第19話 最後の手段
なんかごそごそしてるなと思ったら、リリーが寝袋から出ているところだった。
川音が耳をくすぐる以外に何も聞こえない。
周囲はまだ薄暗かった。少し東側の空が明るくなってきていた。
「リリーさん、もう起きるんですか? 早いですね」
僕が声をかけると、ちょっとトイレと返事が来た。
トイレか、そう言えば僕も少しおしっこしたくなってきたな。
大便の方は魔法が使えるからしなくて済むのだけれど、おしっこの方は普通にしないといけないのだ。
僕もずるりと寝袋を出た。
あ、でも此処トイレ無いんだった。
リリーはと見ると、川の方を向いてしゃがんでいた。
下着を膝まで下げてるから、お尻の割れ目がよく見えた。
シーと水音が聞こえる。前世での僕なら、興奮しまくってその部分に注目するところだ。
なのにあんまり興味がわかない。
まったく、どうしちゃったんだよ俺、性的に全く別人になったみたいだ。
女性に対して性欲が湧かないって、すごく悲しいことだと思った。
ふう、とため息をついて、僕は少し離れた川辺に立つ。
もともと全裸だからパンツ下げる手間もない。
おしっこしようとチンコを握ったら、横から顔が覗いてきた。
わ、びっくりした。
そう言うと、
「お前もおしっこするのか? 面白いな、出してみて」
リリーが僕のそこを凝視していた。
「ちょっと。面白い事なんて無いですよ。あっち行っててください」
腰をひねって見せないようにしながら僕は言う。
「恥ずかしいのか? 奴隷のくせに生意気な~」
語尾を伸ばしながら、リリーは僕のそこを摘まんだ。
あ、ん、痛い。
僕がうめき声をあげるのを、リリーはキャッキャ言って喜んでる。
「ほら、持っててやるからおしっこしなさい」
なんか急にお姉さんキャラになったリリーが言う。
もう、仕方ないな。僕は尿を押しとどめていた部分を緩めた。
尿道を液体が通っていく感じがして、出口から勢いよくそれがあふれて出た。
「おおー、勢い良いね。出てる出てる。もっと遠くまで飛ばせよ」
リリーが喜んでいる。まったく、変な奴だ。
尿が出終わって雫が垂れる。
リリーは僕のそれを絞るように揉んでさらにフリフリしてくれた。
なんだか幼稚園児に戻って、保母さんに扱われている感じだった。
「あ、ありがとうございます。ご主人様。もういいですから」
そう言って身体を離そうとしても、リリーは手を放してくれない。
「なんかこの匂い、何かに似てるんだけど何の匂いだったかな」
リリーが尿の雫を指に付けて臭いをかいでいる。
その時、男の太い声が土手の上から聞こえてきた。
「ほほう、こんな所で可愛い女の子が二人でキャンプかよ。これは朝っぱらからごちそうだぜ」
三人のごつい男たちがゆっくり降りてくる。
山賊というよりも狩人の装束だ。
狩りに行く途中でいいもの見つけたって顔だった。
悪党というわけでもなさそうなのに、この世界ではこういうのは当たり前なのかもしれない。
町中では衛兵が見張ってるけど、一歩町を出て荒野に立てば、そこは無法地帯なのだ。
リリーはテントの近くに刺してある剣の所に走ったが、残念ながら先を越されてしまった。
素手で、しかも鎧も着ていない下着姿では戦闘にもならなかった。
リリーは転ばされて、あっさりと一人の男に抑え込まれる。
「馬鹿野郎! 偉大な勇者に乱暴したら後が怖いぞ」
リリーが凄むが、三人に笑われるだけだった。
そのうちの一人が僕の所に来た。
「俺はこっちをいただくかな。ぺちゃぱいだけど可愛い奴だ」
手で身体を隠していたから彼はまだ僕のことを女の子だと思ってる。
奥を見るとリリーが脱がされて真っ裸にされていた。
これはもう奥の手使うしかない。僕は叫ぶ。
「ほら、こっちを見て」
近づいてくる男に後ろを向いて、僕は前かがみになり、暴漢たちにお尻の穴をたっぷり拝ませてやった。
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