第24話 狼なんか怖くない


 ローブを引き上げてお尻丸出しの四つん這いになった僕に、一匹の狼がよろよろっと引き寄せられてきた。戦闘モードは完全に消えている。


 その後ろから残りの二匹も力の抜けた足取りで寄ってくる。

 よだれまで垂らして、すっかり欲情した顔つきだ。


「リリーさん、後ろの二匹を片付けてください。こいつはそのままで」

 言ってる僕のお尻に、狼の口ひげが触れてくる。

 ざらついた舌がすぼまりを舐めあげる。

 

 放心した残りの二匹は、リリーの剣で感電させられて痙攣しながら倒れた。


 ああ、獣姦だなんて、変態チックだなあ。

 でも、ワイルドなエッチも楽しみだ。

 

 裸のお尻にぽつりぽつりと雨が落ちてくるのを感じた。


 途端にザザーと大降りになる。

 狼の腕が僕の腰に回り、ぬるりとしたペニスの先端が僕のお尻の中心に触れてきた。

 ずずっと突き入れられて、ぬるぬるのペニスが奥まで入ってきた。

 犬や狼のペニスは人間とは違って、亀頭の部分が長い。

 勃起した竿のほとんどが亀頭みたいな粘膜になっている。

 その感触は独特な滑り心地になっていた。

 

 そしてペニスの根元が膨らんでくるのが分かった。

 犬の交尾では、亀頭球が膨らんで抜けなくなるというのはよく知られていることだ。

 ああ、こんな感じなのか。

 その後、狼の腰がズコズコと律動をはじめ、激しく僕のお尻を犯しまくる。

 雨に濡れながら狼にお尻を犯される。

 この状況にドキドキがたかまってくる。ああ、変態だけど気持ちいい。

 

 そして狼の動きが止まった。


 く、あ、あん。僕は思わず甘い声を上げてしまった。

 感じるところをつんつんと刺激されたのだ。


 そしてそのまま、どりゅっと僕の中に温かい狼の精が発射された。

 土砂降りの雨に濡れながら、僕は狼に五回種付けされた。



「しっかし、節操がない奴だな」

 寝てしまった狼から逃れようと僕は苦労してるのに、リリーは茶化したことを言う。


「さっさと抜けよ。いつまで気持ちよがってるんだよ」


「根元が膨らんでいて抜けないんですよ。もう少し待ってください」


 五分ほど待って、やっと狼のその部分がしぼんできた。

 何とか脱出できた僕は、立ち上がってローブをなおす。

 濡れたローブが肌に張り付いてくる。

 

「じゃあ行きましょうか」

 僕らは土砂降りの中濡れながらその場を後にした。


 この時代、傘とかないのかな。

 聞こうかと思ったけど、あったとしてももう濡れ鼠だからどうでもいい。


「しっかしお前、変態だな」

 リリーが呆れて言うけど、僕にも反論の余地はある。


「襲われて怪我するよりはましでしょ。それに、お尻で受精すると、その者の能力を受け継ぐことができるみたいなんです。これは一回使えば終わる、一度だけの能力なんですけど。それも試してみたかったんですよ。誰も好き好んで変態やってるんじゃないです」


 僕が言うと、それで、どんな感じ?と聞いてきた。


「う-んと、すごくたくましくて滑らかな肉棒で、ズコズコやられるのって気持ちよかったです。感じるところをぐいぐい擦られて、僕も三回メスイキしちゃいました」

 そう答えると、リリーは赤い顔をして、 

「違うだろ。この変態! 能力を受け取れたのかって聞いてるんだよ」と怒鳴った。


 以前、人狼の精を受精した時は、気分の高揚感とみなぎる下半身の力を感じたけど、今はそれほどでもなかった。


 やはり人間の精じゃないからうまく適合しないのかな。

 ただ、走れば速いという感覚はあった。一部の適合という事か。


 この能力は使わなければ取っておくことができるんだろうか。

 しばらく使わずにいてみよう。


 水しぶきを受けながらしばらく歩いていると、やっとひどい天気がおさまってきた。

 前方の雲が薄くなり、少しずつ青空が見え始める。

 今日泊まる予定の村が遠く眼下に見え始めた。


「ここは竜の橋の村っていうんですよね。あそこの橋が竜の骨で作られてるって伝説があって」

 僕はゲーム内で仕込んだ知識を披露した。

 坂を下る先に、竜の装飾を施した真っ白い橋が見えている。

 振り向くと、リリーは眉間にしわを寄せて難しい顔をしていた。


「どうかしましたか?」

「お腹冷やしたからかな? 腹痛だ。ちょっとトイレ」

 そう言うと、リリーは道を反れて草むらに入っていった。


「大丈夫ですか?」

 僕はじわじわ近づいて聞いてみる。

 下痢ってるのかな?


 リリーのしゃがんだ後姿が見えてきた。イタタタ、という呻き声も聞こえる。

 裸のお尻が見えた。ぷうんと予想した匂いも漂ってくる。


 そのリリーが振り向いた。見るなあっち行けって怒られるかと思ったら違った。


「お前、ちょっとこっち回って、俺の前に立ってチンコ出せ」

 一瞬何考えてるのかわからなかったけど、ピンときた。


 しゃがんだリリーの前に立つ。

 ローブを持ち上げてノーパンの腰を突き出して見せた。


 リリーは僕の物を口に含んで舐め始めた。

 サキュバスのおしっこは人間にとって回復薬になるのだ。

 

 リリーの舌が僕の亀頭の先を舐めて吸い始める。

 少し出した方が良いかなと思ってたら、すぐに僕の物を吐き出した。


「もう治った。あっち行ってろ」

 リリーはうつむいたままそう言った。


 こうなってみると、僕ってすごく役に立つ奴だと我ながら思ってしまう。


 問題は、リリーに勇者になって魔王を倒す能力が備わってるのかどうかだな。

 生まれながらにしてそういう能力がないとダメなのか、努力で何とかなるのか。

 

 僕の生きていた前世では、才能がないとどう頑張っても無理なことが多いようだった。誰でも努力次第で、オリンピックの金メダルが取れるなんて思う人間はいなかったはずだ。


 この世界はどっちなのだろう?


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