第6話 狩人の誘いに乗ってみて



 彼のテントは村から少し上ったところにあった。

 傍には石を集めて焚火炉が作ってある。

 木の枠もあって鍋が掛けられていた。今は火は消えているし鍋も空だけど。

 二人並んで寝るのがやっと程度のテントの中には、毛皮が敷かれ、寝袋が転がっていた。


「ほらほら脱いで脱いで」

 まだ真昼間なのに、彼はそう言って僕の衣服を脱がそうとしてくる。

 脱いでしまえば僕が男だってことも当然バレバレなわけだ。

 その時はこの男の燃え上ってる性欲も鎮火するのだろうか。


 腕によりをかけて生涯最高の美少女顔に作った、この僕を、性別が望みと違ったというだけの理由で彼は諦めるだろうか。

 僕はそこに興味が湧いて、彼の言うとおりに衣服を脱いでいく。


「胸はあんまりないね。でも俺そういう子がタイプだから」

 僕の胸に触りながら彼はそう言った。

 そして僕は下半身のふんどしを解いていく。


 すべて脱いで彼に僕の裸を見せた。

 彼の視線が僕の下半身に集中している。どうなるのかな?


「え? なにこれ。クリちゃんにしては大きいな。え? お前、男だったのか」

 トンマな声で彼が叫んだ。

「そうだよ。すっかり騙された? でも、僕、女だなんて言ってないよね」

 僕がそう言うと、彼は、まあそうだったな。と言ってため息をついた。

 彼は男の僕を抱く気はないようだ。

 意外とまともな男だったんだな。


「僕は抱かれてやってもいいんだよ。ミルクおごってくれたし。気持ちいい事しようよ」

 僕が追い打ちをかけても、彼は苦笑いして首を振った。


 そうか、この男は男の娘には興味ない男だったのだ。

 じゃあ、これでどうかな?


 僕は彼の方にお尻を向けて言った。

「ほら、ここもお兄さんのおチンコ受け入れたくてたまんないんだよ」

 途端に彼の表情が変わった。


 苦笑いしていた彼の表情が消えて、目を見開いている。

 その彼が僕のお尻に顔を近づけてきた。

 力を緩めた僕の肛門に彼の太い舌がずるりと侵入してくる。


 あん、快感。


 やっぱりそうなのだ。

 僕のお尻の穴を見た男は、魅了の魔法にかかって、そこを犯したくてたまらなくなってしまうのだ。

 知識としてなんとなくわかっていたことが、これで証明された。


 力強い腕が僕の腰に回されて、彼の太い亀頭を僕はお尻の中心部に感じた。

 犬みたいにバックスタイルで、彼の勃起した肉棒が僕の中に入ってくる。

 途端に、僕もアナルセックスの快楽におぼれそうになる。

 溺れてしまってもいいんだけど、一応周囲に気を配っておいた方が良い、そんなことを考えていたのは最初の一発目だけで、その後の四回の射精の間、僕はずっと快感に身を任せていた。


 射精の度に打ち出される彼の精液をお尻に受けて、僕の身体はどんどん磨かれて元気になっていく。

 まるで強烈な栄養剤を点滴でもしたみたいだと思った。


 男の精をお尻に受けることは、この世界の僕にとってバッテリーが充電されるようなことなんだろう。

 そう言えば、朝からミルク一杯飲んだだけなのに、空腹感は感じていない。

 もしかしたら、お尻に注入される精液が僕の食事代わりなのかな?


 アナルセックス用の呪文を知っていたように、僕はこの世界では普通の人間じゃないみたいだ。

 魔導師ってやつかな。

 わくわくしてくる。

 強力な破壊魔法で悪党どもを吹き飛ばす男の娘、格好いいじゃないか。

 今朝の中年男の時と同じように、彼は五回目の射精の後に深い眠りに落ちていった。

 年齢つまり精力に関係なく、五回という決まりがあるのだろう。


 相手が眠っている間に、金目のものは盗み放題。

 これならお金に不自由することは無さそうだし、もっと金持ちを狙っていけば一財産稼ぐことも楽にできる。

 財力は権力なわけで、金で傭兵を雇って兵力そろえて行けば、この世界で王になることも夢じゃないんじゃなかろうか。

 うつぶせに重なった彼の下から這い出るときに、僕はそんなことを考えていた。

 まあ、この男は金目のものは何も持ってなさそうだけど、食べ物くらい少しはあるだろう。


 その時、近くでカチャリと音がした。

 金属の触れ合う音だった。

 見上げるとテントの外に三人の人影が見えた。

 革の鎧を着ているが、崩れた格好は兵士や市民には見えない。


 山賊だった。


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