第7話 アマゾネスの砦



「おやあ、美少女かと思ってたら、男の子だね」

 近寄ってきた人影が、僕の両手首を一絡げにして僕を持ち上げた。


 テントの外に引き出されて、その人影の顔が見えてきた。

 声からも分かったけど、人影は三人とも女だった。女の山賊だ。

 身体も大きくて、とても力ではかなわない。素っ裸のまま宙づりにされてじろじろ観察される。

 敵をやっつける魔法を思い出そうと努力しても、なんにも出てこなかった。


「こいつ、男を引き寄せる匂いぷんぷん出してるね。尻の穴もベトベト、何回くらいやったんだろ。顔も可愛いし、まるでサキュバスだよ。男の子のサキュバスもいるって聞いてたけど、ひょっとしてひょっとするかな?」

 僕を捕まえている女とは別の女が、そう言って僕のお尻に指を入れてきた。

 女は五回分の精液で満たされた僕のアナルを指でこねくり回す。

 そして僕のお尻から精液まみれの指を抜き取ると、それを口に入れて味わっている。 

 あ、あん。だめ。漏れちゃうよ。せっかくのエネルギーが……。


「もしそうならいい獲物だね。連れて帰るよ。とりあえず試す価値はあるだろうからね。お前ら、この狩人の持ち物さらっておいで」

 リーダーらしき女が僕を肩に担ぐと残りの二人に命令した。


 暴れようにも両手両足すぐに縛られて全く抵抗できなくされてしまった。

 仮に抵抗できても逃げるのは無理だろうけど。

 近くにつないでいた馬に乗ると、パカパカッという馬の足音も軽快にあっさり撤収。


 サキュバスって言葉をさっき聞いて、僕は古い記憶の中のイメージを思い浮かべている。多分前世の記憶だ。

 背中には小さな悪魔の羽、それに黒いしっぽも生えているイラスト。

 男の精を吸い取って男を干からびさせる悪魔。

 たしかそんな存在だったと思うけど、僕は羽もしっぽもない。


 そういうのもこの世界ではありなのかな。



 あまりの急な展開に、僕は不安を感じる余裕もなかったけど、考えてみるとかなりまずい状況のようだ。

 相手が男なら、お尻見せれば魅了の術が使えるけど、相手が女だったらそれも使えないかもしれない。


 使えない可能性の方が高い気がした。

 だとしたら、どうやって脱出すればいいんだろう。



 時計がないからどのくらい馬に乗せられていたのかわからないけど、感覚的には1時間くらいかな。

 この女たちの砦なのだろう、大きな門が見えてきた。

 リーダーの女が合図すると、内側に門が開いた。


「みんな喜びな。男の娘サキュバスらしいの捕まえてきたよ」

 リーダーが叫ぶと、中にいた山賊たちがどよめきの声をあげた。

 中にいる山賊たちも女ばかりのようだ。

 男が居れば少しは脱出のチャンスもあるかと思ったけど、これじゃあどうしようもない。



「男の娘サキュバスって聞いて、みんなが喜んでいただろう、なぜかわかる?」

 リーダーの女に担がれたまま、その女の部屋に連れ込まれた僕はそう聞かれた。

 わかりませんとひと言答える。


「男の娘サキュバスの精液は、女にとって若返りの妙薬だって話があるんだよ。半信半疑の迷信みたいなものだけどね。実際男の娘サキュバスなんてあたしも初めて見るしね。でも、女は皆それを手に入れたいって思ってるわけ」

 女はそう言いながら粗末なベッドに僕を下した。


 裸のまま僕の足は思い切り広げられて、ベッドの柱に括られた。

 両手は、手首を縛った革紐をベッドの上の棒につながれてしまう。


「じゃあ、最初の一発目は私がもらうよ。聞いた話では男の娘サキュバスの精液を一回飲めば十年若返るらしいんだよ。楽しみだね」

 女はそう言って僕の顔を覗き込む。


 よく見ると、彼女は割と高齢のようだ。

 髪は白髪と黒髪のグレイだし、ほうれい線の皺も深くなりつつあった。

 彼女の胸元を見ると、大きめの乳房なんだけど服の下に垂れている様子だ。


 にやつく女の顔が僕の股間に近づいた。

 僕の視界からは外れてしまって見えなかったけど、おちんちんににゅるんと温かい物をかぶせられた気がした。


 フェラチオされてるんだと気づいた。

 気持ちいい、と思うはずなのに、実は僕はその時快感よりもこそばゆさを感じていた。

 亀頭が敏感すぎるのだ。

 

 まるで子供のころの剥けたばかりの感じだと思った。

 くすぐったくて笑ってしまう。

 あ、あっはは。くすぐったい。

 僕のそんな声を聞いた女は、やっぱり本物のサキュバスみたいだねと呟いた。


 どういう意味だろう。

 普通の男は女にフェラチオされると快感に打ち震えるものだけど、サキュバスは反応が違うという事だろうか。

 フェラチオを続けられているうちに、慣れてきたのか少しずつ気持ちよくなってきた。

 でも、射精感まではいかない。もどかしいけどどうにもならない。


「うーん、なかなか勃起しないね。やっぱり男の娘には肛門刺激がないとだめなのかな」

 しびれを切らせた女が、僕のお尻に指を入れてきた。


 僕の肛門は、すぐに女の子のあそこみたいに濡れてきて緩んでくる。

 彼女の指はするりと奥まで入って、僕の感じる場所をずちゅっずちゅっと擦り上げてきた。


 ああ、これはたまんない、すごく感じてしまう。


「やっぱりね。ほら気持ちよく発射しなさい」

 女の指が僕のペニスの裏側をググっと押さえつけてきた。


 ああ、だめ! 漏れちゃう。


 アナルセックスの快感の時は絶頂まで行っても射精することはなかったけど、同時におちんちんを刺激されると、前世の時みたいにこみ上げてくるものがあった。


 いやー。いっちゃう!


 僕は女の口の中に、ドクンドクンと二回ほど発射してしまった。



「ごちそうさま。やっぱり普通の男のとはまた味も違うね。何とも言えない香ばしいお味だったよ」

 女が立ち上がり、僕を見下ろしている。


 僕はと言えば、この世界での初めての射精は脱力感、ひと言で言ってそれだった。

 全身の力が抜けて、急に空腹感も襲ってくる。


 そのあと、続けて次の女が僕の精液を飲みに来た。同じようにお尻を刺激されて射精させられる。

 無理やりの射精は全然気持ちいい物じゃなくて、僕にとっては拷問に近かった。



「もう空っぽみたい。今ぴくって痙攣したけど、全然でなかったわ」

 四人目の女が僕から離れながらそう言った。

 もう全然勃起しないし、お尻の方も痺れたみたいで快感は感じなくなっている。


「連続三回が限度って事ね、まあいいわ。じゃあ、奴隷連れてきて」

 離れて見ていたリーダーの女が、入り口にいる女に向かって言った。


 力の抜けた目で彼女を見ると、白髪半分だった頭髪の色の黒さが増しているみたいに見える。

 気の所為か、彼女の胸の隆起もさっきまでと違って、服をドンと大きく盛り上げているように見えた。


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