第4話 昔ながらの
期待に胸を膨らませながら、友美子と一緒に街を進んでいく。ネオンがキラキラと輝く中、古き良き秋葉原の面影がどこかに残っていることを信じて、目を細めた。
「おじいちゃんがいつも連れて行ってくれたお店、たしかこの通りだったと思うんだ」
友美子はそう言いながら、思い出の場所を探す。たくさんの新しい店やアトラクションが並ぶ中、少しずつその記憶が鮮明になっていく。
「この辺じゃないかな?」
友美子が指を指し、地図アプリを開いた。その瞬間、目に飛び込んできたのは、昔ながらのレトロなゲームショップの外観だった。店の名前は変わっていない。「ここだ!」おれは興奮を隠せず、思わず声を上げた。
絵のように描かれたグラフィックが施された新しい外観の中、昔のアイテムが展示されているのを見て、感情が込み上げてきた。中に入ると、懐かしいゲームの音楽と共に、友達や家族と共有した楽しい思い出が蘇る。
「おじいちゃんはここで一緒にゲームをしたんだ。あの時の笑顔、忘れられないよ」
友美子が言うと、おれは優しく頷いた。
「この場所があるってことは、大切な思い出も未来へ受け継がれているんだね。技術が進化しても、心の中の大切なものは変わらないよ」
友美子の言葉は、おれにとって一層の勇気を与えてくれた。
店内を見渡すと、最新のゲーム機やゲームソフトが一緒に並んでいて、世代を超えたコラボレーションを感じた。おれは思わず手に取った一つのゲームソフトを眺めていた。それは、以前秋子と一緒に遊んだ懐かしいタイトルだった。
「これ、私も覚えてる!おじいちゃんと何度もプレイしたやつだ!」
友美子の声には興奮と共に、深い感慨もあった。このゲームは、ただのソフトではなく、秋子との絆を感じる象徴だった。
友美子は、すぐにレジへ向かった。
「ねえ、友美子。この店、これからもずっと残っていてほしい。人と人とのつながりが感じられる場所として」
おれは友美子に話した。彼女もその思いに共感してくれた。
「絶対に残るよ。人々はいつも大切な思い出を求めて、この場所に帰ってくるはずだから」
友美子は微笑んで言った。
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