3 今は昔の今のこと
インプット元:とある幕末舞台のARPG
===
それはもう昔のことでございますが。
わたくしの爺様の、そのまた爺さまは人殺しでございました。
誤解なきよう言えば、末端のお侍さまだったのですね。
死にたくなくば殺すべし、敵より先に殺すべし。
それが我が家の古い教えであったそうです。
ともあれ、
辻斬りでもしたのかと言えばそういうわけではないのです。
あの方は、街に蔓延る妖怪のうわさに目を付けたのです。
曰くそれは、米俵のように丸々太った化けネズミだったり。
大太刀を片腕で振るう白猿だったり。
全身から眩い光を放つ迷惑なたぬきだったり。
そういったものを、あの方は詳しく調べもせず、切って切ってきりまくったそうです。
そのうち、わざわざ戦場に出向くよりも、妖怪退治のほうが喜ばれるようになりまして。
街人からも謝礼がもらえるようになりまして。
しかしながらそのお侍様は、お金に頓着が無かったのでございます。
だからその方は街人たちに褒章を返したのでございますが。
それでは彼らも納得できぬというもの。
そうこうしているうちに、彼の存在に怒り狂った妖怪たちが、街を襲おうとしているなんて噂も立ち初めまして。
妖怪の親玉も、彼を差し出せば許してやるなんて言うんですが。
褒章無しで妖怪退治やってる彼を差し出すわけなかろうと。
そないな恩知らずなことできんと。
そなら、彼みたいな妖怪切りを増やしたろうと。
そうやってできたのが、この破魔道場なのでございます。
話がなごうなりましたね。
それで、ご依頼は八尺様の退治でしたか。
名古屋の街はひろうございますからね。
研修ついでに新人でよければ。
六人ほど手配できますが、どうされます?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます