お盆の墓参り。
両親は屋根裏の御座所にどんな貴人がいたのか知っているのだろう。
苗字が三彬となった三本の彬の下に貴人が眠っているという三彬家。
三彬家は特別な位を伝承してきた家系なのだろう。
恐らく、貴人は屋根裏の小窓から京都を見つめていたのだろう。
沙智さんは、梯子をのぼってどのような光景を見たのだろうか?
作者からの返信
沈黙は金? さん
こんにちは!
「まごろしの鈍色」に引き続き、ありがとうございます。
読み手の数に応じてぶわっと想像が広がるような、そんな、遠野物語を意識してみました。
「八つ墓」がメジャーなら、こっちは好きな人は好きだろうなぁという感じではないかと。
なんかこういう実話風の、日本のどこかにあってもおかしくないような掌篇って書いていても楽しいし、読んでいる方も(こういうのがお好きなら)楽しいかも……♡
ちょっと字数足りなさすぎでしたが、1時間内に書き上げる!は達成しましたので、諸々、次回の反省に生かします。
ありがとうございました。
編集済
なーんとなく遠野物語のような、あやふやな現実感を備えた逸話、いいですね!
断片的な記憶を繋いだ感じの語り口も、読み手を選びそうなのですが、勝手に空白を埋めるタイプの読み手には楽しいです。
1000文字って大変ですよね。
追記
誤字訂正しました。お供えになってました……!
作者からの返信
鐘古こよみさん
大正解です~。
遠野物語を意識していました。日常の地続きの、「なんかそういう話があるんだけど」的なものを書きたかったのです。
大切な首や遺体を埋める時に目印に何か置くというのはあるあるなんですが、長い月日が経つうちにそれが何だったのか、何処だったのか不明になるのもまたあることで。
とくに交通網が発達して村から人が移動したここ半世紀くらいで「由緒ありそうだけど、これなに?」が増えているそうなんです。
なんだかそんなことを頭の片隅においていました。
おそらくは、人の世の乱れにすべてを奪われ、心ならずも都を落ち延びて山村にて果てた稚い少年。
その尊厳と無念のかたちを、現代にいたるまで残してきた家門。
さりげなく、ノスタルジックで優しげですらある雰囲気のなかに、歴史の冷徹さがひらめくような話でした。
作者からの返信
武江成緒さん
ありがとうございます~。消化不良なのがいかにも、という感じで突然終わる掌篇でございました。
主君の遺体を埋めた場所に彬を植えるのはあることみたいですね~。憶えている人がいればそれはやがて村人たちが維持していく塚などになり、その場所に戻ってくることがなければ、そのまま忘れ去られてしまったりするのでしょう。
稚い少年はどんなものを背負っていたのでしょうね……。