを広げて入ってきた。
更に指が増えて三本指になる。ぐっと肛門を広げられる。
ずぶずぶと中をかき回されると、僕の快感がどんどん膨れ上がってしまう。
あ、あん。気持ちいい。
「お前のケツ穴、指に吸い付いてくるな。中でうねうねしてて、こんなところにちんこぶっ刺したら、男は気持ちいいんだろうな」
こっちは快感で震えているのに、そんなふうに冷静に観察されると恥ずかしくなってしまう。
男相手だったら、男の方が興奮して突き上げてくるから気持よくてもこっちがコントロールできるんだけど、やっぱり女性相手ではかなわないなって思ってしまう。
「よし、じゃあ稼いでこいよ」
リリーはそう言うと指を抜いた。
なんだよ、僕を気持ちよくしておいて、それで終わりなのか?
欲求不満な気持ちが残った。
「一回いくらぐらいが相場なんでしょうか?」
搾って水気をとったローブを纏うと、僕はリリーに振り向いた。
「そんなの俺に聞かれてもな。売りも買いもやったことないし」
リリーが言うのはもっともだ。
ムラムラした気持ちのまま、僕は部屋を出た。
湿ったローブが早く乾くように火のそばに陣取る。
酒場のテーブルには数人の男たちがいい気分で飲んだり食べたりしている。
できればたくさん精を溜め込んでる男がいいかな。
同じ五回搾り取るにしても、溜まってる男のほうが量的にたくさん受精できるわけだし。
男を見つめると、その男に重なるようにして棒グラフが見えてくる。
精の溜まっているレベルだろう。
たくさんたまってるのは誰かな?
男たちを見回していると、入り口のドアを開けて誰か入ってきた。
若い女みたいだ。その女が僕を見つけて、あっと言った。
「ジュンじゃないか。生きてたのか」
アマゾネス砦のタバサだった。後ろからリズも入ってきた。
やばいと思ったけど、酒場だし、人も多いし、こんなところで誘拐されることもないだろう。
「タバサさんたちも、お元気そうで何よりです」
僕は愛想笑いで応対する。
「今は一人なのか?」タバサが僕の傍に来て訊く。
「いえ、勇者さんの荷物持ちさせていただいてます」
タバサはふうんと言いながら僕の股間に手を伸ばした。
「そんなのより、あたしらと組んで金儲けしようよ」
「いや、ダメですよ。勇者さんを怒らせたら怖いですよ。勇者なんですから」
僕の言うことをどこまで信じたのかはわからないけど、ここで拉致するのは無理だとわかってるからだろう、タバサは僕から離れてカウンターに向かった。
じゃあねと言ってリズもにやけた笑みを僕によこした。
諦めが良いのも不気味だ。
僕はタバサたちと離れたかったので、いったん酒場を出た。
この村には帝国軍の駐屯地があったはずだ。
そこに行って適当な男を見つけよう。
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