第9話 転生一日目の終了



「この砦の中では自由にしていていいよ。ただ監視役はつけるけどね。あんたにはこれからこの砦で女たちに精子を提供してもらう。でもすぐに皆にいきわたるだろうけど。それまであんたの安全と食事と男はこっちで用意するから。この子が監視役。リズって言う子だよ。じゃあ、リズ、後はよろしくね。ジュンに砦の中を案内してやりなさい」

 タバサはそう言って、見た目中学生くらいの、つまりは僕と同い年くらいの女の子を紹介してくれた。

 

 二重瞼の目がクリッとしてキュートな感じの子だった。

 僕はその子に手を引かれて、全裸のままでタバサの部屋を出る。


「わかる? あたし、君の精を二回目に飲んだ女だよ。効果あり過ぎてこんなに若返っちゃった」

 リズはくすくす笑って言った。

 そうだったのか。全然わからなかった。


「あの。服は返して欲しいんだけど」

 羞恥心が、というよりも裸のままじゃ落ち着かない。


「寒くはないでしょ。この砦の中では奴隷は全裸って決まってるの。わかりやすいでしょ」

 リズが僕の股間に手をやった。そしてペニスの先っぽを握る。

 亀頭にかぶっていた皮を剥いて濡れた亀頭を見る。


「ふふ、ここは服着てるからいいじゃん」

 リズが手を離すと、すぐに皮かぶりに戻った。  


 でも、もしみんなが若返ったら、僕はいらなくなるのかな。

 その時は解放される? 殺すことはないよな。意味ないし。


 気になることを聞いてみた。

「このアマゾネス砦、何人くらいいるの?」


「砦に女兵士は20人ほどかな。あとは六人くらい男の奴隷が居るよ。君の精を飲むとして、全員にいきわたるのに四日くらいかな。まだ若返る必要のない者もいるし。でも、それが終わったからって、開放してもらえるとは思わないでね。よそから女を集めて君の精を有料で提供するって事考えてるから。それに、君の精を薬にするのも研究するつもり。それができたら山賊なんかやめて皆が大金持ちになれるよ」 

 リズは僕の質問の意味をすぐに理解したようだった。


 周り階段をくるくる回って登っていった先は、塔の天辺の見晴らし台だった。

 砦は前面を高い城壁でくるりと取り囲まれて、反対側は急な崖が高くそびえている。


「逃げようなんて思わないでね」

 リズは言った。


 これを見ればその気も起きないでしょと、そう目が語っていた。

 西の空が茜色に染まり始めている。転生第一日目はそうして暮れていくのだった。


 その後、僕は奴隷男の檻に連れていかれた。

 高いところに明り取りの小さな穴があるだけで、暗い中、僕は狭い檻に入れられた。

 すぐに一人の男が別の檻から連れてこられて、僕の檻に入ってきた。


「ほら、この子のお尻にあんたの精をぶち込んでやりな」

 リズが奴隷男に命令する。

 

 奴隷男が僕を見る。

「お前、今日さらわれてきたのか?」

 男の言葉には同情の響きがあった。でも今欲しいのは憐みなんかじゃないのだ。

 三回も女たちに射精させられて、僕の倦怠感はまるで飢餓状態の人間みたいになっている。

 早く精が欲しい。


 さっき奴隷から精をもらったばかりなのに、僕のお尻はまだまだ足りないと言ってるようだ。


 僕は手っ取り早く男にお尻を向けた。

「ここにあなたのおチンぽ入れてください」


「いや、でも。お前男だろ」

 この男には魅了の術が効かないのかと一瞬思った。

 しかし、暗くて見えないんだろ、とリズが言って松明の光をそこに当てると、やっと期待どおりになってきた。

 

 振り向いてみていると、男の下半身にぐんぐんと変化が現れるのが見えた。


 無言で男の顔がお尻に近づいてキスをしてくる。

 四つん這いになった僕の腰に男のたくましい腕が回され、粘液で濡れた僕の肛門に、弾力のある男の太い亀頭がめり込んできた。

 

 この奴隷男の物って、でかい。亀頭も大きいけど、竿の中間部分がぶっとくて、僕のすごく感じるところに当たってくる。

 

 ああ、すごく気持ちいい。男の腰が僕のお尻に打ち付けられるたびにお尻からの快感が僕の身体中に電気みたいに走る。

 

 ぐちょぐちょという卑猥な音も耳に心地いい。

 臭い檻の中で、僕はその男の中にたっぷり溜まった濃ゆい精液をお尻に受け入れた。


 一人が終わったら、別の男が連れてこられて同じように、それぞれから五回ずつお尻を犯された。

 お尻に彼らの精液が注入されるにつれて、僕のパワーも蓄積していくようだった。


 連続で三人の男にお尻を抱かれて、一回一回の受精の度に僕は元気が戻ってきた。

 パワーが充填されて全身に力がみなぎってくる。


 これは、もしかしたらアナルセックス用のしみったれた魔法なんかじゃなくて、もっと強力な破壊呪文でも思い出すのではないかと期待したのだけど、三時間たっぷりかけて15回もお尻に受精して、もうお腹いっぱいってくらいになったのに、まるで新しい呪文なんて思い出さなかった。


 なんだよ。

 つまらん。


 男にお尻の穴を見せて魅了することしか僕にはできないのか。

 これじゃあ、チャンスがあったとしても勇者のチームに入れて貰えそうにもない。


 ただの足手まといにしかならないサキュバスを入れてくれるなんて、オンラインゲームでも無理だろうな。


 なんか、転生第一日目ですでに絶望感が満載なんですけど。

 明日以降も女達に精を吸われて、男をあてがわれる毎日なんだろうな。


 なんのために転生したんだか。


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