第一章 出会ってしまって

ま……まじですかい!?

 作本健は支度をしていた。引っ越しのためだ。

「いくらなんでも、早すぎるだろ?」

 兄の慎吾が笑うが、健は支度をやめなかった。

 実のところ、健はショックに近いものを受けていた。

(この沼津港の近くで、ギャル男は俺だけだと思っていた……)

 というか健は「外見は」ギャル男ではなかった。その分内側がひどいこと極まりなかったのだが。

(本当に、悔しい……! 引っ越す前に、少しだけでも、俺が沼津港いちばんのギャル男になってやるっ)

 剣は決意を固めたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

「Kenちゃんはコメディが好き。」 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ