お菓子やパティシエというとふんわり華やかなイメージですが、物語の舞台は、きな臭い革命を潜り抜けた世界。魔獣との戦いもあり、陰謀もあり……の波瀾万丈で胸熱な展開が楽しめました。アンセルははじめはどちらかというと「ちょっとあぶなっかしい?!」「可愛い」なイメージでしたが、「脳筋」なノエルの繊細な優しさが明らかになると同時に、アンセルの真っ直ぐすぎる性格もだんだん頼もしく思えてきました。お菓子の甘さは平和の象徴ですが、苦難を一緒に乗り越えてきた師弟の関係の未来も暗示しているように感じられました。